吸着 吸着の概要

吸着

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/19 04:35 UTC 版)

吸着のイメージ。(左)気相/液相界面では、界面に溶質が集合する。(右)液/固界面では、固体表面に溶質が結合する。

吸着(きゅうちゃく、adsorption)とは、物体界面において、濃度周囲よりも増加する現象のこと[1]気相/液相、液相/液相、気相/固相、液相/固相の各界面で生じうる。

反対に、吸着していた物質が界面から離れることを脱着または脱離(desorption)と呼ぶ[2]

概要

界面の原子は、物質内部の原子のように周囲と結合していないため、自由エネルギーが大きくなる(界面自由エネルギー)。このため、界面原子は近接した分子イオンなどの化学種を結合し、自由エネルギーを小さくしようとする。この現象を吸着という。

吸着現象には、ファンデルワールス力による物理吸着と、共有結合による化学吸着がある。物理吸着は比較的弱く、温度や圧力の制御で可逆的に吸脱着できる。化学吸着は強固で、吸着質の電子状態が変化するため、触媒反応などを進行させることもある。

吸着される物質を吸着剤(adsorbent)、吸着する物質を吸着質(adsorbate)と呼ぶ。吸着質の量は、モノレイヤ又はラングミュア等の単位を用いるか、表面への吸着が無視できる高温低圧状態での吸着剤質量を基準とした質量比(wt%)で表される。

吸着する表面が平らな場合にも吸着現象は起こるが、工業的には小さな孔(細孔)をたくさん持つ素材、すなわち多孔体が用いられることが多い。

理論

一酸化炭素活性炭へ吸着する場合の吸着等温線。横軸は圧力、縦軸は吸着体積である。温度が高くなると、同じ圧力での吸着量は減少する。

熱力学的には、吸着反応では吸着質が界面に束縛され自由度が低下するため、一般にエントロピーは低下する。

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