古本
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古書にまつわる文化
古本を含む書籍はそれ自体が文化的な存在であるうえ、希少本の探索に熱意を向ける蒐書家(ビブリオマニア)にはコレクターにつきものの悲喜こもごもが伴う。このため、かつては『彷書月刊』という古書専門雑誌が出版されていたほか、古本にまつわるエッセイや古書店主の回想録も多い。
10月は古書月間、10月4日は「古書の日」とされている。読まれた本への感謝を表すため、古書市会場となっている京都市の知恩寺では毎年10月下旬に古本供養を行っている[6]。東京の神田明神でも2017年10月5日、東京都古書籍商業協同組合が初の古本感謝祭を開いた[7][8]。物に対する通常の供養・おはらいと異なり、これらの本は焼却・廃棄はされず、再度販売されている。
また古書店には、元の持ち主にとって思い入れがある本や、秘密を書いた手記・日記、魔術・魔導書などが並んでいても不思議ではない雰囲気がある。このため、ミステリ小説やホラー小説などの舞台としても多く用いられる[9]。
元の持ち主による本以外の物の挟み込みや書き込み、破損などがある「痕跡本」を蒐集する者もいる[10](「#古書店主の著名人」で後述)。
古書マニアの著名人
- 清末四大蔵書家 - 丁氏兄弟、瞿紹基、楊以増、陸心源
- 斎藤夜居
- 斎藤昌三
- 柴山大四郎 - 山本周五郎の小説『ひやめし物語』の主人公(田坂具隆監督の映画『冷飯とおさんとちゃん』)
- 小山力也 - 『古本屋ツアー・イン・○○[注 1]』シリーズの著者。「古ツアさん」との愛称を持つ。声優の小山力也とは無関係。
- 暁烏敏
- 山下武
- 草森紳一 - 『随筆 本が崩れる』(文春文庫)
- 紀田順一郎
- 井上ひさし - 遅筆堂文庫
- 鹿島茂 - 『子供より古書が大事と思いたい』(青土社)
- 逢坂剛 - 『古書もスペインもミステリー―逢坂剛対談集』(玉川大学出版部)などがある[注 2]。
- 松岡正剛
- 立花隆
- 荒俣宏
- 横田順彌
- 坪内祐三
- 岡崎武志
- 林哲夫
- 河内紀
- 荻原魚雷
- 喜国雅彦
- 唐沢俊一
- 松沢呉一
- 南陀楼綾繁
- 近代ナリコ
- グレゴリ青山
- カラサキ・アユミ
古書店主の著名人
- 反町茂雄
- 八木福次郎
- 高林恒夫
- 高林孝行 - 高林恒夫の息子。
- 出久根達郎
- 青木正美
- 古川益三
- 長嶋康郎 - ニコニコ堂主人、『古道具ニコニコ堂のなんとなくコレクション』(新紀元社)著者。佐野洋子の友人、作家長嶋有の父。
- 石神井書林・内堀弘
- 月の輪書林・高橋徹[要曖昧さ回避]
- 田村治芳 - 雑誌『彷書月刊』の編集兼発行人
- 戸川昌士 - 珍レコードコレクションでもしられる、古書店主。
- 山本善行 - 古書善行堂主人。
- 田中美穂 - 蟲文庫(倉敷)店主。
- 古沢和宏 - 五っ葉文庫(愛知県)店主。書き込みなどがある本のコレクターで、著書に『痕跡本のすすめ』(太田出版)、『痕跡本の世界』(ちくま文庫)。
- 高野之夫
注釈
出典
- ^ “古典籍総合データベース”. www.wul.waseda.ac.jp. 2020年1月25日閲覧。
- ^ “古典籍資料室|国立国会図書館―National Diet Library”. www.ndl.go.jp. 2020年1月25日閲覧。
- ^ 公定価に阻まれて珍しい古本消える(昭和15年12月26日 朝日新聞(夕刊))『昭和ニュース辞典第7巻 昭和14年-昭和16年』p156 昭和ニュース事典編纂委員会 毎日コミュニケーションズ刊 1994年
- ^ “米最初の印刷本が史上最高額14億円で落札、17世紀の詩編”. ロイター. (2013年11月27日) 2015年7月13日閲覧。
- ^ AFP「スーパーマンがデビューしたコミック誌、史上最高額で落札」『スーパーマンがデビューしたコミック誌、史上最高額で落札 国際ニュース : AFPBB News』クリエイティヴ・リンク、2011年12月2日。
- ^ 古本供養(知恩寺)
- ^ 古本感謝祭 開催します。 東京古書組合ホームページ(2017年9月20日)
- ^ 「古本 感謝のおはらい/神田明神」『読売新聞』朝刊2017年10月5日(都民版)
- ^ ロバート・ブロック『妖蛆の秘密』、紀田順一郎『古本屋探偵』シリーズ、三上延『ビブリア古書堂の事件手帖』など。
- ^ 古沢和宏『痕跡本のすすめ』太田出版(2019年7月31日閲覧)。
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