加工硬化とは? わかりやすく解説

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加工硬化

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/25 09:16 UTC 版)

加工硬化(かこうこうか、英語: work hardening, strain hardening)とは、金属応力を与えると塑性変形によって硬さが増す現象。ひずみ硬化とも呼ばれる。金属応力を与えると結晶面に沿ってすべりが生じるが(塑性変形)、このすべりは結晶格子を構成する原子の配列に対し一様にズレるのではなく、歪みすなわち、転位を生み出す[1]。転位は順次に結晶格子内を移動していくが、加工硬化を起こし易い金属あるいは合金では、加工を繰り返すことで転位密度が高まり、転位は解放されずに次第に蓄積して絡み合い、そのすべり面に対しての抵抗が徐々に増してくる。すなわち、冷間加工により変形が進む程、転位は増加・重層化(ポリゴン化)して抵抗が大きくなり硬さを増していくことになる。これが加工硬化である。この性質を利用して、加工材料の強度の向上をさせることができる[2]


  1. ^ C.Kittel、pp.286-289、 20.転位、すべり - 転位
  2. ^ 古沢、pp.112-113、9.鋼の塑性加工、9.1.3 加工硬化による鋼の強化
  3. ^ 駒井謙治郎 編 『機械材料学』(9版)日本材料学会、1999年、33頁。 
  4. ^ 式中のFは、変形抵抗の大きさ。


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