二十四節気
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/26 09:44 UTC 版)
二十四節気の置き方
二十四節気は1太陽年を24分割し、節気(清明・立夏など)と中気(春分・穀雨など)を配置するが、その方法には平気法と定気法の2種類がある。
- 恒気法、時間分割法ともいう。1太陽年を24等分した約15日ごとに設けられ、冬至を起点として約15日ごとに節気と中気を交互に配置する。
地球の軌道は円ではなく楕円であることから、太陽の黄道上での運行速度は一定ではない。このため、平気法に基づいた場合の二十四節気の日と、定気法に基づいた場合とでは最大で2日内の差が生じる。当初は平気法により二十四節気を定めていたが、中国では清朝の時憲暦から、日本では天保暦から定気法により定めるようになった。
平気法は冬至は暦と観測で一致するが、夏至・春分・秋分は定気法を採用している現行の暦と一致しない。なお暦の上での春分・秋分は昼夜の長さが同じになるとの説が流布しているが、日の出・日の入りの時刻は地球の大きさの影響があり、春分・秋分で昼夜は均等にならない。
暦の指標
太陰太陽暦や節切りにおいては月名を決定し、季節とのずれを調整するための指標として使われる。12の節気と12の中気が交互に配された二十四節気に対し、各月の朔日(1日)前後に対応する節気が来るよう、以下のように月名を定めている。周代等の王朝では、冬至のある子月を1月とし、子月後半の最初である冬至を1年の始まりとし、冬至前日を大晦日としていた(子後半で始まり、子前半で終わる)。天文[要曖昧さ回避]・平気法・周正などの節切りでは冬至が暦法上として第1となり、夏正などでは立春が第1となる。
月名 | 子月 | 丑月 | 寅月 | 卯月 | 辰月 | 巳月 | 午月 | 未月 | 申月 | 酉月 | 戌月 | 亥月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
節気 | 大雪 | 小寒 | 立春 | 啓蟄 | 清明 | 立夏 | 芒種 | 小暑 | 立秋 | 白露 | 寒露 | 立冬 |
中気 | 冬至 | 大寒 | 雨水 | 春分 | 穀雨 | 小満 | 夏至 | 大暑 | 処暑 | 秋分 | 霜降 | 小雪 |
実際には中気を暦の基準とし、月の内に含まれる中気が何かによって月名を決めるので、例えば雨水を含む月が「正月」(一月)となる。しかし月の満ち欠けによる12か月の日数(太陰暦の一年)は、二十四節気が一巡する日数(太陽暦の一年)よりも約11日短いので、そのまま暦を使えば日付にずれを生じ続ける。このずれが重なると中気を含まない月が現れ、その月を閏月とする事になる。ただし定気法においてはこのルールだけでは足りず、更に閏月の入れ方にルールの追加が必要となる(太陰太陽暦#定気法の採用の項参照)。
暦月と節月
太陰太陽暦における1か月は、月の運行に基づき朔日から晦日までとしており、この区切り方を月切り、暦月という。暦注における月の区切り方でもある。各暦月の名称は二十四節気を基準に定められる。暦月では正月(一月)・二月・三月を春、四月・五月・六月を夏、七月・八月・九月を秋、十月・十一月・十二月を冬とする。
これに対し、節気から次の節気の前日までの間を1か月とする月の区切り方を節切り、節月という。日本において占いや年中行事を記す暦注の中で節切りによるものがよく使われ、また季語の分類も主として節切りで行われている。節月では、正月節(立春)から二月節(啓蟄)までが正月、二月節(啓蟄)から三月節(清明)までが二月、三月節(清明)から四月節(立夏)までが三月というように定められ、立春から立夏までが春、立夏から立秋までが夏、立秋から立冬までが秋、立冬から立春までが冬とされる。
太陰太陽暦では、暦月よりも節月のほうが先に進むことがある。たとえば雨水が正月(一月)15日より前の日付にくることがあるが、このとき立春は雨水の約15日前なので、前の年の十二月のうちに入る。これを「年内立春」という。『古今和歌集』の
- としのうちに はるはきにけり ひととせを こぞとやいはむ ことしとやいはむ(『古今和歌集』春歌上・在原元方)
とは、この年内立春のことを詠んだものである。
- ^ The Twenty-Four Solar Terms, knowledge of time and practices developed in China through observation of the sun’s annual motion アーカイブ 2016年12月3日 - ウェイバックマシン Intangible Heritage UNESCO
- ^ “暦便覧の意味や由来、読み方は?”. 日本文化と季節ラボ. 2023年4月14日閲覧。
二十四節気と同じ種類の言葉
- 二十四節気のページへのリンク