ミュンヘン
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観光
都市景観
- 街並みと建築物
ミュンヘンは歴史的な建築物や印象的な建築物により魅力を与えており、戦災による歴史的な建築物の復興だけでなく新しいランドマークとなる建築物も建てられている。ナショナルジオグラフィック・トラベラーの持続可能な目的地の調査で100以上を超える歴史的な場所でミュンヘンは30位にランクされている[29]。
観光スポット
中心部
市の中心部にはマリエン広場がある。この広場は広いオープンスクウェアで、名称は中心部にあるマリアと聖三位一体のコラム(石柱)である、マリエンゾイレ (Mariensäule) に因んで名付けられた。ミュンヘン旧市庁舎とミュンヘン新市庁舎はマリエン広場の周りにあり、その中にはラートハウス・グロッケンシュピールも含まれる。壊された中世の城壁の城門が今日でも3つ残され、東側にはイーザル門が南側にはゼンドリンガー門、中央駅方にはカールス門があり、カールス広場が控え、司法裁判所(Justizpalast)と噴水がある。
聖ペーター教会 (Peterskirche) はマリエン広場の近くにあり、中心部では一番古くからある教会である。この教会はロマネスク期に最初に建てられ、ミュンヘンが公式に創建される1158年以前の初期の修道士の集落の中心であった。聖ペーター教会近くにはゴシックホールのミュンヘン聖霊教会があり、1724年にはバロック様式に変わり、ヴィクトアーリエンマルクト(市場)を見下ろしている。聖母教会(フラウエン教会)はミュンヘン中心部ではよく知られた建築物で、ミュンヘン・フライジング司教区の大聖堂である。聖ミヒャエル教会はアルプス北側では最大のルネサンス様式の教会であり、テアティーナ教会は南ドイツのバロック様式建築に大きな影響を与えたイタリア風の後期バロック様式のバシリカである。ドームはオデオンス広場を見下ろしている。他のバロック様式の教会にはビュルガーザール教会やミュンヘン三位一体教会 (Dreifaltigkeitskirche) があり、バイエルンでは最初のロココ様式の教会、聖アンナ・イム・レイ教会などもある。アザム教会はロココ期の建築家の草分けであったコスマス・ダミアン・アザム兄弟により建てられた。
ミュンヘン旧市街の一角を占めるミュンヘン・レジデンツの宮殿の複合建築は1385年に着工され、そのインテリアの装飾はヨーロッパでも最も重要な美術館の一つである。レジデンツは幾度かの拡張を経て、その中には宝物庫 (Schatzkammer) や壮麗なロココ様式のキュビリエ劇場が含まれる。レジデンツの隣には新古典様式のオペラであるミュンヘン国立劇場が建っている。バロックや新古典様式の大邸宅であるパレ・ポルキアやパレ・ホルンシュタイン、プリンツ・カール・パライスは今でもミュンヘンに現存している。すべての大邸宅はレジデンツの近くにあり、アルター・ホーフは中世の城でヴィッテルスバッハ家の最初のミュンヘンでの居城であった。
王室の通りや広場
4つの広い王室の通りがありこれらの通りはミュンヘン中心部の公の建物と郊外とを結んでいた。新古典様式のブリエンナー通りは旧市街のレジデンツに近い北側のオデオン広場を起点に東西方向に走り、ケーヒニス広場に達する。広場周辺にはドーリア式のミュンヘン・プロピュライア (Propyläen)、イオニア式のグリュプトテークとコリント式のバイエルン州立古代美術博物館が、後方には聖ボニフェス修道院が建っている。ケーヒニス広場周辺はアート・クォーターになっており、ミュンヘンの美術館や博物館地区になっている。
ルートヴィヒ通りもまたオデオン広場を起点とし、南北方向に走っておりルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘンやルートヴィヒ教会、バイエルン州立図書館の他、多くのバイエルン州の官庁や首相官邸が面している。通りの南側はイタリアン・ルネサンス様式で建てられ、通りの北側はイタリアン・ロマネスク様式建築の強い影響を受けている。
ネオ・ゴシック様式のマクシミリアン通りはレジデンツや国立劇場があるマクス・ヨゼフ広場を起点に東西方向に走っている。通りには新ゴシック様式の建物や劇場、オーバーバイエルン行政管区の役所、バイエルン州立民族博物館がある。イーザル川を渡るとマクシミリアニウムやバイエルン州議会を巡る。マクシミリアン通りの西側はデザイナーズショップや高級ブティックや宝飾店で知られミュンヘンでは良く知られた5つ星ホテルの一つであるホテルフィヤーヤーレスツァイテン Hotel Vier Jahreszeitenがある。
プリンツリーゲン通り はマクシミリアン通りと並行して走っており、プリンツ・カール・パレを起点にする。この通り沿いには多くの博物館を見付けることができ、アートハウス(Haus der Kunst)、バイエルン州立博物館、シャックギャラリーがある。通りはイーザル川を渡りFriedensengel(平和の天使のモニュメント)を周りVilla Stuckとヒトラーの古いアパートメントを通る。プリンツリーゲン劇場はプリンツリーゲン広場のさらに東にある。
その他の地区
ニンフェンブルク宮殿(ニンフェンブルク城)とオーバーシュライスハイムの2つの大きなバロック様式の宮殿はバイエルンの王室を思い出させるものである。ニンフェンブルク城Schloss Nymphenburgは街の中心から6km北西に行った場所にあり、周辺部は印象深い公園に囲まれヨーロッパの中でも美しい王室の居城と考えられている。ニンフェンブルク城から北西部に2kmの場所にはブルンテンブルク城があり、古い公爵領の中心で後期ゴシック宮殿の教会がある。フュルステンライド城(フュルステンライド宮殿)はニンフェンブルク城に似たバロック様式の宮殿であるがこちらは規模がはるかに小さく、同時期にミュンヘン南西部に建てられた。2番目に大きなバロック様式の邸宅であるシュライスハイム城(シュライスハイム宮殿)はオーバーシュライスハイムの郊外にあり、宮殿の複合建築は3つの独立した邸宅 (Altes Schloss Schleißheim, Neues Schloss Schleißheim, Schloss Lustheim) を含んでいる。ほとんどの邸宅の複合建築群は博物館や美術館に使われている。ベルク・アム・ライム聖ミヒャエル教会は中心部にある教会では最も特筆される教会かもしれない。ほとんどの地区では教区教会があり、それらは中世に遡る教会で、最も有名な教会はミュンヘンの巡礼地であるラメルスドルフ聖マリア教会である。最も古い市内の教会はフレットマニング (Fröttmaning) のアリアンツ・アレナ近隣にあるHeilig Kreuz(聖十字教会)でロマネスク様式のフレスコ画で知られる。
ミュンヘンの郊外部では厳しい文化的な敏感さから遠くのバイエルンアルプスの景観の破壊を保護する観点から高層ビルの建築が制限されてきたが、幅広く多様な建築物が特徴となっている。ほとんどの高い建物は北側に集まっており、ミュンヘンのスカイラインとなっておりヒポ・ハウス (Hypo-Haus) やハイライトタワーズ (Highlight Towers)、ミュンヘン・アップタウンビル、Münchner Tor、オリンピック公園の近くにあるBMW本社ビルなどがある。他のいくつかの高層建築は中心部に位置し、シーメンスのキャンパスはミュンヘンの南部にある。スポーツスタジアムもまた現代のミュンヘンのランドマークになっている。住職の永峰寺がある。
公園
ミュンヘンは緑の都市で、多くの公園がある。エングリッシャーガルテンの面積は373haあり、ニューヨークのセントラルパークよりも広く世界最大級の都市公園である。公園内にはヌーディストエリアやジョギングコース、ブライドル・パスがある。設計はベンジャミン・トンプソンやルンフォード公(Rumford)が行い街のホームレスなどの娯楽と労働の場であった。今日では完全に公園で、中華風の塔の近くにはビアガーデンがある。他の緑地スペースではモダンなミュンヘンオリンピック公園やミュンヘン西公園、ニンフェンブルク宮殿(北側のミュンヘン・ニンフェンブルク植物園を含む。)、シュライスハイム宮殿を含む。ミュンヘンで一番古くからある公園はホーフガルテンでレジデンツの近くにあり、16世紀に遡る。街で一番大きなビアガーデンで知られる以前の王室のヒルシュガルテンは1780年に遡り、今でもシカが住んでいる。ヘラブルン動物園は市南部のイーザル川の中州フラウハー島にある。他に良く知られた公園にはペルラッハ・ラメルスドルフ(Perlach-Ramersdorf)にある東公園(Ostpark)でスイミングエリアがあり ミケリバートMichaelibadはミュンヘンでは一番大きい。
博物館・美術館
ドイツ博物館はイーザル川の中州にあり、世界でも歴史がある最大規模の科学に関する博物館である。3つの余分な展示用の建物は保護の指示により陸上交通に関するコレクションが収蔵された交通博物館Verkehrsmuseumに転換された。ドイツ博物館のFlugwerft Schleißheimは航空機に関する展示が中心である。いくつかの非集中型の博物館(多くはミュンヘン大学が公開している収蔵品)がありミュンヘン古生物博物館は幅広い州の収蔵品を展示し地質学や鉱物学[30]、動物学、植物学、文化人類学などを扱っている。
ミュンヘンにはそれぞれ重要な美術館がありアート・クォーターではそのほとんどを見つけることが出来、アルテ・ピナコテーク、ノイエ・ピナコテーク、ピナコテーク・デア・モデルネ、ブランドホルスト博物館が含まれる。アルテ・ピナコテークはモノリシック構造で14世紀から18世紀にかけてのヨーロッパの巨匠の作品が収蔵されている。コレクションは4世紀にわたるヴィッテルスバッハ家の吟味された嗜好が反映され、2つの展示館にそれぞれの時代の作品が展示されている。代表的な作品にはアルブレヒト・デューラーの『自画像』、『4人の使徒』、ラファエロ・サンティの『カニジャーニの聖家族』、「テンピの聖母」、ピーテル・パウル・ルーベンスの『最後の審判』などがある。アルテ・ピナコテークは世界で最も幅広いルーベンスの作品を収蔵している。第一次世界大戦以前、ミュンヘンでは青騎士と呼ばれる芸術家サークルが活動していた。それらの多くの作品はレンバッハハウス美術館で今日見ることができる。ギリシャやローマ芸術の重要なコレクションはグリュプトテークやバイエルン州立古代美術博物館に収蔵されている。ルートヴィヒ1世はメドゥーサ・ロンダニニやバベーリーニ牧神のような有名な作品やアイギナ島のアフェアス神殿からの彫像などを手に入れている。アート・クォーターは2013年にバイエルン州立エジプト美術収集館が開館するとより強化される。
ゴシック様式のエラスムス・グラッサーによるモリスダンスの彫像が中心部の古いゴシック様式の兵器庫の建物のミュンヘン市博物館に展示されている。旧市街とイーザル川との間の地区アルトシュタット=レーエルにはバイエルン州立民族博物館がマクシミリアン通りにありドイツでは2番目大きなヨーロッパ域外の遺物や作品を集めた博物館である。バイエルン州立博物館とバイエルン州立考古学収集館は隣あっており、プリンスリーゲンテン通りにあり欧州の有名な芸術や歴史の博物館である。近くにはシャックギャラリーがあり19世紀のドイツ絵画の重要な美術館である。
ミュンヘンから16km離れたダッハウ強制収容所は現在、記念館になっている。
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