マンダレー 交通および経済

マンダレー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/17 07:21 UTC 版)

交通および経済

マンダレー市街

ミャンマー国鉄マンダレー中央駅は、ヤンゴンからの幹線鉄道の終点駅であり、ピンウールイン、ラシオおよびミッチーナーへと更に北方に延びる支線の起点でもある。1990年代に欧米が制裁を科して以来、華人がマンダレーの経済の支配を強めつつある。1999年に、中国の援助で、新たな国際空港であるマンダレー国際空港が完成した。

現在ではミャンマー最大の中国資本の拠点である。国境で賄賂を支払い、ミャンマーの国民証明書を手に入れて移住する中国人が増えているとされ、地元住民からは「リトル・チャイナ」と呼ばれている。また、マンダレー市内には住民名義で工場を経営する中国人やマンダレーで生産した衣類に「中国製」のタグを付けて香港経由で欧米に輸出していた中国人経営の工場も存在するという。[8]

「マンダレーへの道」としてのエーヤワディー川の名声は今でも残っており、米や料理用油、穀物、竹、チーク材等の農産物を始めとする物流の大動脈となっている。マンダレーは、北部および中部ミャンマーの取引及び通信の中心でもある。主要産業には、織物、タペストリーヒスイの切り出しと研磨、石および木の彫刻、大理石および青銅の仏像、寺院の装飾品および道具一式、黄金およびの葉の制作、マッチの製造、醸造および蒸留がある。

マンダレービール

マンダレービールは、マンダレーにおいて産業省が醸造しており、ミャンマーにおいては有名なビールである。ミャンマーにおける最初の国有醸造所であるマンダレーは、マンダレーラガー、マンダレー赤ラガーおよびマンダレーエールを生産している。

気候

4月がもっとも暑く、40℃前後まで上がる日もある。雨季はおおよそ5月~10月まで。

マンダレー (1961–1990)の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
平均最高気温 °C°F 28.6
(83.5)
32.1
(89.8)
35.8
(96.4)
38.4
(101.1)
36.8
(98.2)
34.2
(93.6)
34.3
(93.7)
32.3
(90.1)
33.1
(91.6)
32.2
(90)
30.2
(86.4)
28.2
(82.8)
33.0
(91.4)
平均最低気温 °C°F 13.3
(55.9)
14.9
(58.8)
19.7
(67.5)
24.4
(75.9)
25.8
(78.4)
25.8
(78.4)
25.8
(78.4)
25.2
(77.4)
24.9
(76.8)
23.5
(74.3)
19.4
(66.9)
14.8
(58.6)
21.5
(70.6)
雨量 mm (inch) 4
(0.16)
2
(0.08)
1
(0.04)
40
(1.57)
138
(5.43)
116
(4.57)
83
(3.27)
136
(5.35)
150
(5.91)
125
(4.92)
38
(1.5)
6
(0.24)
839
(33.03)
平均降雨日数 0.4 0.4 0.4 3.3 8.3 7.2 5.9 8.7 8.1 6.8 2.8 0.7 53.0
湿度 68 58 49 50 66 73 71 76 76 77 74 72 67.5
平均月間日照時間 309 280 301 291 267 208 182 168 215 223 269 278 2,991
出典1:World Meteoroglogical Organization,[9] Weatherbase (record highs and lows).[10]
出典2:Danish Meteorological Institute (sun and relative humidity)[11]

文化

マンダレー大学

マンダレーは、ミャンマーにおける仏教文化と信仰の中心であり、無数の僧院と700を超えるパゴダがある。マンダレー丘のふもとには、世界最大の本としても知られる、世界の公式「仏典」がクドードーパゴダの中にある。そこには仏教のパーリ経典が全文彫り込まれた729枚の石盤が、1枚ずつ白い仏塔に納められている。

マンダレーの旧城市内の建物は、囚人を用いて近年補修された堀に囲まれている。旧城市は、第二次世界大戦中にほとんど破壊され、今は複製に置き換えられているマンダレー王宮、マンダレー刑務所、さらに、北西方面部隊 (Na Ma Hka) の司令部である陸軍駐屯地がある。


  1. ^ 大和総研
  2. ^ 大野, 徹『ビルマ(ミャンマー)語辞典』大学書林、2000年、511頁。ISBN 4-475-00145-5 
  3. ^ ミャンマー第2の都市、国軍に抗議の市民30人逮捕”. 日本経済新聞 (2021年2月5日). 2021年2月5日閲覧。
  4. ^ ビルマ政府考古学調査局「マンダレー王宮」1963年(2006年8月22日現在Mandalay Palace所収)
  5. ^ Bird, George W, Wanderings in Burma (1897年、ロンドン、 F J Bright & Son )254頁(Wanderings in Burma所収)
  6. ^ The Old Burma Road re-opened with a Willys MB by Alain Henry de Frahan(リンク切れ)
  7. ^ PATRICK BARTA (2013年1月15日). “アジア諸国で高まる反中国感情”. ウォール・ストリート・ジャーナル. http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324050504578242272438539446.html 2013年1月15日閲覧。 
  8. ^ 読売新聞2012年1月28日 国際8面
  9. ^ World Weather Information Service – Mandalay”. World Meteorological Organization. 2013年2月23日閲覧。
  10. ^ Weatherbase: Historical Weather for Mandalay, Myanmar”. Weatherbase. 2013年2月23日閲覧。
  11. ^ Myanmar – Mandalay” (Danish). Climate Data for Selected Stations (1931–1960). Danish Meteorological Institute. p. 188. 2013年4月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年2月23日閲覧。
  12. ^ Judson, A.; Stevenson, Robert C.; Eveleth, F. H. (1921). “မှန်နန်းတော်”. The Judson Burmese-English Dictionary. Rangoon: American Baptist Mission Press. p. 802. https://archive.org/details/judsonburmeseeng00judsrich/page/802/mode/2up 


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