マグロ
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生物濃縮による汚染
食物連鎖の頂点にある生物には様々な物質が生物濃縮により蓄積することは以前から知られており、海洋生物のトップであるクジラやマグロも例外ではない。マグロは小型の魚より汚染物質の濃度が高いことも同様に知られている。問題視されることがある汚染物質は、有機水銀(メチル水銀)、ダイオキシン類、放射性物質などである[20]が、通常の食事においてはドコサヘキサエン酸 (DHA) などの不飽和脂肪酸など利が多く忌避する理由はない。
有機水銀
メチル水銀の場合アメリカのアメリカ食品医薬品局 (FDA) は、2003年に妊婦や授乳中の女性および子供のマグロ摂取量制限の勧告を行っている(6オンス=約170 g/週[21])。ニューヨーク市では、2007年、幾つかの寿司料理店において基準値を超す水銀が検出された[22]が、世界で水銀汚染が進んでいるということではなく、健康被害はないものの調査研究を行うこととなっている[23]。
それらの騒ぎが発生する前に、厚生労働省による見解が2003年と2005年に示されている。2003年の発表において海外の調査報告が行われ、2005年の発表では妊婦の摂取に関して言及している。そこでは便宜的にメチル水銀を単に水銀と表記している[24]。
欧州食品安全機関 (EFSA) は、2014年12月19日『魚介類/水産物中のメチル水銀 (methylmercury) のリスクと比較した魚介類/水産物摂取の便益に関する声明書』を採択し[25]、その声明のなかで「出生前の神経発達の毒性に基づき、メチル水銀のTWIである1.3μg/kg体重/週を設定した。また、幼児、小児及び妊娠可能年齢の女性については、メチル水銀含有量の少ない魚種の摂取を増やすことによって魚食の便益を得ることが望ましい」などとした[25]。
放射性物質
主に軟組織に広く取り込まれて分布し、生物濃縮により魚食性の高い魚種(カツオ、マグロ、タラ、スズキなど)での高い濃縮度を示すデータが得られているが、底生生物を主な餌とする魚種(カレイ、ハタハタ、甲殻類、頭足類、貝類)では比較的濃縮度は低い。また大型の魚種ほど、濃縮度が高くなることが示唆されている。若い魚や高水温域に生息する魚ほど、代謝が良く排出量が多くなるため蓄積量は少ないと考えられている。体内に取り込まれる経路は、餌がほとんどであるが、鰓を通じて直接取り込まれる経路もあり、それぞれの経路の比率についてのデータは不足している[26]。
注釈
出典
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- ^ 家計調査 (二人以上の世帯) 品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング 総務省統計局
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- ^ 東京都内で発生したクドアが原因と考えられる下痢症について 国立感染症研究所
- ^ 生鮮「マグロに広がる寄生虫汚染の実態 全国で食中毒多発、メジマグロは67%が汚染」ビジネスジャーナル 記事:2015.02.12
- ^ 食中毒疑い事例で収去された魚からのクドア属粘液胞子虫の検出状況 東京都健康安全研究センター
- ^ 川瀬雅雄、吉岡丹、細谷美佳子 ほか「【原著】Kudoa hexapunctata 寄生メジマグロが原因と疑われる有症事例と患者便検査に関する検討」『日本食品微生物学会雑誌』2015年 32巻 1号 p.48-53, doi:10.5803/jsfm.32.48
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