フォルクスワーゲン・タイプ3
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/26 02:28 UTC 版)
派生車種
カルマンギア
1961年、セダンと同時にタイプ3をベースに全く新しいスタイルの「タイプ34」カルマンギアが登場した。同時代のアメリカ車の影響が顕著に感じられるエッジの効いたスタイリングを特徴とし、価格もビートルの2倍近くと比較的高価で、装備についても1963年からは電動サンルーフがオプション装備可能となる[1]など、タイプ1カルマンギアよりも高級志向であった。また、他のタイプ3各モデル同様に居住性やトランクスペースは大幅に改善されていた。
しかしそのスタイルはタイプ1カルマンギアほどの人気を得ることができず、カルマンがポルシェ・914の生産を開始した1969年に、タイプ1より先に消滅した。生産台数も4万2,505 台[2]と、年間平均5,000台程度に留まり、今日では稀少車扱いされ始めている。この生産台数の少なさは、アメリカに正式輸出されず[3]、タイプ1カルマンギアのようにブラジル法人でも生産されなかったためであった。
ブラジル生産車
ブラジル法人では、タイプ3は1968年に現地生産開始となったが、本国にはない4ドアノッチバックで、スタイルも1970年に登場するブラジル法人のオリジナルモデルの「ブラジリア」に良く似た独自のものであった。
ファストバック版は1970年に追加され、こちらも2ドアに加えて独自の4ドア版が用意されて1976年まで生産された。こちらの方がより多く販売されたが、ブラジルにおけるタイプ3で最も人気があったのは1969年に登場した3ドアワゴンの「ヴァリアンチ」であった。
「ヴァリアンチ」はセダン型が生産中止になった後の1977年にモデルチェンジを受けて、「ブラジリア」をベースにより角張ったスタイルの「ヴァリアンチII」となって、1980年まで生産された。ブラジル版は結局、ノッチバック2万4,475台、ファーストバック10万9,515台、「ヴァリアンチ」25万6,760台、「ヴァリアンチ II」4万1,002台の合計43万1,752台が生産された。
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