フェドロフM1916 特徴

フェドロフM1916

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/29 06:18 UTC 版)

特徴

フェドロフM1916のショートリコイル機構
日本軍が作成した「1925年式フエドロフ自動小銃」の構造図。この小銃はM1916の派生型であると考えられる。

フェドロフM1916は当時のライフル銃に比べると短いカービンサイズである。また反動利用の作動機構を採用したため、ガス利用作動方式で必要となるガスピストン等が不要となり、重量は4.4kgと比較的軽量にまとめられている。

M1916として知られるものの、1916年の発表以降、1919年、および1922年から1925年の間に、何度か大幅な再設計が行われている。フェドロフM1916として良く知られるのは、1919年に再設計されたモデルである[1]

フルオートでのコントロールを容易にするために、弾倉の前部にはフォアグリップが備えられている。

閉鎖方式にはモーゼル式ショートリコイル方式を採用しており、その閉鎖・開放の流れは左図の通りである(詳細は“ショートリコイル”を参照)。

ショートリコイル方式の銃器は射撃時に銃身が前後するため、銃身が固定されたボルトアクション方式と比較すれば命中精度が劣り、小銃に採用される事は稀で、一般には拳銃短機関銃に採用されることが多い。

スムーズに銃身を前後させるとともに、白兵戦時に銃身を掴まれるなどして作動不良を招かないように、銃身は銃床および放熱筒で覆われており、銃身に過剰な負担をかけないために、銃剣は銃床部放熱筒に固定される構造となっていた。

また、重量の軽減と連射時のバレル冷却の目的からバレル自体にフルート加工(銃身に溝を彫ることで表面積を増やして冷却効果を高める方法)が施され、フォアストック部には放熱性の高いアルミ材と鋼板が使用された。


注釈

  1. ^ 野戦において本格的に機関銃が使用されたのは、これが最初だったとされる。

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m Оружие нового типа. Автомат Фёдорова”. Оружейный журнал "Калашников". 2020年12月15日閲覧。
  2. ^ a b "Rifles: an illustrated history of their impact" David Westwood, ABC-CLIO, 2005, ISBN 1-85109-401-6, 9781851094011
  3. ^ a b c Первый в мире автомат”. Русский Портал. 2020年12月16日閲覧。
  4. ^ a b Fedorov Avtomat”. Historical Firearms. 2020年12月15日閲覧。
  5. ^ 陸軍省大日記乙輯 鹵獲兵器交付の件(昭和13年12月)
    「張鼓峯事件ニ於ケル鹵獲兵器ヲ別紙ノ通陸軍航空本部陸軍技術本部並陸軍被服本廠ヘ夫々交付方取計ハレ度依命通牒ス」「一八九一式小銃 フエドロフ自動小銃 一九二五式自動小銃 コローフイン式拳銃 ナガン式拳銃 信号拳銃 フエドロフ自動小銃破損品」
  6. ^ 陸満密大日記 第14冊 不正越境蘇連兵「スモリヤカー」の携帯せる「サカロフ」自動小銃性能実験射撃に関する件(昭和15年9月30日 )
    「サカロフ自動小銃概説 一、欧洲大戰当時ノフイヨドルフ式自動小銃ハ旧式ニシテ目下部隊ニハ支給シアラザルモノノ如ク~」
    注: 日本軍側の資料の「サカロフ」という呼称は、「張鼓峯事件鹵獲「ソ軍」兵器写真要覧」や「蘇軍「サカロフ」式自動小銃説明書」にも見られ、シモノフM1936半自動小銃を指して使われていた。
  7. ^ 6.5-мм пулемет Федорова-Дегтярева”. airwar.ru. 2020年12月16日閲覧。






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