フィン人 歴史

フィン人

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/29 04:34 UTC 版)

歴史

紀元前3000年ごろから定住し、古代ローマ歴史家タキトゥスの記録に登場するため、2000年以上前には歴史に登場したと思われる。タキトゥスの記述した「フェンニ」がフィン人の語源になったことは間違いないが、フェンニが古代フィン人のことを指していたかどうかは詳らかではない。もし違うのなら、「フェンニ」の誤用が現在の名称のもとになったということになる。

彼らの起源はイングリアが有力で、民族叙事詩「カレワラ」に詳しい。冷涼の土地に定着したのに関してフィンランド人の間では「『ウラル語族』のなかの愚かな人々がうっかり定住するところを間違えたのがわれわれフィンランド人だ(それに対し賢かったのはハンガリー人マジャル人))」と自嘲気味に語られることがある。

フィン人は人口が少なく、古代には自然崇拝に基づいた、スオミ人、ハミ人、カレリア人などの三部族に分かれての生活を送ってきた。しかし、その三部族の部族内でさえバラバラで、そのため統一国家樹立を実現する前に、ノルマン人スウェーデン人による北方十字軍の征服を受け、キリスト教化ヨーロッパ世界に組み込まれた。スウェーデンによる支配は長く続き、宗教や文化などで強い影響を受けている。その後19世紀にはスラブ人ロシア帝国の支配を受けると、ようやく民族主義が高まり、帝政ロシア崩壊直後の1918年にはフィンランド共和国を樹立した。しかし第二次世界大戦の直前には、ロシアの版図を引き継いだソビエト連邦の侵攻を受けた。絶望的な戦力差にもかかわらず、冬戦争継続戦争での善戦もあって領土の一部を割譲しつつも独立を維持したが、ナチス・ドイツと提携していたこともあって戦後は敗戦国の地位に甘んじることになった。国際連合常任理事国となったソ連から賠償金を請求されたほか、かろうじて非共産圏にとどまったものの、後世にフィンランド化と揶揄されるほどの親ソ政策・対ソ宥和外交を余儀なくされることになる。


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  2. ^ Ancestry 2000 By Angela Brittingham and G. Patricia de la Cruz
  3. ^ St.meld. nr. 15 (2000-2001年) " http://odin.dep.no/krd/norsk/dok/regpubl/stmeld/016001-040003/hov005-bn.html Om nasjonale minoriteter i Norge
  4. ^ Saressalo, L. (1996), Kveenit. Tutkimus erään pohjoisnorjalaisen vähemmistön identiteetistä. Suomalaisen Kirjallisuuden Seuran Toimituksia, 638. Helsinki.
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  7. ^ Virpi Laitinena et al. (2002), Y-Chromosomal Diversity Suggests that Baltic Males Share Common Finno-Ugric-Speaking Forefathers, Human Heredity, pages 68-78, [1]
  8. ^ Petri Kallio 2006: Suomalais-ugrilaisen kantakielen absoluuttisesta kronologiasta. — Virittäjä 2006. (With English summary).
  9. ^ Häkkinen, Jaakko 2009: Kantauralin ajoitus ja paikannus: perustelut puntarissa. – Suomalais-Ugrilaisen Seuran Aikakauskirja 92. http://www.sgr.fi/susa/92/hakkinen.pdf


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