バージニア工科大学 キャンパス

バージニア工科大学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/10 20:04 UTC 版)

キャンパス

バージニア工科大学のキャンパスは、バージニア州ブラックスバーグにある。キャンパスの中心部は、北西でプライセズ・フォーク・ロード(Prices Fork Road)、西でプランテーション・ドライブ(Plantation Drive)、東でメイン・ストリート(Main Street)、南で国道460号バイパスで区切られているが、キャンパスはその外部にも数千エーカーにわたって広がっている。また、ブラックスバーグのほかに、ハンプトン・ローズバージニア・ビーチ)、首都地区(バージニア州フォールズチャーチ - アレクサンドリア)、リッチモンドロアノーク、南西バージニア高等教育センター(アビンドン)に支部キャンパスがある。

ブラックスバーグ・キャンパスは、ドリル・フィールドと呼ばれる長円形の広場を、多くの建物が取り囲んで形成されている。

ブラックスバーグ・キャンパスでは、多くの建物にホーキー・ストーンという石材が建築材料として使われている。ホーキー・ストーンは灰色、茶色、黒、ピンク、オレンジ、赤茶色といった様々な色の混じった石灰岩で、苦灰石を含むことがある。バージニア南西部、テネシー州、アラバマ州の採石場で採掘されるが、そのうちのひとつは1950年代以降、大学によって操業されている。

バージニア工科大学は、2007年の『プリンストン・レビュー』で「ベスト・キャンパス・フード」の第1位に輝いた。大学内には7か所に食堂施設群があり、Au Bon Pain、Sbarro、Chick-fil-A、ピザハットシナボン等が入っている。

ドリルフィールドのパノラマ写真

コンピュータ

スーパーコンピュータ

バージニア工科大学が2003年11月に1,100台のデュアルプロセッサ搭載Power Mac G5を導入し、2,200基のPowerPC G5プロセッサをクラスター化して構築したSystem X(愛称"Big Mac")は、当時世界で3番目に速いスーパーコンピュータであった。かかったコストの低さは特筆に値し、従来の最速といわれるスパコン構築には1億〜2.5億ドルのコストがかかるといわれているが、同大が構築したシステムは520万ドルのコストだったという。試験運用時にBig Macシステムは8.1TFlops(理論値は16.8TFlops)を記録し、後に10.28TFlopsを記録した。

2004年にシステムを再構築し、最大12.25TFlopsを計測した。この際、米Appleはオーダーメイドの2.3GHz Xserve G5 Clusterモデルを特別に提供しており(当時、市販されていたのは2.0GHzまで)、1150台への増強も伴い少なからず速度向上に貢献している。なお、バージニア工科大学はこのシステム再構築に60万ドルかかったとしている。

2008年11月には、325台のMac Pro(2つの4-core 2.8GHz Xeon搭載モデル, 合計2600基のCPUコア)と世界初のQDR InfiniBandを利用した低コスト・省電力なSystem Gを構築し、22.8TFlopsを記録、省電力におけるHPCの研究に利用している。

教育でのコンピュータの利用

バージニア工科大学は、1984年に公立機関として初めて工学部の学生にパソコンの所有を義務づけた学校であり、2006年からは工学部の新入生にタブレットPCの所有を義務づけている。

スポーツ

レーン・スタジアム
ACCチャンピオンシップ・ゲーム(2005年)
コモンウェルス・カップ(2006年)

概要

バージニア工科大学(バージニアテック)は、NCAAのディビジョンIで、以下の18(ディビジョンI-Aのアメリカン・フットボールを含む)の競技に参加している。

チーム名

バージニア工科大学が参加する18の競技のうち、水の分子式のH2OとホーキーズをかけてH2Okiesと名乗っている水泳を除く全てのチームで、バージニアテック・ホーキーズ(Virginia Tech Hokies)というチーム名が使用されている。ホーキーズというチーム名は、1896年に作られた「オールド・ホーキー」(Old Hokie)という応援の掛け声に由来する。

ホーキーズというチーム名が使われるようになる前には、ファイティング・ゴブラーズ(Fighting Gobblers)というチーム名が使われていた。これは、バージニア工科大学はかつては軍人の育成を目的とする大学であり、その士官候補生団には食糧不足の時代にも充分な食事が与えられたことから、むさぼり食う人々(gobblers)という名が付けられたものだと言われる。

チームカラー及びマスコット

ホーキーズのチームカラーはシカゴ・マルーン とバーント・オレンジ で、1896年に、当時他のどのチームも使っていない組合せであるという理由で選ばれた。

チームのマスコットは、ホーキーバード(Hokie Bird)という、七面鳥に似た生き物である。これは、かつてのチーム名であるファイティング・ゴブラーズ(Fighting Gobblers)の「ゴブラー」(Gobbler)に雄の七面鳥という意味があることに由来する。ホーキーバードという名前は、チーム名がホーキーズに変わった後の1980年代半ばから使われるようになったものである。

カンファレンス

ホーキーズは、2003年からアトランティック・コースト・カンファレンス(ACC)に属している。2003年にACCに移るまでは、様々なカンファレンスを転々としており、例えば、1995年から2000年まではアトランティック10カンファレンス(フットボール及びレスリングを除く。フットボールは1991年以降ビッグ・イースト・カンファレンスに所属。)、2000年から2003年まではビッグ・イースト・カンファレンス(レスリングを除く。)に所属していた。

アメリカンフットボール

バージニア工科大学のアメリカンフットボールのチームは、カレッジフットボールの強豪として知られ、1993年以来連続してボウル・ゲームに進出している。

特に1999年シーズンには11勝0敗でシーズンを終え、全米チャンピオンをかけてシュガーボウルに出場したが敗れ、ランキング2位に終わっている。

2004年に移籍したACCはフットボールの強豪チームが多く属するカンファレンスであり、ホーキーズの移籍は、地元のロアノーク・タイムズ紙の記者に「私が生きているうちに、バージニアテックがACCで優勝することはないだろう。」と評された。しかし、バージニアテックのフットボール・チームは、移籍したその年に優勝を果たし、記者のもとには「葬式はいつか」と問い合わせる電話が殺到した。ホーキーズは、その後、2007年、2008年にもカンファレンスのチャンピオンとなっている。

同じバージニア州の州立大学であるバージニア大学とは長きにわたるライバル関係にあり、両校の間では毎年コモンウェルス・カップ(Commonwealth Cup)が争われる。また隣接するウェストバージニア州ウェストバージニア大学との間では、1997年から2005年の間、ブラック・ダイアモンド・トロフィー(Black Diamond Trophy)が争われたが、ホーキーズがACCに移籍して両校が異なるカンファレンスに属することになったこともあり、2006年以降は開催されていない。ACCでは、パーマネント・ライバルという制度があり、バージニア工科大学のパーマネント・ライバルはボストン・カレッジとされている。

ホーキーズのホーム・スタジアムは、66,233人を収容するレーン・スタジアム(Lane Stadium)である。


  1. ^ Karin Kapsidelis (2015年1月9日). “Virginia Tech gains enrollment, becomes state's 2nd largest public university”. Roanoke Times. https://www.roanoke.com/news/virginia/virginia-tech-gains-enrollment-becomes-state-s-nd-largest-public/article_b68441dc-7f96-5be5-9a8a-c85f8d2f8682.html 
  2. ^ Carnegie Classifications Institution Lookup”. carnegieclassifications.iu.edu. Center for Postsecondary Education. 2020年7月26日閲覧。
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  4. ^ The McBryde Years (1891-1907)”. Virginia Tech. 2020年4月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月28日閲覧。
  5. ^ The Burruss Years (1919-1945)”. Virginia Tech. 2020年4月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月28日閲覧。
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  9. ^ 2021 Best National Universities”. US News Rankings. 2021年1月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月28日閲覧。






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