ノスリ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/24 03:06 UTC 版)
生態
平地から山地の森林に生息する。群れは形成せず、単独もしくはペアで生活する。
食性は動物食で、昆虫類、節足動物、陸棲の貝類、ミミズ、両生類、爬虫類、鳥類、小型哺乳類等を食べる。
繁殖期には縄張りを形成する。樹上や断崖の上に木の枝を組み合わせた巣を作り、日本では4–5月に2–4個の卵を産む。
主にメスが抱卵(雌雄とも抱卵することもある)し、抱卵期間は33–35日。雛は孵化後50–55日で飛翔できるようになり、その40–55日後に独立する。生後2–3年で性成熟する。
狩りの際の挙動は、「停飛から急降下」[3]と、後述する「樹上から急降下して匍匐飛行」が見られる。
和名ノスリの由来の説として、上記後者の樹上からの狩りの際に、野を擦るような地表すれすれを匍匐飛行する(野擦)ことが知られている。[4]
獲物に気づかれぬように接近する目的の行動と思われるが、最終位置の確認と思われる「獲物の直前でポップアップ機動」をする場合も目撃される。
保全状況評価
種とされて日が浅いため、IUCN Red List ではUR (Under Review ※調査中) である。
人間との関係
人里近くにも生息するため、環境破壊による生息地や獲物の減少の影響を受けやすく、生息数は減少している。
鷹と似ているが鷹狩に使えないため、役に立たない鷹として、奈良時代には「くそとび」と呼ばれていた[5]。
- ^ a b c Gill, Frank; Donsker, David, eds. (2010), “Raptors”, IOC World Bird Names, 2.6
- ^ Lerner, H.R.L.; Llaver, M.C.; Mindell, D.P. (2008), “Molecular Phylogenetics of the Buteonine Birds of Prey (Accipitridae)”, Auk 304: 304–315
- ^ 書籍「野鳥観察ハンディ図鑑」日本野鳥の会「新・山野の鳥」
- ^ NHK番組「ワンダーxワンダー」2010/09/11放送「ワシとタカ 美しきハンター」
- ^ 安部直哉『山渓名前図鑑 野鳥の名前』(山と渓谷社) 253頁 ISBN 978-4-635-07017-1
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