ニンテンドーDSi
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/22 11:32 UTC 版)
特徴
ニンテンドーDS Liteからの変更点を中心に説明する。
- 画面
- 3.0インチから3.25インチに拡大。画素数や2画面・下画面のみタッチスクリーンという構成は変わらない。
- 輝度調整が4段階から5段階へ変更された(中輝度が追加)。
- 大きさ・重量
- 縦・横の寸法は数mm程大きくなり、厚さは12%(2.6mm)薄くなった。また、4g軽量化された。
- カメラ
- 新たに30万画素のカメラを本体上蓋側背面とヒンジ部内側の2箇所に搭載した。
- 撮影した写真は内蔵メモリ(初期状態で最高413枚まで保存可能)やSDメモリーカードに保存される。
- SDメモリーカードスロット
- 新たにWiiで採用されているSDメモリーカードスロットを搭載した。
- カメラで撮影した写真の記録やオーディオ再生機能(後述)などで利用される。ニンテンドーDSiウェア(以下「DSiウェア」)でダウンロードしたソフトウェアをSDメモリーカードにコピーすることもできるが、SDメモリーカード内のデータを直接起動させることはできない。
- SDメモリーカードと、最大32GBのSDHCメモリーカードに対応。SDメモリーカードのほか、変換アダプタを用いてminiSDカード・microSDカードも使用可能。ただし、SDXCメモリーカードは使用不可。認識がされる対応フォーマットはFAT32のみとなる。
- 内蔵メモリ
- 新たにWiiで採用されている256MBの内蔵メモリを搭載。DSiウェアと呼ばれる実用ソフトウェアや容量の小さいゲームソフトを内蔵することが可能(DSiウェア以外のゲームソフトを内蔵メモリにインストールすることはできない)。各データのサイズや空き容量は全て「ブロック」という単位で表示される。1ブロックは128KB相当。
- なお、256MBの内128MBは、カメラで撮影した写真・本体設定・受信した本体アップデートプログラムなどの保存領域として使用されるため、ユーザーがDSiウェアの保存に使用できるのは128MB(ブロック換算で1024ブロック相当)である。容量の大きなDSiウェアのデータを多く記録していくと容量が足りなくなる場合があるが、容量を拡張する手段はない。
- ゲームボーイアドバンススロット廃止
- DS及びDS Liteでは、ゲームボーイアドバンス(以下GBA)用ソフトをプレイできたが、DSiでは、ゲームボーイアドバンス用ソフトのスロットが無くなったため、GBA用ソフトがプレイできなくなった。また、DS用ソフトであっても『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール・プラチナ』などでのGBA用ソフトとのデータ連動や『DS振動カートリッジ』などのGBAスロットに差し込む拡張機器は使用できない。よって、『オシャレ魔女 ラブandベリー DSコレクション』などのGBAスロットに差し込む拡張機器がプレイする上で必要不可欠なソフトは、プレイ自体不可能である。対象となるソフトについては公式サイトを参照のこと。
- カード交換
- 電源ボタンを押して、ゲームを終了した後にシステムの動作を停止させ、DSiメニューへ戻り、カードを交換することができる。なお、カードを抜くときには正面真ん中の押しを使用するが、DS用ソフト・DS・DSi両対応ソフト・DSi用ソフトのカードをそのまま手で押し抜くこともできる。
- スピーカー
- スピーカーやサウンド関連のICの仕様が変更され、音質が向上した。また、最大音量も大きくなった。
- ボタン
- START・SELECTボタンが若干大きくなり、他のボタンも仕様が若干変更された。
- なお、Lボタン及びRボタンは、使用頻度によりボタンの反応が悪くなったり、押しても反応しなくなることがある。この場合、ボタンの隙間に息を軽く吹きかけることで一時的に直る場合がある。
- 電源スイッチ
- 電源スイッチは、スライド式からボタン式に変更され、位置も内側の十字ボタンの下に移動された。また、電源ボタンを短く押すことで、電源を切らずにDSiメニューへ戻れる「リセット機能」が追加された。なお、フリーズした場合などにはリセット機能も使えなくなることがあるが、この場合は電源ボタンを4秒以上押すことで強制終了させることができる。
- 音量/明るさ調節スイッチ
- 音量調節はスライド方式からゲームボーイミクロと同様のボタン方式に変更され、画面・ランプ輝度調節機能も併せ持つようになった。また本体起動中にSELECTボタンを押しながら音量ボタンを押すことにより輝度を調節できるようになった。
- 電源・充電・無線ランプ
- 電源ランプ・充電ランプに加えて新たに無線ランプが追加され、位置もヒンジ部左側に変更された。
- 無線ランプは、無線通信の電源がオンに設定されていて、且つ通常時や電波受信時のように電波を送出していない時は点灯し、電波を送出している時は点滅する。本体設定で無線通信の電源をオフにすると消灯する。
- 電源ランプは、従来通り電池残量に応じて色が変化する。ニンテンドーDSおよびニンテンドーDS Liteでは「緑→赤」の2段階だったが、ニンテンドーDSiは「青→赤(点灯)→赤(点滅)」の3段階になった。色の変更は、ニンテンドーDSiより2か月前に発売されたニンテンドーWi-Fiネットワークアダプタと同様、赤緑色覚異常を持っている利用者への配慮とのこと[9]。
- 無線通信機能
- 無線通信機能が改良された。ただし、以下の変更点はDSi本体機能・DSi専用ソフト(DSiウェア含む)・DS/DSi両対応ソフトを使用した場合のみ有効で、従来のニンテンドーDS専用ソフトは従来通りの仕様で動作する。
- 高速な通信が可能になり、セキュリティもWEPだけでなくWPA(TKIP/AES)・WPA2(TKIP/AES)に対応。
- また、Wi-Fiの設定項目を、WEPまで設定が可能なDSソフトと共有の基本設定が3つ、WPS対応・WPA2まで設定が可能な上級者設定が3つの計6つまで保管できるようになった。自動設定は、AOSS(バッファロー)・らくらく無線スタート(NECアクセステクニカ)に加えて上級者設定時WPSに対応。
- オートモード廃止
- 電源を入れるとメニューを経由せずにゲームが直接起動するオートモード設定は無くなった。
- 終了時動作の変更
- DSおよびDS Liteでは、本体設定・ピクトチャット・DSダウンロードプレイの終了時に「電源を切って終了します。」というメッセージが表示され、DSメニューに戻る場合は一度電源をOFFにする必要があったが、DSiでは「DSiメニューに戻りますか?」のメッセージに変更され、電源を落とさずに本体更新・初期化以外は、DSiメニューに戻れるようになった。ただし、本体更新・初期化の終了時や、L・R・STARTボタンを押しながら電源をONにした際に表示されるタッチスクリーン補正設定の終了時には、電源を切る旨のメッセージが表示される。
- 本体アップデート機能
- 新たにインターネット接続による本体アップデート機能を搭載。後述の#本体アップデートを参照。
- 言語設定一旦廃止
- DSおよびDS Liteでは、本体の表示言語を英語・フランス語・イタリア語・ドイツ語・スペイン語・日本語[注釈 2]に変更することができたが、DSiからNew 2DS LLまでは北米・欧州発売版のうち、言語設定が一旦廃止され[注釈 3]、各国発売版の言語のみの固定となった。ちなみに、北米発売版では英語・フランス語・スペイン語に、欧州発売版では英語・フランス語・イタリア語・スペイン語・ドイツ語に言語を変更することが可能なニンテンドーDSiのリージョンは北米・欧州発売版のみである。
北米発売版 | 欧州発売版 |
---|---|
English | English |
Français | Français |
- | Italiano |
Español | Español |
- | Deutsch |
- システムフォント
- DSiメニューや内蔵機能などで表示されるフォントが、ピクトチャット・DSダウンロードプレイ以外はWiiやニンテンドーゲームキューブで採用されているフォントワークス製のものになった。アンチエイリアス処理もされている。それ以外のフォントはピクトチャット・DSダウンロードプレイでは、従来通りDS・DS Liteの文字フォントが表示される。
- ペアレンタルコントロール
- 新たにペアレンタルコントロール機能を搭載。暗証番号を設定することによって、親が子供のソフトの起動を制限することができる。DS専用ソフトやダウンロードプレイでダウンロードしたソフトは対応していない。
- リージョンコード
- ゲームボーイ(以下GB)やゲームボーイカラー(以下GBC)やゲームボーイアドバンスで採用されているリージョンコードがリージョンロック仕様として設定された。使用するDSi専用ソフト(DSi対応ソフト・DSiウェア含む)と本体のリージョンコードが一致しないとそのソフトを起動することができない。ただし、『ポケットモンスター ブラック・ホワイト』、『ポケットモンスター ブラック2・ホワイト2』の日本国外版のように、リージョンコードが設定されているが一致しない本体でも起動できるソフトも存在する。なお、従来のDS用ソフトにはリージョンコードが設定されていないため、この影響は受けない。
- 許諾のない製品の使用制限
- 本体更新機能により、任天堂に許諾されていない製品(プロアクションリプレイやマジコンなど)の使用が制限されるようになった。
- 内蔵電池
- 電池の体積は約12%減少、電池容量も1000mAhから840mAhへと減少した[10]。
- その影響で、充電時間が約3時間から約2時間30分へと短縮された反面、電池継続時間が最低輝度で約15 - 19時間から約9 - 14時間へ、最高輝度で約5 - 8時間から約3 - 4時間へと短くなった。ただしそれぞれ設定上の基準であり、同等の輝度とは限らない。
- ACアダプター
- ニンテンドーWi-FiネットワークアダプタのACアダプターと同一の物(WAP-002)を採用。端子部の形状が変わったため、ニンテンドーDS・ニンテンドーDS LiteのACアダプターは流用できない。
- WAP-002は、以後に発売された任天堂の携帯ゲーム機の共通アダプターとなっている。
- タッチペン
- 4.5mm長くなり、取り出し易いようにペン上部の突起が小さくなった。本体にはニンテンドーDS Lite専用のタッチペン(USG-004)や、ニンテンドー3DSのタッチペン(CTR-004)も差し込み可能。
- ストラップ
- ニンテンドーDSおよびニンテンドーDS Liteには専用ストラップが本体に同梱されていたが、ニンテンドーDSiには同梱されていない。
注釈
出典
- ^ a b c d e f “任天堂株式会社 連結販売実績数量の推移” (PDF). 任天堂 (2016年12月). 2022年7月14日閲覧。
- ^ “修理の受付が終了した商品”. サポート情報. 任天堂. 2022年7月14日閲覧。
- ^ “社長が訊く『ニンテンドーDSi』ハード 篇 1. カメラとSDカード”. 任天堂. 2022年7月14日閲覧。
- ^ “社長が訊く『ニンテンドーDSi』番外篇〜訊いてる社長に訊く〜”. 任天堂. 2022年7月14日閲覧。
- ^ “ニンテンドーDSi LL、発売から2日間で10万3524台を販売(エンターブレイン調べ)”. ファミ通 (2009年11月24日). 2022年7月14日閲覧。
- ^ a b “ニュースリリース : 2010年6月2日 「ニンテンドーDSシリーズ」メーカー希望小売価格改定及び「ニンテンドーDSi LL」の新色発売のお知らせ”. 任天堂 (2010年6月2日). 2022年7月14日閲覧。
- ^ a b “ニンテンドーDSi / DSi LLの「ニンテンドーDSiショップ」サービス終了のお知らせ”. サポート情報. 任天堂 (2016年9月16日). 2022年7月14日閲覧。
- ^ “ニンテンドーDSi / DSi LLの「ニンテンドーDSiショップ」サービス終了に伴う払い戻しについて”. サポート情報. 任天堂 (2017年9月30日). 2022年7月14日閲覧。
- ^ “社長が訊く「ニンテンドーWi-Fiネットワークアダプタ」”. 任天堂. p. 2. 2022年7月14日閲覧。
- ^ a b c 日経エレクトロニクス、「分解:任天堂の次世代機『DSi』、カメラと無線LANに工夫」、2008年11月17日号、P16-P17
- ^ a b 佐伯憲司. “任天堂、「ニンテンドーDSi LL(スーパーマリオ25周年仕様)」を10月28日に発売”. GAME Watch. Impress Watch. 2022年7月14日閲覧。
- ^ “セブンイレブン限定。ニンテンドーDSiのスーパーマリオ25周年記念モデルが10月28日に発売&予約受付中”. 4Gamer.net. 2022年7月14日閲覧。
- ^ “한국닌텐도, 닌텐도 DSi™ 및 신작 소프트웨어 발표”. 韓国任天堂. 2017年4月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年9月11日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “米国任天堂、赤と青の新色ニンテンドーDSiを発表”. インサイド (イード). (2012年8月1日) 2023年3月20日閲覧。
- ^ a b c “ニンテンドーDS 周辺機器”. 任天堂. 2022年10月2日閲覧。
- ^ a b “携帯型ゲーム機、任天堂がテコ入れ iPhoneに対抗”. NIKKEI NET (2009年10月27日). 2010年1月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年12月12日閲覧。
- ^ a b “ニュースリリース : 2009年10月29日 DSiが広視野角・大画面に!ニンテンドーDSi LL ― 11月21日、20,000円で新発売 ―”. 任天堂 (2009年10月29日). 2022年7月14日閲覧。
- ^ 岩田聡 (2009年10月30日). “2009年10月30日(金) 経営方針説明会/第2四半期(中間)決算説明会 任天堂株式会社 社長 岩田聡 講演内容全文”. 任天堂. p. 9. 2022年7月14日閲覧。
- ^ “社長が訊く『ニンテンドーDSi LL』6. “人にやさしいDS”として”. 任天堂. 2022年7月14日閲覧。
- ^ “スーパーマリオ25周年キャンペーン:ニンテンドーDSi LL(スーパーマリオ25周年仕様)”. 任天堂. 2010年11月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年10月1日閲覧。
固有名詞の分類
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