ナミビア 経済

ナミビア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/16 01:29 UTC 版)

経済

首都ウィントフック中心部

ナミビアの経済の柱となっているのは鉱業であり、2012年のGDPの12%を占める。中でももっとも大きな割合を占めているのはダイヤモンドの採掘である。ナミビアのダイヤモンドは鉱脈となる岩石があるわけではなく、オレンジ川上流の南アフリカ中部にある鉱脈が浸食され、流出したダイヤモンドが堆積した漂砂鉱床であり、そのためオレンジ川下流および、オレンジ川が大西洋に流れ込みベンゲラ海流によって原石が運ばれたナミブ砂漠南部が鉱床となっている[13]。一方、独立後にはウランの採掘が急速に拡大し、ダイヤモンドに匹敵する鉱業の柱となりつつある。ウランはスワコプムントの東にあるロッシング鉱山などで採掘されている[14]。または白人入植以前から利用されており、現代でも北部のツメブ鉱山などで採掘されている。

鉱業に次いで大きな割合を占めるのは牧畜である。ナミビアで飼育される家畜ウシが中心であり、輸出も行われている。

ナミビアは南部アフリカ関税同盟に属していることもあり、経済的には南アフリカへの依存度が高く、多数の南アフリカ系企業が進出している。人口の少なさ、鉱物資源の豊富さ、整備されたインフラによって、アフリカでは比較的豊かな国であるが、貧富の差が世界一激しいと言われており、ジニ係数は世界一である。これは、先進諸国並みに豊かな白人層と、いまだに貧しい黒人や伝統的な生活を送る農村部の部族との落差が大きいためである。しかし、治安はアフリカ諸国でも有数に良好である。

交通

道路

左側通行を採用する。

鉄道

トランスナミブにより鉄道が運行されており、南アフリカと結ばれている。

空運

ナミビア航空が近隣諸国とを結んでいるほか、アフリカ大陸では唯一、旧植民地時代の宗主国であったドイツフランクフルト空港との間を結んでいる。しかし、同社は、2021年2月11日に突如として同日以降の全路線の運行停止を発表した[15]

住民

北部のエトーシャ塩湖付近のクヴェライ=エトーシャ盆地英語版にはナミビアの人口の約40%が住んでおり、特にオシャナ州人口密度は首都のウィントフックが所在するホマス州よりも高い[16][17]

ヒンバ族の若い女性。赤銅色化粧および虫除けとして塗られたもの。

民族

民族構成
オヴァンボ人英語版
  
50%
カバンゴ人英語版
  
9%
ダマラ人英語版
  
7%
ヘレロ人
  
7%
ナミビア白人英語版
  
6%
ナマ人
  
5%
カラード
  
4%
その他
  
12%

民族構成は黒人が87.5%、白人が6%、混血人が6.5%となっている[18]。人口の約50%がオヴァンボ人英語版、9%がカバンゴ人英語版、7%がヘレロ人、7%がダマラ人英語版、5%がナマ人、4%がカプリヴィアン人、3%がブッシュマン、2%がレホボス・バスター、0.5%がツワナ人となっている[18]。白人はドイツ系オランダ系の子孫であるアフリカーナーなどからなるナミビア白人英語版によって構成され、その他に在ナミビア中国人英語版が存在する。


  1. ^ The Constitution of The Republic of Namibia”. 2013年5月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年9月6日閲覧。
  2. ^ a b UNdata”. 国連. 2021年10月10日閲覧。
  3. ^ a b c d e IMF Data and Statistics 2021年10月18日閲覧([1]
  4. ^ ヘニング・メルバー編 『わたしたちのナミビア――ナミビア・プロジェクトによる社会化テキスト』 ナミビア独立支援キャンペーン・京都訳、現代企画室〈PQブックス〉、東京、1990年3月21日、初版第一刷、79-84頁。
  5. ^ ヘニング・メルバー編 『わたしたちのナミビア――ナミビア・プロジェクトによる社会化テキスト』 ナミビア独立支援キャンペーン・京都訳、現代企画室〈PQブックス〉、東京、1990年3月21日、初版第一刷、117-131頁。
  6. ^ ヘニング・メルバー編 『わたしたちのナミビア――ナミビア・プロジェクトによる社会化テキスト』 ナミビア独立支援キャンペーン・京都訳、現代企画室〈PQブックス〉、東京、1990年3月21日、初版第一刷、131-138頁。
  7. ^ ヘニング・メルバー編 『わたしたちのナミビア――ナミビア・プロジェクトによる社会化テキスト』 ナミビア独立支援キャンペーン・京都訳、現代企画室〈PQブックス〉、東京、1990年3月21日、初版第一刷、149-152頁。
  8. ^ 星昭、林晃史 『アフリカ現代史I──総説・南部アフリカ』 山川出版社〈世界現代史13〉、東京、1988年8月20日、初版第三刷、267頁。
  9. ^ 青木一能「アンゴラとキューバ」『アフリカラテンアメリカ関係の史的展開』矢内原勝、小田英郎:編、平凡社 1989/06
  10. ^ a b 外務省 ナミビア基礎データ
  11. ^ 「乾燥した大地」森島済 p49-50(「ナミビアを知るための53章」所収)水野一晴・永原陽子編著 明石書店 2016年3月20日初版第1刷
  12. ^ 「変化に富む地形と地質」山縣耕太郎 p26(「ナミビアを知るための53章」所収)水野一晴・永原陽子編著 明石書店 2016年3月20日初版第1刷
  13. ^ 「ダイヤモンド」山縣耕太郎 p45(「ナミビアを知るための53章」所収)水野一晴・永原陽子編著 明石書店 2016年3月20日初版第1刷
  14. ^ 「鉱業の変遷」藤岡悠一郎 p176-177(「ナミビアを知るための53章」所収)水野一晴・永原陽子編著 明石書店 2016年3月20日初版第1刷
  15. ^ ナミビア航空公式Twitter”. 2021年11月14日閲覧。
  16. ^ A profile and atlas of the Cuvelai-Etosha Basin | JARO Consultancy”. jaroconsultancy.com. 2023年4月5日閲覧。
  17. ^ Map Namibia - Popultion density by administrative division”. www.geo-ref.net. 2023年4月5日閲覧。
  18. ^ a b c d e f g CIA World Factbook "Namibia"2020年12月1日閲覧。
  19. ^ Vision 2030 - 青年海外協力隊 in ナミビア
  20. ^ Namibia's language policy is 'poisoning' its children:guardian UK
  21. ^ Rules on birth registration and children's surnames, Ministry of Home Affairs and Immigration, February 2013.
  22. ^ Cricket Namibia 国際クリケット評議会 2023年9月20日閲覧。






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