スーパーロボット マッハバロン マッハバロン

スーパーロボット マッハバロン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/15 14:54 UTC 版)

マッハバロン

諸元
マッハバロン
全長 50.0 m
重量 300.0 t
出力 200万馬力
飛行速度 マッハ15

ララーシュタイン率いるロボット帝国と戦う、真紅の巨大ロボット。嵐田陽一郎博士が残した設計図を元に、村野博士がKSS海底基地内部で製作した。1号機はララーシュタインの下で陽一郎博士が設計・建造していたが、師の野心を知った彼の手によって爆破された(第3話)。陽をパイロットに実戦投入された2号機は、ララーシュタインの侵略に備えようとする嵐田竜之介の依頼で村野博士が設計図を基に独自の改造を施して、その10年後に完成させた。1号機との最大の違いは使用されている合金にあり、2号機には村野博士が開発した超合金バロニウムが用いられている。操縦は陽以外には出来ないように設定されているが、第2話における村野博士の発言によれば、それを変更することは造作もないことだという。1号機と2号機では細部のデザインが異なる。また、第15話には胸にKSSのエンブレムを持つドッキング訓練用のマッハバロンが登場した。

動力源は小型中性子原子炉、コードネーム「パイルX」。このパイルXはマッハバロンの動力源にしてKSS基地の自家発電設備の中枢でもあり、これが破壊されると基地も自壊し海底に沈んでしまう。つまりマッハバロンが倒されることはKSSの壊滅に直結し、逆にマッハバロンさえ無事なら、KSS基地自体はどんな損害を受けようが復旧出来る。

足底部のロケットエンジンによって飛行が可能。オートマチックによる行動も可能だが、その場合は三分の一のパワーしか出せなくなる。また、陽に似せたリモコン人形をコクピットに乗せ、KSS本部からの音声入力による遠隔操作も可能だが、複雑な動きはできない。首に武器回路があるため、武器を換装する際に頭が高速回転する。陽は回転に耐える特訓を受けているので、頭が高速回転しても目を回すことは無い。その関係上、首が唯一にして最大の弱点であり、これを傷つけられると全ての武器が使用不能になってしまう。

嵐田陽が運転する空陸両用の特殊自動車「マッハトリガー」が右足から入って背中に格納された後、メインフレームに付属されたエレベーターで座席ごと額にあるコクピットに移動して起動する。マッハバロンが飛行中の場合、マッハトリガーは背部に格納される(ともに格納時に「バロ~ン・オン!」と叫ぶことがある)。起動時に「レッドバロン」と同じく「ファイトレバー・オン!」とコールする回がある(第10話)。

  • 8関節が可動するミニチュアがヒルマモデルクラフトによって制作された[7]。また、様々なギミックが付いた下半身ミニチュアも制作され、各種武装を表現している[7]

武装

設定では、マッハバロンは30種以上の武器を持つとある。兵装を切り替える際、頭部=コクピットの「水平方向への高速回転」が必要とされるため、陽はそれに対応するために、前述の特訓を受けさせられる羽目になった。16話では首が回転できないために武装が使えない描写があった。

マッハコレダー
マッハバロンの必殺武器。両目から発射する中性子と1億ボルトの超高圧電流を合成した必殺光線。発射時には「必殺武器・マッハコレダー!」とコールされる(「必殺武器」を略する場合あり)。一旦反り返った動作をした後、頭部が回転し発射する[注釈 4]。なお、コレダーの発射スイッチにはKSSマーク入りのカバーが着けられている。
フライングナックル
内蔵したロケットエンジンで拳を飛ばし、敵にぶつける。一種のロケットパンチ。無線誘導で飛翔するため命中率は高い。また、両拳とも発射できるため、メリコンパンチと組み合わせることも多い。第1話ではハイルV2の攻撃で撃墜されたKSSバードから脱出した愛の救出のために使用している。
アトミックファイヤー
口の部分から火炎を放射する。
カノンショッター
口の部分から発射する3連ロケット弾。
バロンスマッシュ
胸部から発射する2門の大型ミサイル。マッハバロンに装備されているミサイルの中で最も破壊力がある。
アイアンタイフーン
口から発射する超合金バロニウム製の銛。9門備えており、一度に3発を同時に発射し、最大で9発の発射が可能。
メリコンパンチ
右手甲から出る超合金バロニウム製の鋭利な刃。そのまま敵を切りつけたり、フライングナックルと組み合わせて切りつける。
ベルヘンロケッター
マッハバロンのベルト前半部を飛ばす(ベルト左右のブロックが前方に90度回転、ロケットエンジンとなる)。ベルトは誘導操縦か自律操縦で飛行が可能で、救助活動などに使用する。また、第24話では東京目がけて発射された水爆ミサイルを捕捉、宇宙空間へ放擲するために用いられた。
ドルフィンビーム
手の甲から発射する光線(手首を折り曲げると手甲直下の左右二連装砲門が出現する)。消火液も発射できる。
フライングキック
飛行してから降下し、敵にキックを浴びせる。別名・バロンキック。
ウォールビーム
体からビームを照射し、前方に光の壁を作り出すバリヤー。
ピッカーワン
つま先から発射するミサイル。目標物を追跡する。超低空を這うように敵を追うことができる。自動装填装置付きで、連射も可能。
β光線カウンターアタック
村野博士の恩師、南博士の開発したβ光線を発射し、超合金バロニウムを溶かすα光線を10倍にして跳ね返す。超合金バロニウムを消滅させるほどの威力。第22話でワルサーキルαのα光線を跳ね返して倒し、その直後にα光線銃で攻撃してきたゲラーも、α光線を跳ね返して倒した。

注釈

  1. ^ 脚本面ではメインライターの上原正三は前作から引き続きの参加。他に脚本陣は前作に参加していた藤川桂介伊上勝が降板し、代わりに井上知士と山崎晴哉が参入。監督はメイン監督の鈴木清と鈴木俊継は続投し、宣弘社の監督たち(田村正藏、外山徹、福原博)は全員降板、新たに円谷プロ出身の山本正孝が加わっている。
  2. ^ 擬斗の高倉英二は、本作品では必要な時だけ現場に呼ばれていたことを証言している[2]
  3. ^ 4機のメカのプラモデルが別売りされ、全てを集めるとマッハバロンに合体できるという、接着剤を使わないプラモデルとして話題を呼び、同社の「合体マシン」シリーズの元祖となった。詳細は青島文化教材社#製品を参照。劇中のマッハバロンは分離、合体はしないが、この「合体マシン」シリーズのプラモデルのマッハバロンは4つのメカに分離するようにアレンジされている。
  4. ^ 反り返った動作は省略されることも多く、大半のエピソードでは尺の関係からか、頭部回転後の発射シーンのみになっている。
  5. ^ 書籍『’70年代特撮ヒーロー全集』では、名称を「キスバード」と表記している[8]
  6. ^ 書籍『’70年代特撮ヒーロー全集』では、名称を「キスマリン」と表記している[8]
  7. ^ 書籍『巨大ヒーロー大全集』(1988年・講談社)112頁ではララーシュタイン以外の構成員はアンドロイドであると記している。
  8. ^ a b 書籍『全怪獣怪人 上巻』では、三兄弟および戦闘員はアンドロイドであると記載している[3]
  9. ^ a b スーカン、モーゼル、エルザの3名は第26話(最終回)の劇中で顔写真と名前の入った資料が出てくる。なお、資料での綴りはすべて大文字表記。
  10. ^ 書籍『全怪獣怪人 上巻』では、名称をロボット帝国戦闘員と記載している[3]
  11. ^ 木村は「ゲラー空軍参謀」としての出演は第9話からだが、第1話からオープニングで三参謀の後に表示される役名無し出演者達のクレジットに表記あり。
  12. ^ 書籍によっては、名称をハイルV2と記載している[10][11]
  13. ^ 陸軍所属だが、指揮はスーカンが執った。
  14. ^ 書籍『’70年代特撮ヒーロー全集』では、名称をシュミットG1と記載している[11]
  15. ^ 名称は、書籍『全怪獣怪人 上巻』ではヤクートパンテルUFO[12]、書籍『’70年代特撮ヒーロー全集』ではヤークトパンテルUFO[11]とそれぞれ記載している。
  16. ^ ゼッターキングI世とII世は同一機体(I世破壊後に新しい頭部が付いてII世になる場面がある)。

出典

  1. ^ 岩佐陽一 編 編「RESPECT 田村正蔵」『シルバー仮面アイアンキングレッドバロン大全―宣弘社ヒーローの世界』双葉社、2001年8月10日、pp.134-137頁。ISBN 978-4575292626 
  2. ^ DVD『宣弘社フォトニクル』 2015年9月18日発売 発売元-デジタルウルトラプロジェクト DUPJ-133 pp44-47 「インタビュー 高倉英二
  3. ^ a b c d 全怪獣怪人 上 1990, p. 229
  4. ^ 宇宙船SPECIAL 1998, p. 186.
  5. ^ はぬまあん『超絶プラモ道2 アオシマプラモの世界』(竹書房・2001年)74頁。
  6. ^ 『シルバー仮面・アイアンキング・レッドバロン・マッハバロン』SF特撮TV音楽全集・12 (キングレコード・1986年) 解説書。
  7. ^ a b 特撮全史 2016, p. 68, 「スーパーロボット マッハバロン」
  8. ^ a b 宇宙船SPECIAL 1998, p. 167
  9. ^ 『怪獣とヒーローを創った男たち』 タツミムック (辰巳出版・2002年) 172頁。
  10. ^ 全怪獣怪人 上 1990, p. 230.
  11. ^ a b c 宇宙船SPECIAL 1998, p. 211
  12. ^ 全怪獣怪人 上 1990, p. 231.
  13. ^ 秋田魁新報』1975年9月13日 - 1976年3月13日付朝刊、テレビ欄 - 。
  14. ^ 河北新報』1974年10月7日 - 1975年3月31日付朝刊、テレビ欄。
  15. ^ 日刊スポーツ』1975年2月2日付朝刊、テレビ欄。
  16. ^ 福島民報』1975年3月11日 - 9月2日付朝刊、テレビ欄。
  17. ^ 『日刊スポーツ』1975年6月3日付朝刊、テレビ欄。
  18. ^ 『日刊スポーツ』1975年7月14日 - 7月18日付朝刊、テレビ欄。
  19. ^ 北國新聞』1976年4月9日、5月3日 - 5月7日付朝刊テレビ欄より。
  20. ^ a b 「2000TV・映画 特撮DVD・LD・ビデオ&CD」『宇宙船YEAR BOOK 2001』朝日ソノラマ〈宇宙船別冊〉、2001年4月30日、66頁。雑誌コード:01844-04。 
  21. ^ BD マッハバロン / ベストフィールド”. 2023年9月23日閲覧。






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