スイカ
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品種
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スイカの種類は、赤肉の大玉スイカが最も一般的であるが、品種改良が進み、ラグビーボールような形の枕形大玉種や、縞模様がない黒緑色の大玉種、果肉が黄色のもの[23]、あるいは種子をコルヒチン処理し倍化させることで一代雑種(F1)の三倍体にして種を無くした種なしスイカがある。軟X線照射花粉の授粉による種なしスイカ作出[28]も行われている。アメリカでは種無しスイカが一般的であるが、種無しスイカは2021年現在、日本国内においてあまり普及しておらず、要因は2倍体スイカよりも種苗代が高額・栽培に技術が必要と2点が挙げられる。大玉スイカは約3 - 8キログラム (kg) になり、小玉スイカは1.5 - 3 kgで皮や甘味が強い[4]。富山県入善町では「ジャンボスイカ(黒部スイカ)」とよばれる長形大玉種が栽培されていて、平均重量15 kg、最大30 kg程度に成長する。
日本の主な品種
- 赤肉系大玉品種
- 祭ばやし - 1995年に萩原農場が発表した日本全国で生産される人気の品種で、濃い緑色に黒い縞模様の大玉種。代表品種「祭ばやし777」、その後継品種「祭ばやしRG」、さらに大玉の「祭ばやし8」などがある[29]。
- 縞無双 - 神田育種農場が育成した縞模様がくっきりした赤肉の大玉品種。ふつう果重7 - 8kgほどであるが肥大性に富む[30]。
- 必勝
- 竜宝
- 暁ひかり
- 日章
- 翠章
- 貴ひかり
- 富士光
- 朝ひかりSR
- サマーキッズ
- アイスクリーム - 1901年(明治34年)に奈良県でアメリカから導入(2021年時点では流通無し)。
- 太陽 - 黄色い果皮に濃い縞模様が入る大玉種。果肉は赤く、糖度は高い。[4]
- 縞王(しまおう) - 日本の代表的な縞皮・赤肉の果重7 - 8 kgになる大玉スイカのF1品種で、糖度は11 - 12度ほどある。山形県や鳥取県産が有名であるが、北海道から沖縄県までどの土地でも栽培しやすい。「縞王シリーズ」として品種が多数ある。[4][30]
- 三倍体種なし赤肉系品種
種なしスイカ - ひとつだね
- 3xブラックジャック
- ほお晴れ
- ナノシード系品種(ナノシードとはマイクロシードよりタネサイズが小さいもの)
- マイクロシード系品種
マイクロシード種子と一般小玉スイカ種子 - ピノ・ガール - ナント種苗が育成し、2020年に商業生産を開始した小玉・縞皮・赤肉の商標名。種はマイクロシードとよばれ、一般のスイカの4分の1の大きさでそのまま食べられる。[30]
- ピノダディー - 大玉・黒皮・赤肉
- 小玉系品種
- ひとりじめ - 萩原農場が開発した小玉スイカのベストセラー品種で、シャリッとした食感、高い糖度、薄い果皮が特徴。代表品種「ひとりじめ7」のほか、高糖度や耐暑性・低温性に優れた特性を持つシリーズがある[29]。
- 金福 - 福井県福井市で育成し、2003年に農林水産省の品種登録を受けたオリジナル品種。種なし・赤肉の小玉スイカで、果皮が黄色いのが特徴。[30]
- 黒子玉 - 熊本県で育成されたブランド品種で、品種名は「ひとりじめBonBon」。皮が黒い小玉スイカで、果肉が赤い。[30]
- スウィートキッズ - 萩原農場が改良した甘い小玉スイカの品種で、糖度は13度に達することがある[30]。
- 紅こだま - 小玉スイカの代表的な品種。赤肉で糖度が高く、きめ細かな舌触りで食味がよい。[30]
- 夢黒小玉 - 熊本県産の果皮が黒っぽい濃緑色で、果肉が赤い小玉種。糖度12度以上と甘く、歯ごたえもよい。[4]
- 黒皮系品種
- 長形品種
ギャンブルシティのマカオのスーパーに搬入された、スイカ(18.5kg)、カットされて陳列される。
- 黄肉系品種
黄肉種
- オレンジ色品種
- 白色品種
- クールチャージ・潤
- 花粉専用品種
- SA-75
- 漬物用品種
- 源五兵衛(和歌山県)
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