シガテラ 発生域

シガテラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/02 18:23 UTC 版)

発生域

シガテラ毒を生成する渦鞭毛藻は生息範囲が限られるため、シガテラは特にカリブ海インド洋太平洋などの熱帯域、日本では主に沖縄地方で見られる。有毒渦鞭毛藻が多く分布するサンゴ礁で捕獲された魚が特に危険である。高リスク海域での、シガテラ中毒発生率は1万人に300と推定されている。

日本では沖縄地方が主な発生地であったが、近年では発生域が北上し本州でも事例が報告されている[12]。 これは温暖化に伴う原因プランクトンの生息域拡大によるものと考えられている。本州では鹿児島県から茨城県までの太平洋沿岸において中毒が発生しており、千葉県では勝浦市近辺において水揚げされたイシガキダイの料理によるシガテラ中毒について、製造物責任法に基づき料亭に損害賠償責任を認めた事例がある[13]

検査方法

マウス毒性試験(マウスに腹腔内投与して24時間後の生死から毒性を判定)、LC/MS法、細胞毒性試験法、レセプターバインディング法が利用される。また、免疫学的検定を利用し、捕獲した魚類がシガテラ保有魚か否かを簡易的に検出するキットも発売されている。

脚注

参考文献

関連項目


  1. ^ シガテラと底生渦鞭毛藻阿嘉島臨海研究所(AMSL) (PDF)
  2. ^ 寺尾清、シガテラ(魚介類中毒)に関する第3回国際会議 -学会だより- 千葉医学雑誌 Vol.66 no.6 page.382-382 (1990-12-25), NAID 110006182989
  3. ^ シガテラ中毒 - メルクマニュアル家庭版
  4. ^ Blythe D, de Sylva D (1990). “Mother's milk turns toxic following fish feast”. JAMA 264 (16): 2074. doi:10.1001/jama.264.16.2074b. PMID 2214071. 
  5. ^ 貝毒以外の海洋性自然毒(PDF) 会議資料詳細 - 第8回食品安全委員会かび毒・自然毒等専門調査会 - 食品安全委員会
  6. ^ 大城直雅、稲福恭雄、『マリントキシンによる食中毒(シガテラ) 』 「公衆衛生」2009年5月号 73巻 5号 2009/5/15 p.333-336 doi:10.11477/mf.1401101550
  7. ^ a b シガテラについて』沖縄県、2016年4月14日。2017年10月15日閲覧
  8. ^ a b c 自然毒のリスクプロファイル:魚類:シガテラ毒”. 厚生労働省. 2024年5月3日閲覧。
  9. ^ 山本智之『温暖化で日本の海に何が起こるのか 水面下で変わりゆく海の生態系』講談社〈ブルーバックス〉、2020年、ISBN 978-4065206768、109頁
  10. ^ 鳥取部和弘、イシガキダイ由来のシガテラ毒による食中毒 食品衛生学雑誌 Vol.40 (1999) No.2 PJ227a-J228
  11. ^ 安元健:シガテラ 南方産魚類による食中毒 化学と生物 Vol.10 (1972) No.6 P.369-375
  12. ^ 谷山茂人: 本州で発生したパリトキシン様中毒とシガテラ日本水産学会誌, Vol.74, pp.917-918 (2008)
  13. ^ 東京地判平成14年12月13日 - 判例時報1805号14頁、東京高判平成17年1月26日 (PDF)


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