コーヒー豆 品質

コーヒー豆

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/12 02:57 UTC 版)

品質

コーヒー豆はその品質によって等級付けされる。この等級付けは、豆の大きさや、質の劣る豆(欠点豆)の混入している割合などによって行われるものであり、コーヒーの香味そのものとは必ずしも一致しない。また等級付けの方法や規準は産地によって異なる。

欠点豆

コーヒー豆に混入している異物や、病気や虫食いなどのある豆はそのコーヒーの品質に対する評価を下げるものであり、「欠点」と呼ばれる。近年、欠点豆の混入率は非常に少なくなっているが、それでも、焙煎の前後には、これをより分けるハンドピックの作業が不可欠である。欠点の対象となる質の劣った豆のことを特に欠点豆と呼ぶ。欠点豆には以下のようなものがある。

未熟豆
ヴェルジともいう。完熟していないものをつみ取ったもので、色が灰色を帯びていたり、豆のつやが悪くしわが寄っていたりする。これが混じっていると不快な刺激臭をもたらすことがある。
発酵豆
水洗処理の時に、酵母などがついて発酵したもので、生豆では見つけにくいが、焙煎後にやけすぎたりほとんど火が通っていなかったりすることが多い。
貝殻豆
乾燥不良もしくは異常交配によって発生する。貝殻のような形をしているため、このように呼ばれる。
割れ豆
コッコ
果肉の除去が不十分で、そのために腐敗または発酵した豆。コッコとは糞を意味し、リオ臭とよばれる異臭のもとになる。
黒豆
発酵が進んで全体が黒ずんだ豆。
虫食い豆
コーヒーの場合、ほとんどがブロッカーとよばれる鱗翅目の昆虫の幼虫が寄生し、食害したものである。
カビ豆
青かびや白かびが繁殖した豆。
死豆
正常に結実しなかった豆。

ブラジル産コーヒーの格付け

欠点豆の数(欠点数)によって定まる「No.」と「スクリーンナンバー」の組み合わせで表示される。

  • 欠点数は300グラムのサンプル中に混入物があるか否かで決定される。
    • 石・木片・土(大)=混入数1で欠点数5点
    • 石・木片・土(中)=混入数1で欠点数2点
    • 石・木片・土(小)=混入数1で欠点数1点
    • 黒豆・乾果=混入数1で欠点数1点
    • パーチメント・発酵豆=混入数2で欠点数1点
    • 虫食い豆=混入数2以上5で欠点数1点
    • 未熟豆・砕け豆=混入数5で欠点数1点
  • 欠点数の合計数により「No.」表示が決定される。No.1は事実上は存在しない。
    • 欠点数4点まで=No.2
    • 欠点数12点まで=No.3
    • 欠点数26点まで=No.4
    • 欠点数46点まで=No.5
    • 欠点数86点まで=No.6
  • スクリーンナンバーは豆の大きさであり、ブラジルの他、コロンビア、タンザニアでも用いられる。
    • 特小=12~13
    • 小=14
    • 中=15
    • ふつう=16
    • 準大=17
    • 大=18
    • 特大=19~20

生産地の標高による格付け(メキシコ等)

メキシコ、ホンジュラス、グアテマラの中米地域の産地では標高が高いほうが品質が良い豆が取れるとして、標高による格付けを用いる。下記はグアテマラ式の7段階の等級分けで上からの順で良い等級である。

  • ストリクトリー・ハードビーン(SHB)標高1350メートル以上
  • ハードビーン(HB)標高1200~1350メートル
  • セミハードビーン(SH)標高1050~1200メートル
  • エクストラ・プライムウォッシュド(EPW)標高900~1050メートル
  • プライムウォッシュド(PW)標高750~900メートル
  • エクストラ・グッドウォッシュド(EGW)標高600~750メートル
  • グッドウォッシュド(GW)標高600メートル以下

アフリカ産豆の格付け

タンザニア、ケニアで生産される豆の格付けはAA、A、B等のアルファベットで表記される。パプアニューギニアも同様。主にスクリーンナンバー18、欠点豆混入が少ないものをAAとする。


  1. ^ このため、全日本コーヒー協会は1983年に、10月1日を「コーヒーの日」とすることを提唱している。
  2. ^ 名護珈琲
  3. ^ 東洋経済オンライン「世界のコーヒー会社が、中国で熾烈な豆争奪戦」
  4. ^ Food and Agricultural Organization of United Nations: Economic and Social Department: The Statistical Division”. Faostat.fao.org (2012年2月23日). 2012年6月7日閲覧。
  5. ^ Total production of exporting countries”. International Coffee Organization (2012年4月26日). 2012年12月24日閲覧。
  6. ^ a b c d 外食産業を対象としたヒアリング調査結果”. グリーン購入ネットワーク. 2020年12月19日閲覧。
  7. ^ https://www.theice.com/productguide/ProductDetails.shtml?specId=15
  8. ^ http://www.tge.or.jp/japanese/introduction/intro_coffee.shtml 東京穀物商品取引所
  9. ^ http://www.fairtrade-jp.org/ フェアトレード・ラベル・ジャパン
  10. ^ a b c 世界のコーヒー(生産量、消費量、在庫量、輸出量、輸入量、価格の推移)
  11. ^ コーヒー豆研究所-コーヒーサブスク・定期便”. コーヒー豆研究所 (2023年9月2日). 2023年9月3日閲覧。
  12. ^ コーヒー豆を購入するメリット”. 山口的おいしいコーヒーブログ (2023年10月14日). 2023年10月15日閲覧。






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