ケビン・ピラー
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ロサンゼルス・エンゼルス #12 | |
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![]() サンフランシスコ・ジャイアンツ時代 (2019年7月30日) | |
基本情報 | |
国籍 |
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出身地 | カリフォルニア州ロサンゼルス |
生年月日 | 1989年1月4日(35歳) |
身長 体重 |
6' 0" =約182.9 cm 205 lb =約93 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 右投右打 |
ポジション | 外野手 |
プロ入り | 2011年 MLBドラフト32巡目 |
初出場 | 2013年8月14日 |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
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この表について
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経歴
プロ入りとブルージェイズ時代
2011年のMLBドラフト32巡目(全体979位)でトロント・ブルージェイズから指名され、6月12日に契約。契約後、傘下のアパラチアンリーグのルーキー級ブルーフィールド・ブルージェイズでプロデビュー。60試合に出場して打率.347、7本塁打、37打点、8盗塁を記録した。
2012年はまずA級ランシング・ラグナッツで86試合に出場。打率.322、5本塁打、57打点、35盗塁と好成績を残し、7月にA+級ダニーデン・ブルージェイズへ昇格。A+級ダニーデンでは42試合に出場して打率.323、1本塁打、34打点、16盗塁を記録した。
2013年はまずAA級ニューハンプシャー・フィッシャーキャッツでプレーし、71試合に出場して打率.313、5本塁打、30打点、15盗塁を記録した。6月にAAA級バッファロー・バイソンズへ昇格。AAA級バッファローでは52試合に出場。打率.299、4本塁打、27打点、8盗塁と結果を残し、8月14日にブルージェイズとメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[1]。同日のボストン・レッドソックス戦でメジャーデビュー。「8番・左翼手」で先発起用されたが、4打数無安打1三振に終わった[2]。正左翼手であるメルキー・カブレラの離脱もあり、その後は正左翼手としてシーズン終盤まで出場。この年メジャーでは36試合に出場し、打率.206、3本塁打、13打点を記録した。
2014年3月22日にAAA級バッファローへ異動し、そのまま開幕を迎えた。開幕後は34試合に出場。打率.305、1本塁打、19打点、5盗塁と好成績を残し、正中堅手のコルビー・ラスムスの離脱もあり、5月13日にメジャーへ昇格した[3]。6月9日のミネソタ・ツインズ戦ではケイシー・フィーンからサヨナラ安打を放った[4]。レギュラーシーズンは53試合に出場。打率.267、2本塁打、7打点、1盗塁(メジャー初盗塁)を記録した。
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(2015年9月30日)
2015年はシーズン序盤から中堅手のレギュラーに抜擢され、常時ラインナップに名を連ねた。4月16日のタンパベイ・レイズ戦では、本拠地でファン総立ちのスーパーキャッチを披露して高い守備力でチームに貢献[5]。夏のトレード期限でベン・リビアが加入したが、リビアは左翼手を守ることになった。また、守備のみならず打撃でも貢献度を高め、チーム最多の159試合に出場して打率.278・12本塁打・56打点・25盗塁という成績を残した。盗塁はアメリカンリーグ5位だった。持ち前の守備力では、センターを守った142試合で僅かに2失策・守備率.995を記録したほか、DRSも + 14という高い数値。左翼手でもDRS +8であった。この年はジョシュ・ドナルドソンをはじめ、本塁打を量産する打者が多かったが、機動力・守備力を活かしたピラーの貢献度も非常に高く、総合的な貢献度を示すWARは、ドナルドソンに次ぐチーム2位(5.2)だった[6]。
2016年5月15日に起きたテキサス・レンジャーズ戦での乱闘[7]で暴力行為を行ったとして、17日にMLBから罰金処分が科せられたことが発表された[8]。この年も中堅のレギュラーを務め、146試合で打率.266、7本塁打、53打点、14盗塁(成功率70%)という成績を記録した。
2017年5月17日のアトランタ・ブレーブス戦で試合中に同性愛者に対する中傷発言があったとして、球団はピラーを5月18日から2試合の出場停止処分(無給)とし、2試合分の給与の6000ドル余りは慈善団体へ寄付される[9][10]。5月19日に自身のツイッターでゲイ・コミュニティーに対して謝罪のツイートを行なった[11]。この年は154試合に出場して、打率.256・16本塁打・42打点・15盗塁などを記録した。
2018年3月31日のニューヨーク・ヤンキース戦で史上52度目となるサイクルスチールを達成した[12][13]。7月1日のデトロイト・タイガース戦では、ニコラス・カステヤノスの放った本塁打性の打球をジャンプして好捕するプレーを見せた[14]。この年は142試合に出場して打率.252、15本塁打、59打点、14盗塁などを記録した。オフには2018日米野球のMLBオールスターチームに選出された[15]。
ジャイアンツ時代
2019年4月2日にアレン・ハンソン、デレク・ロー、フアン・デポーラとのトレードで、サンフランシスコ・ジャイアンツへ移籍した[16]。5月4日のシンシナティ・レッズ戦ではニック・センゼルの本塁打性の打球をフェンスによじ登って奪った[17]。6月14日のミルウォーキー・ブルワーズ戦で2塁に盗塁したところ、ベースが外れる珍事が起きた。セーフと判定されたが、ブルワーズがチャレンジを要求し、結果は覆らなかった[18]。8月17日のアリゾナ・ダイヤモンドバックス戦では自身初の1試合5安打を記録した[19]。この年は2球団合計で161試合に出場して打率.259、21本塁打、88打点、14盗塁などを記録したが、ジャイアンツの選手が20本塁打以上を記録したのは2015年のブランドン・クロフォード(21本)以来だった[20]。MVP投票では自身初めて得票があった[21]。オフの12月2日にノンテンダーFAとなった[22]。
レッドソックス時代
2020年2月14日にレッドソックスと単年425万ドルの契約を結んだ[23]。
ロッキーズ時代
2020年8月31日に後日発表選手[注 1]とインターナショナル・ボーナス・プール(海外選手契約金枠)とのトレードで、コロラド・ロッキーズへ移籍した[25]。オフの10月28日にFAとなった[26]。
メッツ時代
![](https://weblio.hs.llnwd.net/e7/redirect?dictCode=WKPJA&url=https%3A%2F%2Fupload.wikimedia.org%2Fwikipedia%2Fcommons%2Fthumb%2Ff%2Ff0%2FPillar_Mask_6.19.21.jpg%2F220px-Pillar_Mask_6.19.21.jpg)
(2021年6月19日)
2021年2月21日にニューヨーク・メッツと360万ドルの単年契約を結んだ[27]。
同年は5月17日の対アトランタ・ブレーブス戦で顔面に死球を受け、鼻骨を骨折する怪我を負った[28]。5月31日のアリゾナ・ダイヤモンドバックス戦で復帰し、守備・走塁時にはフェイスガードを着用しプレーした[29]。オフの11月3日にFAとなった[30]。
ドジャース時代
2022年3月22日にロサンゼルス・ドジャースとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[31]。5月28日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[32]。オフの11月6日にFAとなった[33]。
ブレーブス時代
2023年1月18日にアトランタ・ブレーブスとマイナー契約を結んだ[34]。3月30日にブレーブスの開幕ロースターに選出された[35]。5月6日のボルチモア・オリオールズ戦にて、MLB通算100号本塁打を記録した[36]。オフの11月3日にFAとなった[37]。
ホワイトソックス時代
2024年2月2日にシカゴ・ホワイトソックスとマイナー契約を結んだ[38]。3月22日に一度FAとなったが、同月24日にメジャー契約を結んだ[39]。
ホワイトソックスでは17試合で打率.160、1本塁打、4打点という成績であった。4月26日にトミー・ファムの加入に伴いDFAとなり[40]、同月28日にFAとなった[41]。
エンゼルス時代
2024年4月30日にロサンゼルス・エンゼルスとメジャー契約を結んだ[42]。
プレースタイル
守備は主に中堅手として起用される。メジャーでも屈指の守備力を誇り、ジャンピングキャッチやダイビングキャッチなどの派手なプレーを見せる事も多い。そのダイビングを試みる姿から、ファンやメディアよりスーパーマンと称されている。2017年には中堅手としてア・リーグ1位の守備率.997を記録した[43]。
注釈
出典
- ^ "Blue Jays promote Pillar, recall Kawasaki" (Press release). MLB.com (Toronto Blue Jays). 14 August 2013. 2014年5月28日閲覧。
- ^ “Scores for Aug 14, 2013”. ESPN MLB (2013年8月14日). 2017年5月19日閲覧。
- ^ "Blue Jays recall Pillar" (Press release). MLB.com (Toronto Blue Jays). 13 May 2014. 2017年5月19日閲覧。
- ^ “Kevin Pillar propels Jays past Twins with single in 9th”. ESPN (2014年6月9日). 2014年10月22日閲覧。
- ^ “ブルージェイズの26歳外野手が見せた“壁よじ登りキャッチ”に観客総立ち”. BASEBALL KING (2015年4月16日). 2015年10月9日閲覧。
- ^ 2015 Toronto Blue Jays Team Player Value--Batters - Baseball-Reference.com (英語) . 2015年10月9日閲覧。
- ^ Gregor Chisholm (2016年5月15日). “Bautista, Gibbons voice displeasure with Rangers” (英語). MLB.com. 2017年5月19日閲覧。
- ^ "Discipline for Blue Jays-Rangers incidents announced" (Press release) (英語). MLB.com. 17 May 2016. 2017年5月19日閲覧。
- ^ “ブルージェイズ 正中堅手のピラーを処分 試合で同性愛者への中傷発言”. スポーツニッポン (2017年5月19日). 2017年5月19日閲覧。
- ^ Gregor Chisholm (2017年5月18日). “Blue Jays hand Pillar two-game suspension”. MLB.com. 2017年5月19日閲覧。
- ^ [1] Kevin Pillar (@KPILLAR4) - X(旧Twitter) (2017年5月18日) 2017年5月20日閲覧
- ^ Single. Steal second. Steal third. Then steal HOME.
- ^ a b “Stealing Second, Third, And Home Plate in the Same Inning”. en:Baseball Almanac. 2020年6月1日閲覧。
- ^ Eric Chesterton (July 1, 2018). "Kevin Pillar stole a home run from Castellanos," MLB.com.
- ^ “2018日米野球 MLBオールスターチーム コーチ・出場予定選手発表” (Japanese). 野球日本代表 侍ジャパン オフィシャルサイト (2018年10月29日). 2018年12月5日閲覧。
- ^ “早くも今季2件目のトレード…ブルージェイズがピラーをジャイアンツに放出” (2019年4月3日). 2019年4月5日閲覧。
- ^ “Pillar gets the Play of the Week”. MLB.com (2019年5月6日). 2020年6月1日閲覧。
- ^ “Pillar knocks second base off”. MLB.com (2019年6月15日). 2020年6月1日閲覧。
- ^ “Giants' Kevin Pillar: Raps out five hits”. CBSスポーツ (2019年8月18日). 2020年6月1日閲覧。
- ^ “Giants’ Kevin Pillar breaks team’s drought of 20-HR players; 3 others close”. サンフランシスコ・クロニクル (2019年9月1日). 2020年6月1日閲覧。
- ^ “2019 Awards Voting”. Baseball-Reference.com (2019年11月14日). 2020年6月1日閲覧。
- ^ Mark Feinsand (2019年12月3日). “These players just joined the free-agent pool” (英語). MLB.com. 2019年12月9日閲覧。
- ^ Ian Browne (2020年2月14日). “Veteran outfielder Pillar joins Red Sox at camp” (英語). MLB.com. 2020年2月17日閲覧。
- ^ Connor Byrne (2020年9月18日). “Rockies, Red Sox Complete Kevin Pillar Trade” (英語). MLB Trade Rumors. 2020年9月20日閲覧。
- ^ “Rockies To Acquire Kevin Pillar” (英語). MLB Trade Rumors. 2020年9月1日閲覧。
- ^ Manny Randhawa and Paul Casella (2020年11月20日). “2020-21 free agents, position by position” (英語). MLB.com. 2020年11月21日閲覧。
- ^ “Mets, Kevin Pillar "In Serious Talks"” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年2月22日閲覧。
- ^ “151キロ顔面死球で鼻は曲がり、両目に青あざ… 痛々しい姿にファンも震撼”. Full-Count. (2021年5月21日) 2021年8月19日閲覧。
- ^ Mike Puma (2021年6月1日). “Kevin Pillar’s return to Mets only adds to ‘cult hero’ status” (英語). New York Post 2021年8月19日閲覧。
- ^ “MLB 2021-22 free agents by position”. www.mlb.com. 2022年2月17日閲覧。
- ^ “Kevin Pillar deal with Dodgers”. www.mlb.com. 2022年3月27日閲覧。
- ^ “Press release: Dodgers recall Michael Grove, select Kevin Pillar”. www.mlb.com. 2022年5月28日閲覧。
- ^ “131 Players Become XX(B) Free Agents” (英語). mlbplayers.com (2022年11月6日). 2022年11月14日閲覧。
- ^ “Kevin Pillar joins Atlanta Braves on minor league deal”. Associated Press. ESPN.com. (2023年1月21日) 2023年5月15日閲覧。
- ^ Bowman, Mark (2023年3月30日). “Atlanta announces 2023 Opening Day roster”. MLB.com 2023年5月15日閲覧。
- ^ Bowman, Mark (2023年5月6日). “Pillar makes most of opportunity with clutch homer”. MLB.com 2023年5月15日閲覧。
- ^ “130 Players Become XX(B) Free Agents” (英語). Home (2023年11月3日). 2023年11月8日閲覧。
- ^ “White Sox, Kevin Pillar Agree to Minor League Deal”. MLB Trade Rumors (2024年2月2日). 2024年3月25日閲覧。
- ^ “White Sox's Kevin Pillar: Inks MLB deal with South Siders”. CBS Sports (2024年3月24日). 2024年3月25日閲覧。
- ^ “White Sox To Select Tommy Pham, Designate Kevin Pillar For Assignment” (英語). MLB Trade Rumors (2024年4月26日). 2024年5月1日閲覧。
- ^ “Kevin Pillar Elects Free Agency” (英語). MLB Trade Rumors (2024年4月29日). 2024年5月1日閲覧。
- ^ “Angels Sign Kevin Pillar” (英語). MLB TradeRumors (2024年4月30日). 2023年5月1日閲覧。
- ^ “Kevin Pillar Statistics and History”. Baseball-Reference.com. 2017年10月10日閲覧。
- ^ a b “Baseball Player Nicknames” (英語). Baseball Reference. 2021年10月31日閲覧。
- ^ Joey Bats to be big part of Players Weekend MLB.com (英語) (2017年8月9日) 2017年8月14日閲覧
- ^ “フィールディング・バイブル賞発表 統計学を基に守備の名手を選出”. スポニチアネックス. (2016年11月1日) 2016年11月1日閲覧。
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