クレーターレイク国立公園 歴史

クレーターレイク国立公園

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/14 04:57 UTC 版)

歴史

クレーターレイクの航空写真

地元のインディアンはマザマ山の崩壊を目撃し、伝説の中でその出来事を後世に伝えてきた。クラマスの人々のある古い言い伝えは今日の科学研究から明らかになった地質学上の知見とよく似ている。 言い伝えによると2人の酋長、地の世界のラオと天の世界のスケルが戦い、結局ラオの家であるマザマ山が破壊された。[2] 戦いは、マザマ山の噴火とクレーターレイクの成り立ちを証言するものである。

湖を訪れた最初の欧米人として知られているのは鉱を探す3人組、すなわち、ジョン・ウェズリー・ヒルマン (John Wesley Hillman) 、ヘンリー・クリッペル (Henry Klippel) 、アイザック・スキーターズ (Issac Skeeters) で、彼らは1853年6月12日に失われた鉱山を探している途中で長い傾斜した山に偶然ぶつかった。 湖の感動的な青に打たれ、インディゴ色の湖を「ディープ・ブルー・レイク(濃青湖)」 ("Deep Blue Lake") と名付けた。そして、彼らが初めて湖を見た縁の南西側の場所は、後にディスカバリー・ポイント (Discovery Point) として知られるようになった。[1] しかし、当時入植者の頭には金の方が重要であったため、この発見は間もなく忘れ去られた。 地元民は「クレーターレイク」 (Crater Lake) という名を好み、提案された名前は人気を失った。しかし「クレーター」は誤った名前である。というのは、湖盆地は実際はカルデラ、すなわち陥没により形成される火山地形であり、掘削により形成されるものではないからである。

ウィリアム・グラッドストーン・スティール (William Gladstone Steel) は、クレーターレイクにおける国立公園の設立と管理に人生と財産を捧げた。彼が湖に夢中になり始めたのは1870年のことである。 彼は、公園への承認を得ようと努力し、科学的な支援材料を提供する湖の調査に参加した。湖の際立った多くの特徴に名前をつけた。名付けられた中には、ウィザード島 (Wizard Island) 、ラオ岩 (Llao Rock) 、スケル・ヘッド (Skell Head) がある。

地質学者クラレンス・ダットン (Clarence Dutton) の助力を得て、スティールは1886年に湖の調査のため米国地質調査所の探検隊を組織した。 一行は、山の急な坂を「クリートウッド」(Cleetwood) という0.5 t の調査用ボートを持ち運び、湖に下ろした。「クリートウッド」の船尾から一巻きのピアノ線の端のパイプ により、168箇所で湖の深さが測定された。彼らの調査結果では最深部の深さは1,996 フィートであったが、これは最新の公式な深さ、1,932 フィート(1953年ソナーによる測定結果)に非常に近い。[1] 同時に地形学者はその地を調査し、専門家の手になる初めてのクレーターレイク地域の地図を作成した。

探検から得られたデータとスティール等のロビー活動に一部基づいて、1902年5月22日クレーターレイク国立公園がセオドア・ルーズベルト大統領によって設立された。 スティールの関与により、クレーターレイク・ロッジが1915年にオープンし、リム・ドライブが1918年に完成した。[1]

オレゴン25セント硬貨

その後、来園を容易にするため、公園までの道路が建設された。 1929年版の「オー・レンジャー」O Ranger! は、当時の交通の便と設備を次のように描写した。

クレーターレイク国立公園へはメドフォード (Medford) とクラマスフォールズ (Klamath Falls) 行きのサザン・パシフィック鉄道 (Southern Pacific Railroad) で行ける。そこからバスに乗ってすぐ公園まで行ける。

湖畔のホテルに宿泊することができる。 自動車で公園に行く人は、パシフィック国道とダルズ-カリフォルニア国道からすぐ立ち寄ることができる。 ホテルに加え、キャンプ場、小売店、ガソリンスタンドもある。 公園は、6月下旬あるいは7月1日から雪が道路を閉ざすまで、一般的には10月まで旅行することができる。 ("Crater Lake National Park is reached by train on the Southern Pacific Railroad lines into Medford and Klamath Falls, at which stops motor stages make the short trip to the park. A hotel on the rim of the lake offers accommodations. For the motorist, the visit to the park is a short side trip from the Pacific and Dalles-California highways. He will find, in addition to the hotel, campsites, stores, filling stations. The park is open to travel from late June or July 1 for as long as snow does not block the roads, generally until October.")[3]


  1. ^ a b c d National Park Service website for Crater Lake”. 2006年8月18日閲覧。
  2. ^ National Parks Service. “Park History”. 2006年8月18日閲覧。
  3. ^ Albright, Horace M.; Frank J. Taylor. Oh, Ranger!. illustrated by Ruth Taylor White (Centennial ed.). Riverside, Connecticut: The Chatham Press, Inc.. http://www.cr.nps.gov/history/online_books/albright3/chap13a.htm 2006年8月18日閲覧。 
  4. ^ Fish and Fishing at Crater Lake National Park”. U.S. National Park Service. 2006年8月18日閲覧。






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