キャビテーション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/21 16:10 UTC 版)
機器への影響と防止法
一般的に、流体機械にとってキャビテーションは害になり、以下の影響を与える。
キャビテーションを起こさないようにするには、形状、面積を最適化するという2つの方法がある。
- 流体の圧力を飽和蒸気圧以下とならないように流体接触面の形状を最適化する。
- 流体との接触面積を広くすることで飽和蒸気圧以下にならずに必要な力の伝達が行なえるように、プロペラなどを大きくする。
スーパーキャビテーション
水中で移動する物体の速度を増加させていくと、それにつれてキャビテーションによる気泡の発生する量が増加していき、ついには物体をほぼ完全に覆ってしまう。この現象をスーパーキャビテーションと呼ぶ。これを積極的に利用した応用の一例としてスーパーキャビテーション・プロペラがある。
先端部を除き水との直接の接触が避けられることで、いわゆる粘性抵抗から自由になるという特長が得られ、水中において従来はありえなかった移動速度が可能になる。物体全体としてそれを利用したものとしては、代表例にソ連の魚雷、シクヴァルがある。シクヴァルは、人為的に大量の気泡を先端部から発生させ、そこにできた空洞内に魚雷全体を包むことで水の抗力を低減しているとされており、水中でありながら200ノット(約370キロメートル毎時)以上の速度を実現しているといわれている。
脚注
出典
関連項目
- 混相流
- スーパーキャビテーション
- バブルパルス
- 水撃作用
- モンハナシャコ(獲物をパンチで攻撃する時にも腕の周りに発生する)
- テッポウエビ(鋏を瞬時に打ち合わすときにバブルパルスを伴うキャビテーションを起こし獲物を捕獲する)
外部リンク
- ^ a b c 加藤洋治 『キャビテーション』(増補版)槇書店、1990年。ISBN 4-8375-0590-2。
- ^ 防衛技術協会 編 『未来兵器の科学 : おもしろサイエンス』日刊工業新聞社〈B&Tブックス〉。ISBN 978-4-526-05883-7。
- ^ 石綿良三; 根本光正 著、日本機械学会 編 『流れのふしぎ : 遊んでわかる流体力学のABC』講談社〈ブルーバックス〉、2004年8月20日。ISBN 978-4-06-257452-5。
- ^ 能見基彦「〔解説〕ポンプキャビテーション現象の基礎知識[第1回]」(PDF)『エバラ時報』第245号、荏原製作所、17-20頁、2014年10月。 オリジナルの2016年12月21日時点におけるアーカイブ 。2016年12月21日閲覧。
- 1 キャビテーションとは
- 2 キャビテーションの概要
- 3 実例
- 4 機器への影響と防止法
キャビテーションと同じ種類の言葉
キャビテーションに関連する言葉 | キャビテーション キャビテーションエロージョン キャビテーションモデル |
泡に関連する言葉 | キャビテーション フォーム 水の泡 泡粒 藍花 |
- キャビテーションのページへのリンク