イタリア海軍
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/14 12:30 UTC 版)
組織
海軍は、海軍参謀本部の下で5つの主要司令部に組織されている。
- 外洋部隊司令部(COMFORAL)
- 哨戒部隊・沿岸警備監督司令部(COMFORPAT)
- 水陸両用戦部隊司令部(COMFORSBARC)
- 潜水艦部隊司令部(COMFORSUB)
- 掃海部隊司令部(COMFORDRAG)
- 外洋部隊司令部(Comando Forze d'Altura)
- 本部:ターラント海軍基地
- 司令官階級:上級少将
- 「カヴール」と「ジュゼッペ・ガリバルディ」を艦隊旗艦とし、アンドレア・ドリア級駆逐艦の2隻、デ・ラ・ペンネ級駆逐艦の2隻、サン・ジョルジョ級強襲揚陸艦の3隻がブリンディジ海軍基地に、補給艦 エトナをターラント海軍基地に、エレットラをラ・スペツィア海軍基地に配備してそれぞれを直轄指揮下に治め、第1フリゲート戦隊司令部(COMSQUAFR1)をターラントに、第2フリゲート戦隊司令部(COMSQUAFR2)をラ・スペツィアに配置し、それぞれ拠点としている。
- 第2フリゲート戦隊司令部(Comando 2ª Squadriglia Fregate)
- 拠点:ラ・スペツィア海軍基地
- 司令官階級:大佐
- マエストラーレ級フリゲートのマエストラーレ、グレカーレ、リベッチオ、シロッコがあり、補給艦 ヴェスヴィオが配備されている。
- 哨戒部隊・沿岸警備監督司令部(Comando delle Forze da Pattugliamento per la Sorveglianza e la Difesa Costiera)
- 拠点アウグスタ海軍基地
- 司令官階級:少将
- 下部組織に哨戒戦隊司令部(COMSQUACORV)、第1哨戒戦隊司令部(COMSQUAPAT1)、第2哨戒戦隊司令部(COMSQUAPAT2)の3つが存在している。COMSQUACORVにはミネルヴァ級コルベットが4隻、COMSQUAPAT1にはコマンダンテ級哨戒艦とカシオペア級哨戒艦が2隻ずつ配備され、COMSQUAPAT2にはカシオペア級哨戒艦第1シリーズが2隻配備されている。
- 水陸両用戦部隊司令部(Comando delle Forze Anfibie)
- サン・マルコ海兵旅団を指揮下に治め、必要に応じサン・ジョルジョ級強襲揚陸艦の3隻の派出を受ける。
- 掃海部隊司令部(Comando Forze Contromisure Mine)
- ラ・スペツィア海軍基地
- 司令官階級:少将
- 第53掃海戦隊司令部(COMSQUADRAG53)と第54掃海戦隊司令部(COMSQUADRAG54)を指揮下に治めている。第53掃海戦隊司令部にはレリーチ級掃海艇2隻およびレリーチ級第2シリーズ4隻が配備され、第54掃海戦隊司令部にはレリーチ級第2シリーズ6隻が配備されている。
以前の艦隊組織
改編前には4つの海軍管区と潜水艦司令部が存在していた。
- 第1海軍管区(I Divisione Navale)
- 本部:ラ・スペツィア
- 第7フリゲート戦隊にアウダーチェ級駆逐艦 (2代)が配備されていた。現在は第2フリゲート戦隊司令部となっている。
- 第2海軍管区(II Divisione Navale)
- 本部:ターラント
- アンドレア・ドリア級ヘリコプター巡洋艦やヴィットリオ・ヴェネトが配備され、第2遠洋群にはインパヴィド級駆逐艦やデ・ラ・ペンネ級駆逐艦が、第5フリゲート戦隊にはルポ級フリゲートが配備されていた。
- 第3海軍管区(III Divisione Navale)
- 本部:ブリンディジ
- 揚陸艦やスパルヴィエロ級ミサイル艇が配備されていた。
- 第4海軍管区(IV Divisione Navale)
- 本部:アウグスタ
- 第1コルベット戦隊にアルバトロス級コルベットやカルロ・ベルガミーニ級フリゲートが配備されていた。
- 潜水艦司令部(Comando Sommergibili)
- 本部:ターラント
- 第1潜水群と第2潜水群を擁し、潜水艦を運用していた。
掃海艇や支援艦艇は各管区の部に配備されていた。
注釈
- ^ 現代イタリアのような「工業の北部」「農業の南部」は第二次世界大戦後のことで、当時は南北ともに農業主体であった
- ^ 同時期のイギリス海軍の装甲艦「デヴァステーション級」は、主砲は30.5 cm前装式連装砲2基で、速力は13.8ノットでしかなかった
- ^ なお、この時にトリポリとキレナイカ地方は古代ローマ時代の呼び名である「リビア」に改称された
- ^ 事実、1940年以降にイタリアが新造した艦船は僅かに駆逐艦3隻のみである
- ^ イギリス海軍がいわゆる現場主義による積極性を持っていたのと対照的に、イタリア海軍は、海軍本部が末端の指揮までその統制下に置き現場の独断を許さなかったことも、その消極的方針が徹底される一因となった
- ^ 2016年現在航空機の運用は終了しており、強襲揚陸艦任務に就いている。
出典
- ^ 『潜水艦戦争 上』 pp.149-153
- ^ 『丸』2009年11月号
- ^ イタリア国防省ページ
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