へうげもの その他

へうげもの

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/20 06:31 UTC 版)

その他

荒縄の味噌汁
芋茎とは、サトイモの茎である。生のものを「ズイキ」、干したものを「イモガラ」と区別する場合もある。作品中のように合戦に携行する際には保存が利くように干して乾燥させ、長くつないで縄状にしたものを携行したため「荒縄」と呼ばれている。
作品中では味噌で味付けをして味噌汁にしているが、最初から芋茎に味噌を塗って乾燥させ、味噌味の染み込んだ縄を作ることもあった。この場合は適度な長さに切って湯に浸すだけで簡単な味噌汁が出来上がる。
2010年にNHK BS2の番組『熱中スタジアム』の中で、漫画に登場する「マンガ料理」を再現する主婦が紹介された際に、この荒縄の味噌汁が題材として選ばれ、当時の材料を調達して料理する様が放送された[10]
鉄甲船について
史実の鉄甲船は「全長12〜13間(約24m)、幅7間(約12.6m)の1500石積み(約417総トン)、船体に厚さ3mmの鉄板を張り、大砲3門と多数の大鉄砲を積む」とされている(出典『多聞院日記』。ただしこのままだと寸胴すぎるため、実際は全長30〜50m程と考えられている)。
本作に登場する鉄甲船は更に巨大に(周辺の建物や船と比較すると大砲の直径が人の背丈ほどもある)アレンジされて描写されている。
信長と氏郷の南蛮甲冑について
眼鏡に角をはやした異形の甲冑であるが、これは英国王ヘンリー8世の現存する甲冑がモデルとなっている[11]。史実では信長が西洋式甲冑(南蛮胴)を着用した可能性は低いことが通説となっており、氏郷も同様である。
「海老すくい」について
酒井忠次が得意としていた踊りだが、その歌詞や踊りについては現代に伝わっていない。
山下喜光によると、アニメ版の歌詞や踊りはスタッフが考えたオリジナルとのこと[12]
「へうげもの」の出典
本作にも登場する九州博多の豪商神谷宗湛が著した茶会記『宗湛日記』に、慶長4年(1599年)2月8日に古田織部の茶会に招かれたときの様子が記されている。
セト茶碗ヒツミ候也。ヘウケモノ也」(瀬戸茶碗ひずみ候なり。ひょうげものなり)
これが本作品のタイトルの由来となっている[13]
光秀の辞世の句について
作中での光秀の辞世の歌「月さびよ 明智が妻の 咄せむ」は下の句を省いた連歌として登場するが、史実では江戸時代に松尾芭蕉が光秀の妻熙子による内助の功の美談に感動して詠んだ俳諧である。本作の設定では、光秀の墓参りの際に知恩院の僧よりこの歌を聞いて感銘を受けた木下勝俊が、友である松永貞徳と俳諧を始めたという経緯になっている。

注釈

  1. ^ 史実での妻は黒田氏の娘だが、本作では織部の義弟説を採用している(へうげもの公式facebookより)。
  2. ^ 作中に明記はないが、史実では宗和の父・可重は長近の養子、母も他家の生まれの女性であるため、長近と宗和との間に血の繋がりはない。
  3. ^ 高山右近に譲ってもらった代物。
  4. ^ 原作者側の強い希望による人選とのこと(へうげもの公式facebookより)。
  5. ^ ソフト版では藤城の再録版が収録されている。
  6. ^ 2011年6月に小林が死去したため。
  7. ^ 作中では諡号での呼称はない。
  8. ^ 『モーニング』2012年9号、第百五十六席より引用。関が原の合戦で日和見をする小早川秀秋の説得に向かうため古田織部が投石器で打ち上げられるシーン。
  9. ^ 『モーニング』2007年49号、第六十二席より引用。秀吉が諸大名に金配りをする内容だった。
  10. ^ 逮捕された小菅も含めて2012年に再結成され、活動を再開した。 - cro-magnon公式サイト「profile」

出典

  1. ^ a b c 型破りな茶人・古田織部の生き様描く、山田芳裕「へうげもの」完結で候”. コミックナタリー. ナターシャ (2017年11月30日). 2017年12月1日閲覧。
  2. ^ 芸術新潮』2007年4月号 speak low 山田芳裕「織部は茶席でギャグを狙っていたと思う」P148
  3. ^ 本格歴史長編ギャグ漫画『へうげもの』完結にファンから悲しみの声続出”. ダ・ヴィンチニュース (2017年12月3日). 2018年2月4日閲覧。
  4. ^ 単行本巻末での公式設定。以下各キャラクター同様。
  5. ^ 第百十五席のうぎゃあを訪れた際、第百六十九席の新うぎゃあでの茶席、第二百十二席冒頭の織部から伊賀花入を譲られた際と最終回のラストシーンなど
  6. ^ へうげもの公式facebookより
  7. ^ へうげ山田×細川護煕、数奇者対談がモーニングに”. コミックナタリー. ナターシャ (2010年4月8日). 2018年2月4日閲覧。
  8. ^ 【へうげものグラビア】細川護熙元首相×山田芳裕、数寄者剽軽放談!(PDFファイル)(モーニング公式サイト)
  9. ^ 単行本19巻二百三席より
  10. ^ マンガ料理、ありマス。無限のレシピ(2010年10月16日放送) Archived 2012年3月5日, at the Wayback Machine.
  11. ^ 画像
  12. ^ nocturamayamaのツイート(94057369113329664 )
  13. ^ 参考:桑田忠親「古田織部の茶道」
  14. ^ 作品情報と試し読み へうげもの
  15. ^ 講談社モーニング公式サイトへうげものの一覧」 2015年12月22日閲覧.
  16. ^ メンバー逮捕のクロマニヨンが解散(日刊スポーツ、2011年5月2日)
  17. ^ 2011年6月13日22:49の発言
  18. ^ quasimodeニュース2011年6月9日”. EMIミュージック・ジャパン. 2018年2月4日閲覧。
  19. ^ a b cro-magnon、発売中止「へうげもの」コラボ盤ついに登場”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2012年6月26日). 2018年2月4日閲覧。
  20. ^ 数寄者マストバイ!「へうげもの」コラボのミックスCD”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2013年3月6日). 2019年3月11日閲覧。
  21. ^ 【新連載】『へうげもの』山田芳裕が、池波正太郎『仕掛人・藤枝梅安』シリーズの原点に挑む! 期間限定新連載『仕掛暮らし』、今週のモーニングにて堂々開幕!”. モーニング公式サイト (2018年9月13日). 2022年4月3日閲覧。
  22. ^ 【dTVマンガ】第1話「へうげもの」”. dTV(YouTubeチャンネル) (2018年9月12日). 2022年4月3日閲覧。
  23. ^ NHKアニメワールド 「へうげもの」織部・大数寄・コレクション Archived 2012年3月5日, at the Wayback Machine.
  24. ^ 平成24年 秋季堺文化財特別公開 Archived 2016年3月31日, at the Wayback Machine. - 社団法人堺観光コンベンション協会
  25. ^ 「へうげもの」と堺の文化財公開展がコラボ、装飾バスも”. コミックナタリー. ナターシャ (2012年10月15日). 2022年11月4日閲覧。





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