基本交換法とは? わかりやすく解説

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きほん‐こうかんほう〔‐カウクワンハフ〕【基本交換法】

読み方:きほんこうかんほう

バブルソート


基本交換法

読み方きほんこうかんほう
別名:バブルソート
【英】bubble sort

基本交換法とは、並び替えソート)のアルゴリズムのひとつで、あるデータよりも大きい(または小さい)データ順番1つずつ比較序列させてゆく方式のことである。

例えば、大から小への順に並び替えを行う場合、あるデータがn番目のデータよりも大きいものであれば、n+1番目のデータ比較され、n+1番目の代わりにn+1番となるか、あるいはn+2番目との比較回される逆に、n番目のデータよりも小さければ、n-1番目のデータ比較され新しくn-1番目となるか、あるいはn-2番目との比較回される

基本交換法はデータ順番比較してゆく方式であるため、アルゴリズム比較簡易であり、メモリー負荷も軽いというメリットがあるが、多量データを扱う場合能率的でないという難点もある。

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バブルソート

(基本交換法 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/07 16:30 UTC 版)

バブルソート
バブルソートがどのように動作するかの視覚的な説明
クラス ソート
データ構造 配列
最悪計算時間
バブルソートにおける要素の移動例を示した図

全ての要素に関して、隣接する要素と比較し順序が逆であれば入れ替える。これを要素数-1回繰り返すことでソートを行う。なおこの繰り返しは、入れ替えが起こらなくなった時点で(それ以降は何度繰り返しても変化が起こらなくなるので)中断することができる。

この「全ての要素に関して」において、全ての要素に関して比較交換が行なわれるならば順序を問わない特徴を持つ(安定ソート)。この特徴により、比較交換順序を調整することで効率化されたアルゴリズムが多数派生している。そのため他の様々なソートアルゴリズムの基礎として一度は学ばされるアルゴリズムとなっている。

例えば前記の特徴によりバブルソートは並列処理と親和性が高く、比較交換器を潤沢に用いることで比較交換順序を調整したハードウェア実装では時間計算量はO(n)になる。この並列処理向けに比較交換順序を調整したアルゴリズムとして奇偶転置ソートがある。

また特にソフトウェアで実装される場合には一般に先頭から順に順次処理されるものなので、逆に先頭から順に順次処理されることを利用して不要なことが自明な比較交換をしないように効率化することは有効かつ直感的であり、この効率化されたアルゴリズムをもってバブルソートと呼ぶ場合もある。さらに、比較交換順序を逆順にすることで自明な比較交換を検出し易くしたアルゴリズムに挿入ソートがあり、効率化されたバブルソートは簡単な変更で容易に挿入ソートにできることから、ソートのソフトウェア実装としてバブルソートを選択する根拠はなく、学習専用の非効率的なアルゴリズムと考えられているのが現状である。

なお、係る派生したアルゴリズムが隣接する要素と比較交換以外の比較や交換を行なうことで効率化を図っている場合、安定という特徴を失う。

以下では、前記の自明な比較交換をしないように効率化されたバブルソートに関して解説する。

要素の1番目と2番目を比較し、順番が逆であれば入れ換える。次に2番目と3番目を比較して入れ換える。これを最後まで行うと、最後の数だけが最小または最大の数として確定するので、確定していない部分について1つずつ減らしながら繰り返す。

procedure bubbleSort( A : list of sortable items ) defined as:
  for each i in 1 to length(A) - 1 do:
       for each j in 2 to length(A) - i + 1 do:
         if A[ j ] < A[ j - 1 ] then
           swap( A[ j ],  A[ j - 1 ] )
         end if
       end for
  end for
end procedure


動作例

要素の入替え例
初期データ: 6 5 3 1 8 7 2 4

初期データ: 8 4 3 7 6 5 2 1
 結果が確定した部を太字でしめすと、

4 3 7 6 5 2 1 8 (1回目の外側ループ終了時 交換回数:7)
3 4 6 5 2 1 7 8 (2回目の外側ループ終了時 交換回数:5)
3 4 5 2 1 6 7 8 (3回目の外側ループ終了時 交換回数:3)
3 4 2 1 5 6 7 8 (4回目の外側ループ終了時 交換回数:2)
3 2 1 4 5 6 7 8 (5回目の外側ループ終了時 交換回数:2)
2 1 3 4 5 6 7 8 (6回目の外側ループ終了時 交換回数:2)
1 2 3 4 5 6 7 8 (7回目の外側ループ終了時 交換回数:1)

交換回数の合計:7+5+3+2+2+2+1=22

解析

ランダム配列数のバブルソートの例

「比較回数」は、高々n(n-1)/2回。交換回数は、元のデータ列によって異なるが、一回のスキャンで平均n/2回なので、全体では平均n(n-1)/4回。(O(n2))

バブルソートでは、大きな数が列の始めに位置していても問題ないが、右図のように列の後のほうに位置している小さな数は列の始めのほうに移動してくるのに時間がかかる。(上述の動作例中の"1"がまさにそのパターン)これを改良するために、シェーカーソートコムソートが提案された。

脚注

出典

  1. ^ バブルソートの意味(出典:デジタル大辞泉)
  2. ^ Astrachan, Owen (2003-01-11). “Bubble Sort -- An Archaelogical Algorithmic Analysis”. ACM SIGCSE Bulletin 35 (1): 1–5. doi:10.1145/792548.611918. ISSN 0097-8418. 

関連項目



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