ピンホール・カメラとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 工業 > 装置 > カメラ > ピンホール・カメラの意味・解説 

ピンホール‐カメラ【pinhole camera】

読み方:ぴんほーるかめら

レンズ代わりに穴を開け、そこを通った光で感光材料に像を結ばせるカメラ針穴写真機


ピンホールカメラ

作者佐藤ラカン

収載図書カザン
出版社二見書房
刊行年月1998.7
シリーズ名二見シャレード文庫


ピンホールカメラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/29 05:32 UTC 版)

ピンホールカメラの原理。物体から発した光は小さな穴をとおり像を結ぶ
ピンホールカメラの写真

ピンホールカメラ: pinhole camera)は、写真レンズを使わない針穴(ピンホール)を利用したカメラである。針穴写真機ともいう。

構造が簡単で容易に製作できるため、理科の教材や工作の題材としてもよく使われ、また、夏休みの工作の題材としては、時期的に撮影対象として適した明るくかつコントラストが強い被写体を得やすいという利点もある。

概要

被写体の各点において乱反射(散乱)した光のうち、ピンホールの1点に到達する光線のみを通すことで、像面に被写体の像を得るという、最も単純なカメラの方式であり、実用的なレンズの開発以前からあったカメラである、初期のカメラ・オブスキュラの原理と全く同じものである。

このカメラを簡単に作るには、(遮光が目的なので、光を透さない材料で余計な孔などが無いことが必要。暗箱)の一面の中央にピンホールを開ければよい。箱の反対面に、トレーシングペーパーなどを張った窓を作れば直接観察できる。ただし得られる像が、レンズの場合と比べてかなり暗いので、最低でも簡単なバイザ風のフード、できれば大型カメラでピントグラスの確認の際に使うような被り布(冠布)があるとなお良い。理想としては箱の内側は反射防止加工をし、内部反射を抑えることが望ましい。

写真機として写真を得るには、写真フィルム等の感光材料や撮像素子などを置いて像を得る。しかしやはり像が暗いため、露光時間を十分にとる必要があり、三脚などしっかりと固定する手段を考える必要があるのが、レンズによって高速なシャッター速度が得られるカメラの工作との違いである。

インスタントカメラ用の感光材料(いわゆるインスタントフィルム)を使うと、その場で結果が得られるので露出時間を加減しての撮り直しもでき便利である。特に、従来のピールアパート方式のインスタントフィルムは照射面側に像が得られるため反転させる必要があったが、富士フイルムのinstax(いわゆる「チェキ」)は裏面照射なのでそのままで像が得られる。伝統的な写真材料としては印画紙を使うのだが、その場合、ネガの反転像が得られるので、密着焼き(コンタクトプリント)の要領で再度反転しネガを得れば、正立したポジ像となる。

レンズ交換式一眼レフなど、レンズ交換式のカメラがあれば、レンズ代わりの蓋に使うボディキャップを加工するなどすると簡単である。

(レンズによる)集光によって像を作るのではないため、通常のカメラにおいてレンズの焦点に関して議論されるようなパラメータは基本的には無い。しかし、画角などについては焦点距離と全く同じである。すなわち、写真レンズの議論における理想的な無限に薄いレンズの中央がピンホールの位置であり、ピンホールからフィルム面までの距離が焦点距離に相当する。なお後述するが、理想的なピンホール径に関して被写体までの距離への依存性があるため、その点ではピンホール写真にもピントがあるが、実際の写真ではまずわかるようなものではない[1]

はっきりした像を得るためには、ピンホールの大きさは、一般にかなり小さくする必要があり(普通の大きさのカメラでは 0.数mm 程度、詳細は後述)、像が暗いため通常のカメラと比較して非常に長い露出時間を必要とする。典型的露出時間は、1秒から数時間、場合によっては1日くらいまでも露出することがある(これは、フィルムではなく印画紙を直接使う場合には、像が大きいことで面積あたりの光量が下がるのに加え、印画紙の感度がフィルムと比べて数段低めだという理由もある)。あるいは大光量のフラッシュを使うといった技法もある。

ピンホール径

波動光学により、理想的な(径が無限に小さい)点状のピンホールであっても、それを通った光が作る像は点ではなく、光線の回折によりエアリーディスクになる。そのため、ピンホールカメラをはじめ各種の光学系では、理想的な場合でも解像度に限界がある。顕微鏡などの性能の検討においては各種の理論式があるが(分解能の記事を参照)、ここではピンホールカメラの工作の目安程度として議論する。なお前述のようにピンホールカメラでは、その画角についてピンホールからフィルム面までの距離が、レンズを使った場合の焦点距離に相当するので、以下では便宜上その距離を「焦点距離」と呼ぶことにする。

被写体は無限遠であるとし、光の波長を λ、ピンホールの半径を r、焦点距離を b とすると、

写真家一覧
  • 日本の写真家一覧
  • 最も高価な写真一覧
  • カテゴリ
  • 写真美術館とギャラリー
  • コモンズ
  • ポータル

  • 「ピンホールカメラ」の例文・使い方・用例・文例

    Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



    ピンホール・カメラと同じ種類の言葉


    英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
    英語⇒日本語日本語⇒英語
      

    辞書ショートカット

    すべての辞書の索引

    「ピンホール・カメラ」の関連用語

    ピンホール・カメラのお隣キーワード
    検索ランキング

       

    英語⇒日本語
    日本語⇒英語
       



    ピンホール・カメラのページの著作権
    Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

       
    デジタル大辞泉デジタル大辞泉
    (C)Shogakukan Inc.
    株式会社 小学館
    日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
    Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
    ウィキペディアウィキペディア
    All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
    この記事は、ウィキペディアのピンホールカメラ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
    Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
     Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
    この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
    浜島書店 Catch a Wave
    Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
    株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
    Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
    研究社研究社
    Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
    日本語WordNet日本語WordNet
    日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
    WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
    日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
    Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
    「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
    EDRDGEDRDG
    This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

    ©2025 GRAS Group, Inc.RSS