dopamine receptorとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 学問 > 生物学用語 > dopamine receptorの意味・解説 

ドーパミン受容体

英訳・(英)同義/類義語:dopamine receptor

ドーパミンリガンドとする受容体タンパク質で、Gタンパク質共役する7回膜貫通型構造を持値、アデニル酸シクラーゼ活性調節する

ドーパミン受容体

(dopamine receptor から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/18 08:48 UTC 版)

ドーパミンD3受容体の構造(エチクロプリドとの複合体)

ドーパミン受容体(ドーパミンじゅようたい、: dopamine receptor)は、主に中枢神経系にあるGタンパク質共役受容体(GPCR)の一種であり、神経伝達物質であるドーパミンと結合する。

分類

現在知られているドーパミンの受容体は5つある。下記の2群に分け、それぞれ興奮性、抑制性に作用すると論じられることが多いが、実際にはドーパミンの薬理学的、電気生理学的作用は単純ではない[1]。興奮性、抑制性作用の議論は主として、即時型遺伝子 (immediate early gene, IEG) の発現の増加、減少の観察にもとづいている[2]

D1様受容体ファミリー(興奮性)

D1様受容体ファミリーの活性化はGタンパク質Gαsと共役し、それによってアデニル酸シクラーゼが活性化され細胞内のcAMP濃度が上昇する。プロテインキナーゼA (PKA) の活性によってDARPP32がリン酸化される。その後の機序はまだ不明の点が多いが、即時型遺伝子の発現が上昇することから、神経細胞(ニューロン)は活動電位を生じ易くなると考えられている。ただし実際の作用は単純ではない[1]。また、腎臓など内臓血管の平滑筋にも分布しており、cAMP濃度の上昇によって筋を弛緩させる。

D1受容体
D5受容体
D1受容体に比べると脳での発現量は少ない。

D2様受容体ファミリー(抑制性)

D2様受容体ファミリーの活性化はGタンパク質のGαiと共役し、Gαiホスホジエステラーゼの活性を高め、ホスホジエステラーゼによってcAMPが分解される。その後の機序にはまだ不明の点が多いが、即時型遺伝子の発現が低下することから、最終的にニューロンの発火を抑制すると考えられている。ただし実際の作用は単純ではない[1]

D2受容体
ヒトラットの両方において、選択的スプライシングによって短いタイプ(D2SまたはD2 short)と、29アミノ酸だけ長いタイプ(D2LまたはD2 long)のアイソフォームが作られる[3][4]統合失調症の陽性症状を改善するのはドーパミンD2受容体拮抗作用をもつ抗精神病薬であるとされている[5]
D3受容体
D3受容体の発現はカレハ島(island of Calleja)や側坐核に最も顕著である[6]
D4受容体
この遺伝子が犬などの気質に関連すると研究される[7]

脚注

[脚注の使い方]

出典

  1. ^ a b c “Dopaminergic modulation of neuronal excitability in the striatum and nucleus accumbens.”. Annual Review of Neuroscience 23 (2): 185-215. (2000). doi:10.1146/annurev.neuro.23.1.185. PMID 10845063. 
  2. ^ “Molecular effects of dopamine on striatal-projection pathways.”. Trends Neurosci 23 (10 Suppl): S64-70. (2000). doi:10.1016/S1471-1931(00)00019-7. PMID 11052222. 
  3. ^ “The dopamine D2 receptor: two molecular forms generated by alternative splicing”. EMBO J 8 (13): 4025-34. (Dec 1989). PMID 2531656. 
  4. ^ “Multiple D2 dopamine receptors produced by alternative RNA splicing”. Nature 342 (6252): 926-9. (Dec 1989). PMID 2480527. 
  5. ^ Seeman, P., and Tallerico, T. (1998). “Antipsychotic drugs which elicit little or no Parkinsonism bind more loosely than dopamine to brain D2 receptors, yet occupy high levels of these receptors”. Mol. Psychiat. 3: 123-134. PMID 9577836. http://www.nature.com/mp/journal/v3/n2/abs/4000336a.html. 
  6. ^ “Coexpression of dopamine D1 and D3 receptors in islands of Calleja and shell of nucleus accumbens of the rat: opposite and synergistic functional interactions.”. Eur J Neurosci 10 (5): 1676-86. (May 1998). PMID 9751140. 
  7. ^ 村山美穂. “行動特性の育種改良を目指した,家畜の脳内物質関連遺伝子の解析”. 2009年12月26日閲覧。

関連項目



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「dopamine receptor」の関連用語

dopamine receptorのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



dopamine receptorのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
JabionJabion
Copyright (C) 2025 NII,NIG,TUS. All Rights Reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのドーパミン受容体 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS