XF2R_(航空機)とは? わかりやすく解説

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XF2R (航空機)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/15 14:35 UTC 版)

XF2R ダークシャーク

XF2R-1

XF2R ダークシャーク(Ryan XF2R Dark Shark)は、アメリカ海軍向けに製作された実験機であり、ターボプロップエンジンターボジェットエンジンの2種類のエンジンを搭載した複合動力機である。

概要

本機はライアン・エアロノーティカル英語版社が1944年から1945年にかけて開発した複合動力戦闘機であるFR ファイアボールを基に、ファイアボールのライト R-1820"サイクロン" 空冷星型9気筒レシプロエンジン(出力:1,425/1,500馬力[1])をゼネラル・エレクトリック T31 ターボプロップエンジン(2,300 軸馬力(13,000 rpm.回転時)に換装し、ハミルトン・スタンダード社製4翅型プロペラブレードとしたもので、ターボプロップエンジンへの変更により性能はファイアーボールに比べてかなりの改善を見せたが、その時点でアメリカ海軍は複合動力戦闘機という概念を諦め、全ジェット動力のターボジェット戦闘機へ移行していたため、本機にはほとんど興味を示さなかった。

しかし、当時同様のコンセプトのコンベア XP-81戦闘機を評価していたアメリカ空軍は本機に多少の興味を示し、ライアン社にXF2R-1で使用していたゼネラル・エレクトリック J31 ターボジェットエンジン(推力:1,650 lbf(7.33 kN)をウェスティングハウス J34英語版 ターボジェットエンジン(推力:3,000 lbf(13.35 kN) へ換装するように依頼した。

エンジンを換装した機体にはXF2R-2の形式番号が与えられ、-2は-1の試作機の主翼前縁にあった空気吸入口を前部胴体側面に設けたNACAダクトに変更し、-1の試作機を改装して製作された[2]。この改造によってダークシャークの性能は期待通りに向上し、有用な機体であることは認識されたが、本機の開発中にアメリカ空軍は「全ジェット動力機の方が総合的に見て性能で優れている」として戦闘機の全ジェット化を進めることを決定していたため、XF2Rの開発が試作段階以降へ進むことはなかった。

諸元

飛行中のXF2R-1

出典:The Complete Book of Fighters[3]
※XF2R-1のもの

  • 武装:
    • AN/M2 0.50 in(12.7 mm)機銃×4(主翼内)

脚注・出典

  1. ^ FR-1に搭載されたR-1820-72Wが1,425馬力、FR-2に搭載されたR-1820-74Wが1,500馬力
  2. ^ XF2R-2の試作機の写真(flickr>SDASM Archives 16_000517 Ryan XF2R-2 mock-up 1946)
  3. ^ Green, W; Swanborough, G (1994). The Complete Book of Fighters. Smithmark Publishers inc. ISBN 0-8317-3939-8 

参考文献

  • Ginter, Steve. Ryan FR-1 Fireball and XF2R-1 Darkshark, Naval Fighters Number 28'. Simi Valley, CA: Ginter Books, 1995. ISBN 0-942612-28-0.
  • McDowell, Ernest. FR-1 Fireball, Mini in action number 5. Carrollton, TX: Squadron/Signal Publications Inc., 1995. ISBN 0-89747-344-2.

関連項目

外部リンク





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