ペロンの公式とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ペロンの公式の意味・解説 

ペロンの公式

(Perron's formula から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/21 05:36 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

数学、特に解析的整数論におけるペロンの公式(ペロンのこうしき、: Perron's formula)とは、オスカー・ペロン英語版ドイツ語版による、逆メリン変換を用いて数論的関数の和を計算する公式である。

主張

  • 数論的関数(つまり複素数の列)とし、
を対応するディリクレ級数とする。実数 があって、この級数は半平面 一様収束するものとする。
  • 実数 に対し
と定義する。ここでプライムのついた和記号は、 が自然数のときは最後の項に限り 1/2 を掛けて和をとることを意味する。

このときペロンの公式は、

右辺の複素積分 と書かれることも多い。この表示のときはコーシーの主値をとっているものと解釈する。

証明のスケッチ

アーベルの総和公式

において とおき、

とすると だから右辺第1項は消えて

変数変換 をして変形すると、

この右辺はラプラス変換そのものである。よって逆ラプラス変換[注釈 1]により

ディリクレ級数との関連から、ペロンの公式(もしくは証明のスケッチに現れた等式)は数論的な和に関してよく用いられる。

とディリクレ級数表示され、このとき より 床関数)となり
ここで [注釈 2]ディリクレ指標 の和。
  • 他にも、Mertens関数英語版(1から n までのメビウス関数の和)の値をリーマンゼータ関数の複素積分で表したり、チェビシェフ関数フォン・マンゴルト関数英語版の和)を含む積分値をリーマンゼータ関数を使った比で表示するといった応用がある。

一般化

ペロンの公式はメリンの離散的畳み込みの特別な場合である。

ここで とし、 はメリン変換である。

試験関数を ヘヴィサイドの階段関数)と選ぶとペロンの公式が得られる。

脚注

  1. ^ (訳注) が不連続な点では逆ラプラス変換が元の関数を返すとは限らないため、この論証は厳密ではない。きちんとした証明には、例えば関係式
    を用いる。
  2. ^ (訳注) が積分の中にしか現れていなければ、自然数のところでの不連続性は問題にならない。

参考文献




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ペロンの公式」の関連用語

ペロンの公式のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ペロンの公式のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのペロンの公式 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS