MVアグスタ_350イポテージとは? わかりやすく解説

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MVアグスタ 350イポテージ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/17 00:43 UTC 版)

MVアグスタ 350イポテージ
製造者 MVアグスタ
別名称 1975 MV Agusta 350 Ipotesi
製造期間 1975-1977
先代 MVアグスタ 350B
種別 スポーツバイク英語版
エンジン 349 cc OHV 4ストローク 並列2気筒エンジン
ボア / ストローク 63 x 56 mm
圧縮比 9.2:1
最高速度 160 km/h (99 mph)
最大出力 34 bhp (25 kW) / 8,500 rpm
点火方式 電子式
トランスミッション 湿式多板クラッチ、5段変速、チェーン駆動
サスペンション 前:テレスコピックフォーク
後:オイルダンパー付きスイングアーム
ブレーキ 前:230 mm ツインディスクブレーキ
後:230 mm ディスクブレーキ(GTは200 mm ドラムブレーキ
タイヤ 前:2.75 x 18
後:3.25 x 18
ホイールベース 1,310 mm
寸法 L: 1,970 mm
W: 620 mm
車重 160 kg (350 lb) (dry)
燃料容量 16 L
Footnotes / references
[1][2][3][4]

MVアグスタ 350イポテージMV Agusta 350 Ipotesi、"Ipotesi" は「仮説」「理論」の意)は、イタリアのメーカー、MVアグスタが1975年から1977年にかけて製造したスポーツバイク英語版。このオートバイは従来のMVアグスタ 350B英語版をもとに、イタリアのデザイナー、ジョルジェット・ジウジアーロがデザインした[4]。1,991台のスポーツモデル 350Sと[1]、350台のツーリングモデル 350 GTが生産された[2]

背景

1971年にドメニコ・アグスタ伯爵英語版が死去すると[5]、MVアグスタの財務状況は低価格で高品質の日本製オートバイとの競争や、引き続く労使問題によって急速に悪化していた[6]イタルデザイン・ジウジアーロジョルジェット・ジウジアーロ(以前、スズキ・RE-5をデザインしていた)が、中量級オートバイにおけるMVの競争力を強化する、魅力的で、より近代的なデザインを作り出すことを請け負った。プロトタイプには印象的な水平のラインと、シャープな輪郭が与えらた[6]。コンセプトマシンは1973年のミラノEICMAモーターサイクル・ショーで初展示された[4]

特徴

350 Bモデルから開発された、350 cc 4ストローク OHV 並列2気筒エンジンは、全体のデザインに合致するように新しいクランクケースカバーが採用された。角張ったシリンダーヘッドも、マシンの水平のラインと一致し、当時の最先端のコンセプトを完成させた[7]。最大出力は27 hp (20 kW) / 7,800 rpm[8]から34 hp (25 kW) / 8,500 rpmに増強された[3]

新設計のフレームは、従来の鋼管鋼板併用のものから全鋼管タイプとなった。タンク、シート、サイドカバーも一新された。シートの後端にはリアフェンダーが取り付けられ、サイドカバーはエンジンの空冷フィンを模したスロットが設けられた[1]

フロントダブル、リアシングルのスカラブ製ディスクブレーキが取り付けられた。チェリアーニ英語版フォークアルミホイールも採用された。トリプルディスクブレーキとアルミホイールを採用した最初のイタリア製オートバイだった[9]

オプションとしてフルカウルも用意された[10]

350イポテージGT

MVアグスタ 350イポテージGT

350イポテージ・トゥリスモとしても知られる350イポテージGTも製造された。一般的なリアシートと、独立したリアフェンダー、高く持ち上がったハンドルバーが採用されている。スポーツモデルの塗装されたものと対象的に、フェンダーと排気管はクロームメッキ仕上とされた。また、形状の異なるタンクが取り付けられ、金色と青に塗り分けられた[2][11]

フロントのダブルディスクはそのままだったが、リアブレーキはドラムブレーキに変更された。ホイールもスポークホイールに変更された[2]

ハンセン・ウント・シュナイダーのスペシャルモデル

ドイツのMVアグスタ輸入業者であるハンセン・ウント・シュナイダーは、1970年代なかばにMVアグスタのオートバイの製造権を取得した[12]。同社は2種類のイポテージの500 ccモデルを製造した[13]

  • MVアグスタ 500 S(1976-77):350 ccエンジンのボアを75 mmに拡大して排気量を472 ccとして、53 hp (40 kW)を8,900 rpmで発生した。タイヤもより大きなものに変更され、フロントが3.00x18、リアが3.50x18とされた[13]。オプションで43 hp (32 kW) / 8,200 rpmにデチューンしたものも用意された[8]
  • MVアグスタ 500 SS(1977):特注で作られたレース用モデル。このマシンでは11,000 rpmで66 hp (49 kW)を発揮するDOHCエンジンを搭載して、完全に作り変えられた。サンプルとして5台が製造された[13]

脚注

  1. ^ a b c 350 BE "Sport" Ipotesi”. www.glaagusta.org. 2019年8月10日閲覧。
  2. ^ a b c d 350 BE "Turismo"”. www.glaagusta.org. 2019年8月10日閲覧。
  3. ^ a b MV Agusta 350 Sport Tipo 216 "Ipotesi"”. www.mv-agusta-club.de. MV Agusta Club Deutschland. 2019年8月10日閲覧。
  4. ^ a b c 350 Ipotesi”. www.mvagustaoldtimers.nl. MVagusta-Oldtimers. 2019年8月10日閲覧。
  5. ^ Walker 1998, p. 220.
  6. ^ Colombo & Patrignani 2000, p. 198.
  7. ^ a b Schwab 1987, p. 58.
  8. ^ “Cafe Royal”. Superbike: 43–44. (July 1977). 
  9. ^ “MV Agusta 350 Sport”. On Two Wheels (58): 1154–1155. https://thebikemuseum.com/master_docs.php?id=132 2019年8月10日閲覧。. 
  10. ^ MV Agusta 350GT Ipotesi”. thebikemuseum.com. The Bike Museum. 2019年8月10日閲覧。
  11. ^ MV Agusta America 750cc for Sale”. www.mv-agusta.co.uk. 2019年8月10日閲覧。
  12. ^ a b c Motorrad Katalog 1977, p. 134.

書誌情報

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