METシグナル伝達経路
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/29 15:04 UTC 版)
「c-Met」の記事における「METシグナル伝達経路」の解説
HGFによるMETの活性化はMETのキナーゼ触媒活性を誘導し、Tyr1234とTyr1235のトランスリン酸化を開始する。これら2つのチロシン残基はさまざまなシグナル伝達因子と結合し、METによって駆動されるさまざまな生物学的活性を開始する。METによって駆動される過程は、invasive growth program(浸潤性増殖プログラム)と総称されることもある。シグナル伝達因子はMETの多基質ドッキング部位と相互作用するが、GRB2(英語版)、SH2、SRC、PI3Kの調節サブユニットp85のように直接相互作用するものと、足場タンパク質であるGAB1(英語版)を介して間接的に相互作用するものがある。 多基質ドッキング部位に位置するTyr1349とTyr1356はどちらもGAB1、SRC、SHCとの相互作用に関与しているが、GRB2、PLC-γ、p85、SHP2(英語版)のリクルートにはTyr1356のみが関与する。 GAB1はMETに対する細胞応答の重要な調節因子であり、METの細胞内領域に高いアビディティ(英語版)、低いアフィニティで結合する。METとの相互作用によってGAB1のいくつかのチロシン残基がリン酸化され、そこへPI3K、SHP2、PLC-γを含むシグナル伝達のエフェクター因子がリクルートされる。METによるGAB1のリン酸化によって、下流のシグナル伝達経路の大部分を媒介する持続的なシグナルがもたらされる。
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