Global Crop Diversity Trustとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > Global Crop Diversity Trustの意味・解説 

グローバル作物多様性トラスト

(Global Crop Diversity Trust から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/05/18 19:56 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

グローバル作物多様性トラスト(: Global Crop Diversity Trust)は、世界レベルの食糧安全保障のために、作物多様性の保存とその利用可能性の確保を目的とする独立した国際機関である。国連食糧農業機関(United Nations Food and Agriculture Organization、FAO)と国際農業研究協議グループ(Consultative Group on International Agricultural Research、CGIAR)の連携によって2004年に設立された。

概要

2004年に発効した、食料及び農業のための植物遺伝資源国際条約 (International Treaty on Plant Genetic Resources for Food and Agriculture)の締結国理事会と関係協定を結び、この条約で定められた主要食物の食物遺伝資源の収集、生育域外保全及び持続可能な利用に必要な費用をまかなう資金調達メカニズムとしてのGCDTとの関係が規定されている。また、資金調達と資金供与を行なうにあたり、GCDTの科学的専門性の自立性が認められている。

GCDTは、作物トラスト基金を設置し、その運用益を、既存の組織が独特かつ重要な作物の多様性の保存に必要な費用を永続的に供与するために充当。作物多様性は農業の生物基盤そのものであり、植物育種学者と農業従事者にとって、病虫害に対処できる品種改良の原材料である。将来、農業が気候変動に適応し水資源とエネルギーの制約に対応していくためには、この作物多様性が中枢の役割を担うことになるだろう。

運営

グローバル作物多様性トラスト(GCDT)の事務局はドイツボンに置かれている。執行理事会の議長はワルター・フスト(Walter Fust、スイス)、副議長はチム・フィッシャー(Tim Fischer、オーストラリア)。資金供与者評議会(Donors’Council)の委員長はバーバラ・コザック(Barbara Kosak、ドイツ)。これまでに、1億7千万ドル相当の作物トラスト基金が造成されている。2014年3月現在、基金の90%は14の参加政府の政府開発援助の任意拠出によるもので、最大拠出国は米国、次いでノルウェー英国、オーストラリア、ドイツ、スウェーデンスイス等、エジプトエチオピアインド等、開発途上国も拠出している。残り10%はゲイツ財団デュポンなど民間基金からの寄付金。

事務局長はマリー・ハーガ(Marie Haga, ノルウェー)2013年に事務局長に就任する以前は、ノルウェー中央党党首(2003−2008)、ノルウェー王国文化大臣(1999−2000)、ノルウェー王国地方自治・地域開発大臣(2005−2007)、ノルウェー王国石油・エネルギー大臣(2007−2008)であった。事務局次長はポーラ・ブラメル(Paula Bramel),財務部長はマイケル・コック(Michael Koch)。

援助供与

グローバル作物多様性トラストは設立以来、2006年暮れに作物遺伝資源の長期保全の事業に初めての援助供与を実施して以来、これまで80カ国以上で援助供与を展開してきた。2011年現在、作物トラスト基金を活用して、イネキャッサバ小麦大麦ソラマメトウジンビエトウモロコシ、飼い葉、バナナサトイモ、グラスピー、ソルガムヤムイモ、レンテイル豆といった15の主要穀物の遺伝資源コレクションの永続的な支援を確立した。

2007年には、開発途上国の作物多様性のために優先度の高く、危機にさらされた植物遺伝資源コレクションの救済事業、これらの遺伝資源の保全と利用を改善するための情報システム整備事業を開始している。国際農業研究協議グループのジーンバンクや開発途上国のジーンバンクから、スヴァールバル世界種子貯蔵庫(Svalbard Global Seed Vault)へ、コレクションのバックアップ資源を安全に収蔵する活動も支援している。

2010年には、22の主要穀物の野生種を発掘、収集、目録化、保存する10年計画プログラムに着手して、農業の将来の挑戦に役立つような未利用の作物多様性を追求している。

スヴァールバル世界種子貯蔵庫(Svalbard Global Seed Vault)

グローバル作物多様性トラスト(GCDT)は、ノルウェー王国政府と北欧ジーンバンクと協力して、フェイルセーフ装備のスヴァールバル世界種子貯蔵庫(Svalbard Global Seed Vault、所在:ノルウェーのスヴァールバル)を設立した。戦争、内紛、自然災害といった危機的状況から、また設備故障や管理ミスといった危険から現存のジーンパンクを保護するために、パックアップの遺伝資源を安全に収蔵する施設で、何らかの地球規模の大惨事の際、農業を立て直す手段をもたらすといわれている。 種子などの状態で400万種の農業作物を貯蔵できるように設計されている。

関連項目

外部リンク

https://www.youtube.com/watch?v=BYK11SJzgJk 


「Global Crop Diversity Trust」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「Global Crop Diversity Trust」の関連用語

Global Crop Diversity Trustのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Global Crop Diversity Trustのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのグローバル作物多様性トラスト (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS