GeoEye-1とは? わかりやすく解説

ジオアイ1号

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/12 05:40 UTC 版)

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GeoEye-1 / OrbView-5
Launch of Delta II rocket carrying GeoEye-1 (080906-F-5195D-002).jpg
GeoEye-1を搭載したデルタIIロケットの打ち上げ
所属 DigitalGlobe
主製造業者 General Dynamics
国際標識番号 2008-042A
カタログ番号 33331
状態 運用中
目的 地球観測
設計寿命 7 年
打上げ場所 ヴァンデンバーグ空軍基地
打上げ機 デルタ II
打上げ日時 2008年9月6日
質量 1,955kg
発生電力 3,862W
軌道 太陽同期軌道
近点高度 (hp) 673 km
遠点高度 (ha) 685 km
軌道傾斜角 (i) 98.12度
軌道周期 (P) 98.34分
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ジオアイ1号英語: GeoEye-1)は、ジオアイ社が保有する高解像度の地球観測衛星であり、2008年9月に打上げられた。

歴史

2004年12月1日、ジェネラル・ダイナミクスC4システムズ社は、約2億900万ドルでOrbView 5衛星を製造する契約を結んだと発表した[1]。センサはITT Corporationによって設計された。

現在はジオアイ1号として知られているこの衛星は、当初は2008年4月に打ち上げられる予定だったが、アメリカ政府の計画が遅れたため、30日間の打上げスロットを失うことになり、2008年4月22日にデルタIIロケットでヴァンデンバーグ空軍基地から打ち上げられるように再設定された[2]。さらに遠隔操作を中継するボーイング NC-135英語版が用意できなかったことから[3][4]、2008年9月4日に再び延期されたが、ハリケーン・ハンナ英語版の影響で、結局9月6日になった。

ジオアイ1号は2008年9月6日18時50分57秒UTCに打ち上げられ、58分56秒後の12時49分にデルタIIからの分離に成功した[5]

特性と運用

ジオアイ1号は白黒で41cm、カラーで165cmの解像度を持つ。高度984km、軌道傾斜角98°の太陽同期軌道を周回し、毎朝10時30分に赤道を横切る。ジオアイ1号は天底から60°の範囲を撮影することができる。バージニア州ダレスで運用が行われている。

打上げ時点で、ジオアイ1号は世界で最も高解像度な写真を撮影できる商用衛星となった。ジェネラル・ダイナミクスによってアリゾナ州ギルバートで製造され、カリフォルニア州のヴァンデンバーグ空軍基地から打ち上げられた。最初に撮影した画像は、ペンシルベニア州クツターウン大学の画像で、10月7日に送信された[6]

ロケットの側面にロゴが描かれているGoogleは、この画像を使って排他的にオンライン地図のサービスを提供している。ジオアイ1号は41cmの解像度のデータを得ることができるが、その利用はアメリカ政府に限られている。Googleでは50cmの解像度が使われるが、それまでの商用の最も精細な画像は60cmであった[7]

アメリカ国家地球空間情報局とgoogleは、衛星とジオアイの4台の地上局の更新にどちらも5億200万ドルを支払っている[8]

センサー

  • 高分解能光学画像センサー GeoEye Imaging System (GIS)
  • 観測幅: 15.2 km
  • 分解能: 0.41 m (パンクロ), 1.64 m (マルチバンド)
  • 波長帯: 450-900 nm (パンクロ)
  • 波長帯: 450–510 nm, 520–580 nm, 655–690 nm, 780–920 nm (マルチバンド)

[9]

2009年の故障

2009年12月、ジオアイ社は、ダウンリンクアンテナの不調により、数日間に渡って画像が収集されなかったと発表した。ジオアイ社によると、「不具合によりダウンリンクアンテナの可動範囲が制限され、それによってジオアイ1号の画像撮影、ダウンリンク能力に同時に影響を与えた」ということである[10]

関連項目

出典

  1. ^ General Dynamics to Build Satellite to Improve U.S. Government Access to High-Resolution Earth Imagery”. GD. 2011年2月11日閲覧。
  2. ^ GeoEye-1 Launch Details”. GeoEye. 2008年10月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年2月11日閲覧。
  3. ^ “Restatement Pulls GeoEye's Goals Back Down to Earth”. ワシントンポスト. (2008年8月14日). http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/08/13/AR2008081303851.html 
  4. ^ Justin Ray. “Delta 2 rocket launch of GeoEye craft postponed”. 2008年8月14日閲覧。
  5. ^ Justin Ray. “Delta 2-335 Mission Status Center”. 2008年9月5日閲覧。
  6. ^ Google's Super Satellite Captures First Image” (英語). Wired (2008年10月7日). 2011年2月11日閲覧。
  7. ^ “Google to buy GeoEye satellite imagery” (英語). cnet.com. (2008年8月29日). http://news.cnet.com/8301-1023_3-10028842-93.html 
  8. ^ Wilson Rothman (2010年8月8日). “Google GeoEye-1 Satellite Takes First Pic (Is that Your House?)” (英語). GIZMODO. http://gizmodo.com/5060853/google-geoeye+1-satellite-takes-first-pic-is-that-your-house 
  9. ^ GeoEye-1”. 一般財団法人リモート・センシング技術センター. 2011年2月11日閲覧。
  10. ^ GeoEye says satellite glitch could hit 2010 revenue” (英語). Reuters (2009年12月17日). 2011年2月11日閲覧。

外部リンク


GeoEye-1

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GeoEye」の記事における「GeoEye-1」の解説

詳細は「ジオアイ1号」を参照 ジオアイ1号2008年9月6日太平洋夏時間115057秒に打ち上げられた。衛星打ち上げ5856秒後の午後0時49分にデルタ2号からの分離成功した白黒で41cm、カラーで1.65mの地上分解能有しており、15.2km四方撮影範囲を持つ。高度647km、軌道傾斜角98度の太陽同期軌道回っており、毎朝10時30分赤道横切り天底から60°の範囲撮影することができる。ジェネラル・ダイナミクス発展情報システムによってアリゾナ州製造されバージニア州ハーントンで運用されている。分解能41cmの画像撮影能力は、商用リモートセンシング衛星としては世界高である。

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