DNA修復遺伝子プロモーター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/15 15:00 UTC 版)
「ETS1」の記事における「DNA修復遺伝子プロモーター」の解説
DNA修復タンパク質PARP1(英語版)のmRNAとタンパク質のレベルはETS1の発現レベルによって部分的に制御されており、ETS1はPARP1のプロモーター領域の複数の結合部位と相互作用する。ETS1がPARP1プロモーター上の結合部位にどの程度できるかは、結合部位のCpGアイランドのメチル化状態に依存している。結合部位のCpGアイランドが低メチル化状態である場合、PARP1の発現レベルは上昇する。100歳以上の高齢者ではPARP1の恒常的な発現レベルは高く、より効率的にDNA修復が行われることがその長寿に寄与していると考えられている。こうしたPARP1の発現レベルの上昇は、PARP1の発現のエピジェネティックな制御の変化によるものであると考えられている。 ETS1の発現の増加は、DNA修復遺伝子MUTYH(英語版)、BARD1(英語版)、ERCC1(英語版)、XPA(英語版)など約50の標的遺伝子の発現を上昇させる。ETS1の発現の増加はシスプラチンによる細胞死に対する抵抗性を引き起こすが、その抵抗性の一部はDNA修復遺伝子の発現の上昇によるものであると考えられている。
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