DCCによるペプチドカップリングの促進
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/04/24 02:23 UTC 版)
「N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド」の記事における「DCCによるペプチドカップリングの促進」の解説
例えば9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基(Fmoc基)を利用したペプチド固相合成法のようなタンパク質合成において、N末端はしばしばアミノ酸モノマーを導入する際の結合点として用いられる。カルボキシレート基の求電子性を高めるために、マイナス電荷を持った酸素原子は初めによりよい脱離基へと「活性化」されなければならず、その目的のためにDCCが用いられる。マイナス電荷を持った酸素原子は求核剤として働き、DCCのカルボジイミド基の中心に位置する炭素を求核攻撃する。DCCは一時的にカルボキシレート基に付加して非常に求電子性の高い中間体を形成し、ペプチド結合の成長におけるN末端による求核攻撃がより効果的となる。 このようなDCCによるペプチド結合の形成は広く汎用的に用いられる手法であるが、副生するジシクロヘキシル尿素を反応系から除去する操作が困難である場合が多い。そのため、DCCに代わる副生物の除去が容易な縮合剤が開発されており、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N'-エチルカルボジイミド (EDC)のような水溶性カルボジイミドが普及している。
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