Conocephalum conicum (L.とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > Conocephalum conicum (L.の意味・解説 

ジャゴケ

(Conocephalum conicum (L. から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/05/23 17:19 UTC 版)

ジャゴケ
ジャゴケ
分類
: 植物界 Plantae
: ゼニゴケ植物門 Marchantiophyta
: ゼニゴケ綱 Marchantiopsida
: ゼニゴケ目 Marchantiales
: ジャゴケ科 Conocephalaceae
: ジャゴケ属 Conocephalum
: ジャゴケ C. conicum
学名
Conocephalum conicum
(L.) Dum.

ジャゴケConocephalum conicum (L.) Dum.)は、ゼニゴケ目ジャゴケ科に属する苔類のひとつ。表面がを並べたように見えるのが特徴である。

目次

概要

平たい葉状体をもつ苔類である。ゼニゴケ類は似た姿のものが多く、判別が難しいが、この種はその表面の模様がはっきりしており、類似種が少ないため、判別しやすいものである。和名は蛇苔の意で、その葉状体の表面が鱗を並べたように見えるのを、ヘビの体表に見立てたものである。

様々な場所に広く見られる。普通のゼニゴケより大柄でてかてかしており、遠目にも独特である。他方、ほとんど柄を持たない雄器托、成熟時に急に伸びる雌器托など、ゼニゴケ類とは異なった特徴も多い。広範囲に分布するものを同一種と判断しているが、細分すべきとの判断もあるらしい。

特徴

扁平な葉状体を作る苔類[1]。葉状体は幅1-2cm、長さは3-15cm、頻繁に二叉分枝をして、折り重なるように密な群落となって基質表面を覆う。背面は強いつやがあって緑色、古い部分は深緑で、時に赤みを帯びる。さわるとかなりごわごわと硬い。その表面は網状のわずかな溝で蜂の巣状に区切られている。この区切りは中軸上では縦長に細長く、周辺ではより幅広い。この区切りは気室の区切りにあたるもので、それぞれの中央には気室孔がある。溝の部分は色も周囲より濃いので、はっきりと見える。新芽が出るときはその基部は大きくくびれる。

葉状体表面の拡大

気室孔はアーチ型、気室は一層で大きく、その底面からは細胞列が多数立ち上がり、これを同化糸という。その名の通りそれらの細胞は緑であるが、先端の細胞は透明でくちばし状になっている。

葉状体の裏面では、その中肋がはっきりとわかる。これは、それに沿って鱗片が並んでいることと、そこに仮根が密生することによる。鱗片は二列、互生して並び、はじめは透明で次第に褐色に色づき、先端には円形で紫を帯びる付属体がある。この列の間から多数の仮根が出て、植物体を固定している。鱗片は、中軸の先端部では表面に回って見えることもあり、その場合、表面の先端部に紫褐色の斑点のように見える。

なお、植物体に含まれる精油の成分のために、手でもむと松葉マツタケの臭いがする[2]

生殖器

無性生殖

無性生殖器官は特にない。ゼニゴケ類では無性芽を特別な構造で作る例が多く、近縁なヒメジャゴケも無性芽を作るが、本種はそのようなものを生じない。もちろん葉状体が分かれて増えることはあるが、それだけである。

有性生殖

有性生殖については、雌雄異体で、雄は雄器托、雌は雌器托を作る。それらは葉状体の先端に作られる。

雄器托は無柄で、葉状体の表面に乗ったような形で作られる。楕円形で、やや盛り上がり、表面には細かな凹凸がある。

雌器托は円錐形で、秋に形成されるが、春早くに成熟して、この時に長い柄を伸ばして立ち上がり、キノコのような姿となる。柄は白くて透明感があり、みずみずしい。その側面に一本の溝がある。先端の雌器托は褐色、円錐形で先端は鈍く尖り、すぼめた傘のような形をしている。その傘の内側からは成熟したさく(胞子嚢)のほぼ全体がはみ出す。さくは楕円形で真っ黒く表面は滑らか、先端側から数個に裂け、中から胞子と弾糸が見えるようになる。

胞子は径70-90μm、褐色から緑色を帯び、球形で表面には大小二形の小突起が密生する。弾糸は短め、太さは様々で3-5本の螺旋模様が入る。なお、弾糸の螺旋は一般に左巻きであるが、ジャゴケのものは多くが左巻きながら少し右巻きのものが混じる。これは後述のヒメジャゴケと共に、苔類中の例外とされている[3]

また、雌器托が胞子の成熟時に急に伸びるのはゼニゴケ目では例外的で、普通ははじめから柄が伸びて、そこで受精も行われる。またゼニゴケ科では雄器托も柄がある。ちなみに他の苔類では雌器托でなく、さくそのものの柄が、やはり胞子の成熟時に一時的に伸びるが、すぐにしおれる。

生育環境

湿ったところに生える。きれいな小流のわきの岩の上、と言ったところによく見かける。人家周辺でも見られ、また平地から亜高山帯にまで見られる。

分布

日本全国に分布し、国外では北半球に広く分布する。

利害

直接的な利害はない。庭園などではコケを愛でる例もあるが、本種を含むゼニゴケ類は総じて可愛くないので嫌われる[要出典]

分類

この種は日本のみならず広い範囲で見られるが、それらを同一種と見なすかどうかには議論もあるらしい。現時点では普通は一種と見なされている。日本では同じ属にもう1種、ヒメジャゴケ (C. japonicum (Thunb.) Grolle) がある。特徴はジャゴケに似るが、葉状体の幅が2-3mmとはるかに小さいことや、薄手で光沢がなく、柔らかく見えるなどの違いがある。秋になるとその縁に沿って多数の無性芽を生じ、そのために縁がフリルのようになる。ジャゴケ以上に普通種で、都市部にも出現し、日本全国、東アジアからヒマラヤにかけて分布する。

出典

  1. ^ 以下、特徴等は主として岩月・安藤(1972)による
  2. ^ 古木(1997)、p.142
  3. ^ 岩月(2001)、p.28

参考文献

  • 岩月善之助・安藤美穂子『原色日本蘚苔類図鑑』(1972年、保育社)
  • 岩月善之助編『日本の野生植物 コケ』(2001年、平凡社)
  • 牧野富太郎『牧野 新日本植物図鑑』、(1961年、北隆館)
  • 中村俊彦・古木達郎・原田浩『野外観察ハンドブック 校庭のコケ』、(2002年、全国農村教育協会)
  • 古木達郎「タイ類」、『朝日百科 植物の世界 第12巻』(1997年、朝日新聞社)



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「Conocephalum conicum (L.」の関連用語

Conocephalum conicum (L.のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Conocephalum conicum (L.のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのジャゴケ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS