AN/USQ-20とは? わかりやすく解説

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AN/USQ-20

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/29 03:25 UTC 版)

AN/USQ-20の筐体。

AN/USQ-20は、アメリカ海軍コンピュータ・システム[1]UNIVAC(後のユニシス)のCP-642コンピュータを中核として、制御コンソールテープドライブなどを連接したものである[2]

概要

海軍戦術情報システム(NTDS)は、開発段階では表面障壁トランジスタを用いたAN/USQ-17英語版コンピュータを使用していたが、艦上試験以前の1959年の時点で、既に性能不足が指摘されていた[3]。この課題に対し、UNIVAC社は、プレーナー型トランジスタを用いたコンピュータであれば大幅な改善が見込めると提案し、他にも多くの大型プロジェクトを抱えていたにもかかわらず、わずか9か月半で完全に新しいコンピュータの設計を完成させた[3]。これによって開発されたのがCP-642である[3]

USQ-17と同様に30ビット英語版プロセッサを用いているが、スループットは倍増し、約100 kIPSとなった[3]命令のレパートリーは62個であった[2]主記憶装置としては磁気コアメモリが採用され、メモリサイズは32キロワード、サイクルタイムは、初期モデルであるCP-642Aコンピュータでは8マイクロ秒であったが、CP-642Bコンピュータでは2-3マイクロ秒に短縮された[2]筐体のサイズは高さ1.83メートル×幅0.97メートル×奥行き0.94メートルであった[2]

CP-642は1961年より運用を開始し、初期のNTDSの主計算機として用いられた[2]。その後、1962年には改良型のCP-642Bが登場し、こちらも広く用いられたが[2]1969年に後継機であるAN/UYK-7が登場すると[4]、以後に開発されたシステムではこちらが用いられるようになり、順次に代替されていった[1]

採用国と搭載艦

脚注

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注釈

  1. ^ 「はるな」の近代化改修に伴い搭載されたOYQ-6-2でもCP-642Bが用いられたという説もある[9]

出典

  1. ^ a b 海人社 2002.
  2. ^ a b c d e f g h i j Friedman 1997, pp. 54–55.
  3. ^ a b c d Boslaugh 2021.
  4. ^ Friedman 1997, pp. 56–58.
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m Boslaugh 2003, p. 373.
  6. ^ a b Friedman 1997, pp. 87–88.
  7. ^ 香田 2015, pp. 112–117.
  8. ^ 香田 2015, pp. 134–143.
  9. ^ Friedman 1997, p. 90.
  10. ^ Friedman 1997, p. 84.

参考文献




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