AADDシリーズとは? わかりやすく解説

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AADDシリーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/22 14:49 UTC 版)

AADDシリーズ』は、林譲治によるSF小説シリーズである。1999年の雑誌掲載で開始し、単行本は『ウロボロスの波動』『ストリンガーの沈黙』『ファントマは哭く』の3冊が既刊。22世紀太陽系を舞台とし、異質な知性とのコミュニケーションがテーマとなっている。

あらすじ

2100年太陽系近傍にブラックホールカーリーが発見された。カーリーに人工降着円盤 (AAD) を作りエネルギー資源として利用すべく、人工降着円盤開発事業団 (AADD) が設立された。AADDはプロジェクト駆動型の、地球圏とは異質な社会システムを構築し、地球人類と対立・さらには圧倒していった。

そうした中、地球外知的生命体ストリンガー(コズミックストリングを使うことからそう名づけられた)とのファーストコンタクトが始まった。彼らは、重力波観測で太陽系内に超対称性粒子生命SEを発見し、太陽系を訪れたのだった。

既刊

単行本

いずれも早川書房 ハヤカワSFシリーズ Jコレクション、文庫はハヤカワ文庫JA。

  1. 『ウロボロスの波動』2002年7月 ISBN 4-15-208430-8 (文庫: 2009年10月 ISBN 4-15-030815-2
    連作短編集(「ウロボロスの波動」「小惑星ラプシヌプルクルの謎」「ヒドラ氷穴」「エウロパの龍」「エインガナの声」「キャリバンの翼」)
  2. 『ストリンガーの沈黙』2005年11月 ISBN 4-15-208678-5、長編
  3. 『ファントマは哭く』2009年10月 ISBN 978-4-15-209078-2、長編

雑誌掲載短編

掲載誌は全て『SFマガジン』。『ウロボロスの波動』「エインガナの声」は単行本書き下ろし

  1. 「エウロパの龍」1999年5月号、『ウロボロスの波動』収録、アンソロジー『日本SF名作集成 5 暗黒宇宙の謎』(2005年4月)再録
  2. 「小惑星ラプシヌプルクルの災厄」1999年10月号、改題し『ウロボロスの波動』収録
  3. 「ウロボロスの波動」2000年2・3月号(前後編)、『ウロボロスの波動』収録
  4. 「ヒドラ氷穴」2000年8月号、『ウロボロスの波動』収録
  5. 「キャリバンの翼」2001年2月号、『ウロボロスの波動』収録
  6. 「バンシーとの邂逅」2001年9月号、単行本未収録
  7. 「ラーフは月夜に飛ぶ」2003年4月号、単行本未収録
  8. 「イジュティハードの門」2004年7月号、単行本未収録
  9. 「大使の孤独」2007年4月号、アンソロジー『虚構機関 年刊日本SF傑作選』(2009年6月)収録、加筆修正し『ファントマは哭く』「プロローグ 大使の真実」として再録(書き下ろし扱い)
  10. 「古の軛」2010年2月号、単行本未収録

年表

  • 2100年 カーリー発見(「ウロボロスの波動」)
  • 2120年 AADD設立(「ウロボロスの波動」)
  • 2123年 「ウロボロスの波動」
  • 2144年 「小惑星ラプシヌプルクルの謎」
  • 2145年 「ヒドラ氷穴」
  • 2146年 「キャリバンの翼」1
  • 2149年 「エウロパの龍」
  • 2151年 「キャリバンの翼」2
  • 2163年 「エインガナの声」
  • 2164年 「キャリバンの翼」3
  • 2171年 「キャリバンの翼」4
  • 2181年 『ストリンガーの沈黙』
  • 2186年 「大使の孤独」・『ファントマは哭く』「プロローグ 大使の真実」
  • 2187年 四月事件(『ファントマは哭く』)
  • 2189年 『ファントマは哭く』本編

受賞等

  • 『ウロボロスの波動』 ベストSF2002 国内篇6位
  • 『ストリンガーの沈黙』 ベストSF2006 国内篇8位
  • 『ファントマは哭く』 ベストSF2010 国内篇17位




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