A Little Princessとは? わかりやすく解説

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しょうこうじょ〔セウコウヂヨ〕【小公女】

読み方:しょうこうじょ

原題A Little Princess》バーネット児童小説1888年刊。寄宿学校で学ぶ少女セーラ父の死破産にあい、はじめての世間冷たさ直面しながらも謙虚誠実な生き方貫いて、父の友人に見い出される


小公女

(A Little Princess から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/01/05 14:12 UTC 版)

小公女
A Little Princess 初版本の表紙
編集者 チャールズ・スクリブナーズ・サンズ (US)
フレデリック・ウォーン (UK)
著者 フランシス・ホジソン・バーネット
レジナルド・バサースト・バーチ (1888, 1938)
エセル・フランクリン・ベッツ (US, 1905)
ハロルド・H・ピファード (UK, 1905)
アメリカ合衆国
イギリス
言語 (英語)
ジャンル 児童向けフィクション、小説
出版日 1887年12月 - 1888年2月 (連載)
1888年2月29日(中編小説)
1905年9月30日 (長編小説)
文章 小公女 - Wikisource
A Little Un-fairy Princess
脚本 フランシス・ホジソン・バーネット
初演日 1902年12月20日
オリジナル言語 英語

小公女』(しょうこうじょ、A Little Princess)は、アメリカ小説家フランシス・ホジソン・バーネットによる、児童文学作品の一つ。

雑誌「セントニコラス」に連載された。連載終了後、1888年に "Sara Crewe, or What Happened at Miss Minchin's"(セーラ・クルー、またはミンチン学院で何が起きたか)という題で発表されたが、舞台化の成功と読者からの投書に応じて大幅加筆された再版分(1905年)からは "A Little Princess" の題名で発行されている。

1893年、若松賤子による「セイラ・クルーの話」という題名で雑誌『少年園』において連載が行なわれた。日本での紹介はこれが初となるが、この連載は若松の死により中断され、未完のままである。また、1905年の小説は、藤井繁一の翻訳により、1910年に聚精堂から日本で初めて出版された[1]

ストーリー

設定はヴィクトリア朝末期のイギリスである。セーラ・クルーは、英領であったインドで資産家の父ラルフ・クルーとともに暮らしていたが、7歳の頃、父の故郷イギリスのロンドンにあるミンチン女子学院に入学する(当時、インドに住むイギリス国籍の子供は、その年頃になると勉学のために帰国し、寄宿舎に入る習わしがあった)。父の要望もあり、特別寄宿生となったセーラであるが、素封家の出であることを鼻に掛けることもなく聡明で心優しい性格で、たちまち人気者になる。

10歳の頃、父はインドで友人であるクリスフォードとともにダイヤモンド鉱山の事業を開始。学院の経営者であるマリア・ミンチン院長は、多額の寄付金を目当てにセーラの11歳の誕生日を盛大に祝うことを計画する。

しかし、誕生日のパーティーの最中に父親の訃報と事業破綻の知らせが届く。ミンチン院長は、それまでの出資金、学費などを回収できなくなったとし、セーラの持ち物を差し押さえた上で、屋根裏部屋住まいの使用人として働くように命じ、セーラの生活は一変した。突如訪れた不幸と、不慣れな貧しい暮らしの中でも「公女様(プリンセス)のつもり」で、気高さと優しさを失わずに日々を過ごすセーラ。

ある日、窓から迷い込んできた猿を届けにいったことから、飼い主の富豪こそが父の親友であり、父の事業の成功を告げ、遺産を渡そうとセーラを捜し求めていたことが判明する。セーラは隣の家に引き取られ、貧しかったときに苦労をともにしたベッキーも一緒に引き取り、幸せに暮らした。

登場人物

セーラ・クルー(セエラ・クルウ)
主人公の少女。物語開始当時は7歳。物心がつく前に亡くなった母はフランス人であったが、国籍は父同様にイギリスとなる。心優しい性格であるが、芯の強さも合わせ持ち、父の死によって周囲から冷遇されるようになってからも気高さを失わなかった。日常の使用言語は英語であるが、フランス語も流暢である(ヒンディー語は挨拶程度)。出版社によってサラ、セアラ、サアラと表記されているものも存在する。
ラルフ・クルー(クルー大尉、ラルフ・クルウ)
セーラの父でイギリス人。やや娘に甘い面がみられる。妻の母国の言葉を好んだため、妻を亡くした後もセーラにフランス語で話しかけた。セーラをイギリスに送り届けた数年後、クリスフォードの勧めでダイヤモンド鉱山の事業に着手するが、インドの山小屋で病死。この時点では事業に失敗し、無一文であると伝えられたが、死後に事業が成功。破産が取り消される。
マリア・ミンチン院長(ミンチン女史)
セーラが入学した寄宿学校の院長。強欲で高慢な性格で、生徒の保護者から学院に支払われる寄付金の額を全ての基準にしている。のちにダイヤモンド鉱山の成功を知って、セーラを学院に戻そうとするが、突っぱねられ逆上した。細身で背が高く冷淡な印象を持つ。
アメリア・ミンチン(アメリア嬢)
マリア院長の妹。気立ては良いが、気が利かない。不平不満が多いが、姉を恐れて何もできずにいる。しかし、後に姉に対してヒステリーを炸裂させた。やや太めと設定されている。
ベッキー(レベッカ、ベッキイ)
ミンチン女学院の使用人。セーラの入学から2年が経った頃にミンチン女学院で働き始める。身寄りがなく、学院に来る前は邪険な性格のおばに育てられていた。初登場時は14歳。当初は文字の読み書きが苦手であった。セーラより5歳年上で、彼女からの親切に感激。一緒に働くようになった時には、セーラを何かと支え、のちにセーラの希望でクリスフォード家に引き取られる。
アーメンガード・セントジョン(アアミンガアド・セント・ジョン、アーミィ)
セーラと同い年の生徒。父は大学教授で、イライザという叔母がいる。心優しいが臆病。あまり物覚えが良い方ではなく、成績は下の方(叔母と似た面があると父に指摘されている)。少々太めで髪のリボンを噛むのが癖。セーラを慕い、親友となる。
ロッティ・レイ
セーラより3歳年下で、初登場時は4歳。セーラ同様、物心つく前に母親を亡くしている。溺愛されて育ったこともあり、甘えん坊で泣き虫な性格をもてあました父により、学院に入れられてしまう。セーラを母のように慕い、屋根裏部屋まで会いに来たこともある。
ラビニア・ハーバート(ラヴィニア・ハアバアト)
セーラのクラスメイトで、裕福な商人の娘。初登場時は13歳。美少女であるが少々意地悪な面があり、学院の看板生徒の座を奪われたとして、何かとセーラにつっかかる。セーラが貧しくなると嘲るような言動が見られ、アーメンガードが屋根裏部屋へお菓子を届けたことを院長に密告している。
ジェシー(ジェッシイ)
セーラのクラスメイト。セーラの持ち物などを見て感嘆した。ラビニアとよく行動をともにする腰巾着的存在で、セーラからは好かれてないが性格は悪い方ではなく、セーラに嫌がらせをするラビニアに対して不快感を抱き、注意をしたことがある。ラストでセーラのことを「あの人には何か変わった事が起きると思っていた。だってあの人自身がとても変わっているんですもの」と発言。
ガートルード
セーラのクラスメイト。名前のみの登場。
アンヌ(アン)
セーラが買い物の途中、街頭で出会った浮浪児。身寄りがなく、のちにブラウン夫人(後述)に引き取られ、働き始める。
ブラウン夫人
セーラが立ち寄ったパン屋の店主。セーラにパンをおまけしている。のちにアンヌを住み込みの店員として雇う。
トム・カリスフォード(カリスフォド氏)
セーラの父・ラルフの親友で旧知の仲。ラルフの死の直前、事業に失敗したと思い込み、自身が熱病に罹ったこともあり、山から逃げ出している。事業成功後、預かった財産を届けようとセーラを探し続けていた。独身で天涯孤独ということもあり、自身の財産を継がせるとしてセーラの身元を引き受け、保護者になる。
バロー・アンド・スキップワース
ロンドンで事務所を開業している弁護士で、ラルフから代理人を依頼されていた。セーラの11歳の誕生日に学院を訪れ、ラルフの死と破産、自身も相当な金額が未回収となっていると院長に告げて帰ってゆく。小柄で骨張った体つきで、愛想のない性格。
カーマイクル
学院の近くに住んでいる弁護士(セーラから「大きい家」と名付けられた家)。既婚者でドナルドとジャネットを始め、大勢の子供がいる。クリスフォードの顧問弁護士として長い間、セーラを探して回っていた。
ラムダス
クリスフォード家に住み込みで働いているインド人。逃げ出した猿がきっかけでセーラと知り合う。クリスフォードの依頼で、身軽さを活かしてセーラに様々な物を届けた。
ドナルド
カーマイクルの息子。セーラを物乞いと思い違えて施しをしたことを、姉たちから叱責される。のちにセーラに謝罪し、親しくなる。
マリエット
セーラの専属メイドとして学院に住み込んでいたフランス人女性。セーラの礼儀正しさと風変わりな面に好意を持つ。ベッキーの身の上話をセーラに話して聞かせたこともある。ラルフの破産により、セーラの誕生日の翌日に解雇される。

出版

"Sara Crewe: or, What Happened at Miss Minchin's" は、1887年12月から1888年2月にかけて、雑誌「セント・ニコラス」に全3回で連載され、挿絵はレジナルド・バサースト・バーチが担当した。その後、1888年2月29日にチャールズ・スクリブナーズ・サンズ単行本として刊行された[2]

物語の筋は1905年刊行の長編小説版と本質的には同一であるが、描写ははるかに簡略である。いくつかの登場人物はごく簡単に言及されるのみ、あるいは完全に省略されており、特にベッキーはまったく登場しない。寄宿学校の生徒たちは一つの集団として扱われ、名前が挙げられるのはアーメンガードのみである。セーラが彼女と関わる場面も、本を借りるために接する程度にとどまる。「大きい家」の子どもたちは名前を与えられず、セーラが遠くから観察する存在として描かれる。また、父親とカリスフォード氏との関係は物語の後半まで明かされない。ラムダスは登場するものの、「ラスカー」としてのみ言及される。長編版に含まれる多くの出来事は、この短編版では描かれていない。クルー大尉の投資については簡単に触れられるだけで、彼は第1章で死亡するため、寄宿生としてのセーラの生活に割かれる分量は少ない。セーラが親切心を示す場面は、アンヌにパンを与える一場面のみである。一方で、短編版にのみ見られ、後の長編小説には含まれない要素も存在する。例えば、下働きとなった後のセーラが図書館に通い、強大な男性によって救われる危機の乙女の物語を読む場面が描かれている。また、カリスフォード氏の病気は肝臓の疾患であると明確に記されている。

"Sara Crewe" 執筆後、バーネットは1902年にこの物語に再び取り組み、三幕からなる戯曲 "A Little Un-fairy Princess" を執筆した。同作は同年にロンドンで上演が開始された。1903年にニューヨークへ移住した後、バーネットは本作の題名を短縮し、ロンドンでは "A Little Princess"、ニューヨークでは "The Little Princess" として上演されるようになった[2]

この舞台作品はブロードウェイで成功を収め、その成功を受けて、バーネットと出版社チャールズ・スクリブナーズ・サンズは物語を拡充し、小説として書き直すことを決定した。小説版は、エセル・フランクリン・ベッツの挿絵を伴い、1905年9月30日にニューヨークで刊行された[3]。同年11月には、ロンドンにおいてフレデリック・ウォーン社(Frederick Warne & Co.)から、ハロルド・H・ピファードの挿絵付きで出版された[4]

他メディアへの展開

映画

原題はいずれも“The Little Princess”。

  • 小公女英語版』(1917年、アメリカ、メアリー・ピックフォード・カンパニー、サイレント、約60分)
監督:マーシャル・ニーラン英語版/出演:メアリー・ピックフォード(セーラ)、ノーマン・ケリー(クルー大尉)、ザス・ピッツ(ベッキー)、キャサリン・グリフィス(ミンチン校長)ほか。
監督:ウォルター・ラング/出演:シャーリー・テンプル(セーラ)、イアン・ハンター(クルー大尉)、メアリー・ナッシュ(ミンチン校長)、シーザー・ロメロ、アーサー・トリーチャー、シビル・ジェーソン(ベッキー)、リチャード・グリーンアニタ・ルイーズほか。
監督:アルフォンソ・クアロン 出演:リーゼル・マシューズ(セーラ)、エレナー・ブロン(ミンチン校長)ほか。

アニメ

まんが世界昔ばなし「小公女セーラ」
TBS系、ダックスインターナショナル制作、1978年10月11日 - 12月27日
世界名作劇場小公女セーラ
フジテレビ系、日本アニメーション制作、1985年1月6日 - 12月29日
名劇としては大ヒット作品。原作よりいじめが過激で、当時の日本の社会問題を反映した内容。登場人物の設定も異なり、一部原作には登場しない人物もいる。また、セーラの性格描写には原作との大きな差異が見られる。主演は島本須美
ハローキティの小公女
(OVA『サンリオ世界名作映画館』シリーズ、1994年7月21日)

テレビドラマ

  • 『小公女』(1986年、イギリス、London Weekend Television、TVドラマ、約160分)
監督:キャロル・ワイズマン 出演:モーリン・リップマン(ミンチン校長)、アメリア・シャンクリー(セーラ)ほか。
「世界名作劇場」版の大ヒットに便乗して日本に輸入され、日本語吹替版が製作されて日本クラウンにてVHSソフトが発売された。
日本語版制作:テレシス 演出:山田悦司 出演:島本須美藤波京子潘恵子大塚芳忠井上瑤山田栄子佐久間レイ勝生真沙子西村知道
舞台を現在の日本に置き換えており、登場人物も日本人名に置き換えている。原作とは異なり、全寮制の女子高等学校が舞台となっているため、一部では登場人物の設定が異なる。主演は志田未来

漫画

  • 『小公女』
マンガ:内田マリ子(集英社、なかよし、1956年ごろ)[5]
  • 『小公女』(集英社、少女漫画文庫2 1959年1月発行)[6]
マンガ:高井研一郎
  • 『小公女』(講談社、なかよし増刊 1961年1月15日発行お正月増刊号付録)[7][8]
マンガ:古城武司
マンガ:志村みどり
マンガ:高瀬直子
  • 『小公女』
マンガ:わたなべまさこ毎日小学生新聞 1981年1/5 - 7/10断続連載 / ホーム社わたなべまさこ名作集、1996年[12]
マンガ:布袋あずき 構成:ミハラテツヤ
マンガ:風町ふく
セーラが現代からの転生者であるという設定が加えられている。
コミックス:全3巻(電子書籍)[17]

近年刊の訳書

以下は児童出版

脚注

  1. ^ 小公女 | NDLサーチ | 国立国会図書館”. 国立国会図書館サーチ(NDLサーチ). 2025年7月31日閲覧。
  2. ^ a b Thwaite, Ann (1974). Waiting for the party; the life of Frances Hodgson Burnett, 1849-1924. Internet Archive. New York, Scribner. pp. 12, 105, 204, 253. ISBN 978-0-684-13989-0. https://archive.org/details/waitingforpartyl0000thwa/page/12/mode/2up 
  3. ^ New Fall Books」『ニューヨーク・タイムズ』1905年9月30日、647頁。
  4. ^ “Publications of the Week”. スペクテイター: p. 873. (1905年11月25日). https://archive.org/details/sim_spectator-uk_1905-11-25_95_4039/page/872/mode/2up 
  5. ^ くだん書房:目録:マンガ:雑誌:集英社:りぼん”. www.kudan.jp. 2025年3月6日閲覧。
  6. ^ くだん書房:目録:マンガ:た行”. www.kudan.jp. 2025年3月5日閲覧。
  7. ^ 「ああ無情・小公女」1961(S36)01.15ふろく”. ekizo.mandarake.co.jp. 2024年7月10日閲覧。
  8. ^ 東京都古書籍商業協同組合『【雑誌付録】ああ無情/小公女 難あり なかよし 昭和36年お正月増刊号ふろく/山田えいじ / じゃんくまうす / 古本、中古本、古書籍の通販は「日本の古本屋」https://www.kosho.or.jp/products/detail.php?product_id=558266078 
  9. ^ 小学一年生 28(12) | NDLサーチ | 国立国会図書館”. 国立国会図書館サーチ(NDLサーチ). 2025年3月5日閲覧。
  10. ^ 小学三年生 35(6) | NDLサーチ | 国立国会図書館”. 国立国会図書館サーチ(NDLサーチ). 2025年3月6日閲覧。
  11. ^ 小学三年生 35(7) | NDLサーチ | 国立国会図書館”. 国立国会図書館サーチ(NDLサーチ). 2025年3月6日閲覧。
  12. ^ 小公女 (わたなべまさこ名作集) | NDLサーチ | 国立国会図書館”. 国立国会図書館サーチ(NDLサーチ). 2025年3月6日閲覧。
  13. ^ 小公女 (マンガジュニア名作シリーズ) | NDLサーチ | 国立国会図書館”. 国立国会図書館サーチ(NDLサーチ). 2025年3月5日閲覧。
  14. ^ マンガジュニア名作シリーズ『小公女』”. 学研出版サイト. 2025年3月5日閲覧。
  15. ^ Inc, Natasha. “転生したら名作の中でしたシリーズ第2弾「小公女」週刊漫画TIMESでスタート”. コミックナタリー. 2024年7月10日閲覧。
  16. ^ 週刊漫画TIMES 2023年10/20・27合併号”. 電子書籍 | BOOK☆WALKER. 2024年7月10日閲覧。
  17. ^ 転生したら名作の中でしたシリーズ 小公女”. NTTソルマーレ. 2024年7月10日閲覧。

関連項目

外部リンク


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