3He-4He希釈冷凍法の量子論的原理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/16 19:16 UTC 版)
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ヘリウムには、3Heと4Heが同位体として存在しており、自然界では4Heが主体である。3Heはフェルミ粒子であり、4Heはボース粒子である。4Heは極低温で超流動を起こす。 3Heと4Heの混合液は 6999870000000000000♠0.87 K 以下で「多くの4Heの中に少しの3Heが混ざった希薄相(D相)」と「ほとんどが3Heの濃厚相(C相)」とに相分離する。3He-4He希釈冷凍機で最も低温になる部分は混合器(mixing chamber)と呼ばれ、その中では図のように2相が接している。図でD相につながっているパイプの先は分溜器(still)とよばれる内部に熱交換器を持った部分につながっており、そこは約 6999800000000000000♠0.8 K に保たれている。6999800000000000000♠0.8 K においては4Heの蒸気圧はほぼ0だが、3Heの蒸気圧は有限であるため、3Heを選択的に蒸発させることが出来る。するとD相の3He濃度が平衡状態より低くなり、3HeはC相からD相へ溶解する。このときC相とD相の間のエントロピー差を利用することによって混合液から熱を奪うことができるのである。このような操作により6998100000000000000♠10 mK 程度の極低温を連続的に生成することが可能である。
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