1つ目の物語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/29 06:51 UTC 版)
1つ目の物語では、嵐神プルリヤシュとイルルヤンカシュが争った時、イルルヤンカシュの強大な力の前に天候神である嵐神は敗れ去る。そこで風と大気の神である女神イナラシュ(イナラ(英語版))に助力を求めた。 イナラシュは盛大な酒宴を開き、イルルヤンカシュを招き、イルルヤンカシュを泥酔状態にした。それだけでは暗殺成功には不十分と考えた女神は人間の中から男を選び「泥酔して動けなくなったイルルヤンカシュを縛るのにはぜひとも人間の力が欲しい」と願い出た。その人間とはフパシヤシュという名の男であった。フパシヤシュは女神イナラシュと一夜を共にすることを条件に協力を願い、イナラシュはその条件を承諾した。女神と一夜を共にし己の欲望を満たし、しかも女神と交わったことによって神の力まで得たフパシヤシュは命令どおりイルルヤンカシュを縛り上げた。その後、嵐神によりイルルヤンカシュは殺されることになった。 しかし、フパシヤシュは役目を果たしたにもかかわらず、女神が彼のために用意した家に軟禁される。しかも女神が人間界にいるときは窓を開けてはならないという規則まで設けた。フパシヤシュが自分の妻子を見たら里心がつくからだと女神は言った。女神と交わり、イルルヤンカシュを捕えたフパシヤシュはもう人の世に戻ることが許されない身となっていた。しかし女神の居ない間にフパシヤシュは窓を開けてしまった。そして、故郷を見下ろしたフパシヤシュは故郷に戻りたい気持ちになった。家に帰ってきた女神イナラシュは、帰郷を願い出たフパシヤシュに対して怒り、彼を殺した。
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