鹿の子遺跡
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/19 08:02 UTC 版)
鹿の子遺跡(かのこいせき)は、茨城県石岡市鹿の子にある古代の常陸国衙関連の遺跡。
なお、遺跡を3つに分け、それぞれを鹿の子A遺跡・鹿の子B遺跡・鹿の子C遺跡と呼ぶ場合もあるが、あくまでも後年実施された発掘調査上の都合で付けられたものである。
概要
常陸国の国分尼寺跡から北に300mの位置にあり、常磐自動車道の工事に関連して1984年から3年間かけて茨城県調査財団によって発掘調査が実施された。
10万平方メートルを超える規模の遺跡からは奈良時代後期から平安時代前期、恐らくは蝦夷征討などの軍事活動に関連して設置されたとみられる工房およびそれに関連した竪穴式建物・掘立式建物などの遺構・遺物などが確認された。発掘された遺物は土師器・須恵器・瓦を始め、ふいごの羽口や砥石などの工具、武器や農具、工具に用いられた鉄製品や銅製品などが代表的なものであるが、C遺跡からは漆紙文書も発見されている。漆紙文書の中には計帳や調帳などの行政文書や延暦9年(780年)の具注暦の一部なども含まれている。
参考文献
- 志田諄一「鹿の子遺跡」『国史大辞典 15』(吉川弘文館 1996年) ISBN 978-4-642-00515-9
- 川崎純徳「鹿ノ子遺跡」『茨城県大百科事典』(茨城新聞社 1981年)
- 狩野久「鹿の子遺跡」『日本歴史大事典 1』(小学館 2000年) ISBN 978-4-09-523001-6
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