首都警察 (イギリス)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/12/09 21:28 UTC 版)
首都警察(しゅとけいさつ、英称:Metropolitan Police Service、略称:MPS)は、イギリスの首都ロンドン市内で、シティ・オブ・ロンドンを除くグレーター・ロンドンを管轄する警察組織である(なお、シティ・オブ・ロンドンはロンドン市警察の管轄である)。1829年創設。
単にMetropolitan Policeやthe Metと呼ばれたり、MP、MPSなどと略記されることもある。スコットランドヤードの愛称で知られ、特に日本ではロンドン警視庁とも訳される。
ロンドン市内に140の警察署を置いている[1]。
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管轄区域と他の警察
首都警察の管轄する区域は首都警察管区 (Metropolitan Police District; MPD) として知られ、その区域はシティ・オブ・ロンドンを除く、グレーター・ロンドンを構成している32のロンドン特別区全域に及ぶ。
2000年4月1日以前、グレーター・ロンドンの境界が確定する前は、MPDにはサリー州、ハートフォードシャー州、エセックス州の一部も含まれていた。
その他、ロンドン市内には首都警察以外にも様々な警察が活動している。
ロンドン市警察が約1マイル四方のシティ・オブ・ロンドンを管轄しているほか、イギリス鉄道警察はロンドン地下鉄やトラムリンク、ドックランズ・ライト・レイルウェイなどのイギリス鉄道網を管轄し[2]、国防省警察もロンドンの国防省本庁舎をはじめとするイギリス国内にあるイギリス軍の基地や軍所有地を管轄している[3]。
グレーター・ロンドン内の王立公園の警察業務を管轄していた王立公園警察も、2004年4月1日に首都警察に吸収合併された。キューガーデンの警備にあたるキュー公園警察、同じくハムステッドヒースのハムステッドヒース警察など、数少ないながらも今でも公園警察が残されているところもあるが、万一公園内で凶悪犯罪や重大な事件が発生した場合は、首都警察がそれらの事件を担当する。
歴史
首都警察は1829年9月29日に設立され、当時首都警察の構想を打ち出した内務大臣ロバート・ピールに因んで、警察官は親しみをこめて“ボビー”や“ピーラー”と呼ばれた。本部は4階建て[4]で、政治の中枢であるホワイトホールのホワイトホール・プレイス4番地に置かれ、裏口はグレート・スコットランドヤードに面していた。こうして、スコットランドヤードの名が首都警察本部庁舎、さらには首都警察そのものを指す愛称として、市民の間に広まっていった。イギリスの首都警察は、グラスゴー市警察とパリ警視庁に次いで、世界で3番目の非準軍事的な都市警察となった。
体制
(データは2006/2007年度の統計[5]に基づく。)
- 警察官(常勤):31,128人
- 警察職員:14,016人
- 特別巡査:1,741人
- 地域住民警察支援担当官(交通監視員を含む):3,694人
- その他の職員:493人
警察官人員の変遷
- 2007年 — 約31,000人
- 2003年 — 約28,000人[6]
- 2001年 — 約25,000人[7]
- 1984年 — 約27,000人[8]
- 1965年 — 18,016人[9]
- 1952年 — 16,400人[10]
脚注
- ^ MPS Local Information
- ^ http://www.btp.police.uk/
- ^ http://www.modpoliceofficers.co.uk/default.asp
- ^ http://www.e-1day.jp/morning/kurohakubutsukan/070607.html
- ^ Police Performance Assessments 2006/2007
- ^ GLA press release, 11 March 2003
- ^ Hansard, 23 April 2001
- ^ Hansard, 26 February 1996
- ^ The Thin Blue Line, Police Council for Great Britain Staff Side Claim for Undermanning Supplements, 1965
- ^ Report of the Commissioner of Police of the Metropolis for the Year 1952
関連項目
外部リンク
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