飯田商店
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/22 07:45 UTC 版)
飯田商店(いいだしょうてん)は、神奈川県足柄下郡湯河原町に本店を構えるラーメン店。支店も有するが、以下は原則として本店について解説する。
概要
2025年6月時点で、提供されるラーメンの基本メニューはしょうゆらぁ麺・しおらぁ麺・つけ麺の3種。つけ麺はしょうゆ味としお味から選ぶことができる[1]。入店にはWebサイトによる事前予約が必要[2]。
「ラーメンの聖地[3]」「日本一予約の取れないラーメン店[4]」などと呼ばれるほか、提供されるラーメンは「至高の一杯[3]」とも称される。
2025年5月1日時点の食べログでの評価は4.10点で、食べログ登録の日本全国のラーメン店38,782軒の中で1位となっている[5]。
沿革
1977年、神奈川県真鶴町に生まれた飯田将太は和食の料理人を志して東京に行ったのだが、2003年に実家の水産加工食品卸業に多額の借金があることを告げられて、地元に戻り、借金返済のために叔父が営むチェーン系のラーメン店「ガキ大将ラーメン湯河原店」で店長として働くことになった[3][5][6]。
佐野実の「支那そばや」のラーメンに衝撃を受け、自分で作ったスープ、自分が作った麺を提供する店を作りたいという思いが強くなる[3][6][7]。
2010年に開業し、神奈川県相模原市の「69'N'ROLL ONE」に強く影響を受けたラーメンを提供していたが、クオリティが伴っておらず、開業から数年は「町のラーメン屋さん」という感じであり、たまに並びができることもあるが、誰でも待たずに食べられる店であった[7]。客が1人も来店しない日もあったという[3]。
異業種との交流の中で飯田は「ラーメン界はこれでいいのか?」という疑問を抱くようになる[1]。ラーメン界では「当たり前」となっていることが他の業界から見ると異質なことがある[1]。ラーメン店は「(ラーメン)1000円の壁」という言葉もあるが、著名中華料理店では担々麺が一杯3800円で販売されている[1]。飯田は「1000円の壁」は死語にしなければならないと思い、2022年5月にメニューをリニューアルし、食材原価・人件費・光熱費などを考えて販売価格を1600円とした。この価格設定は業界において大きな話題を集めた[1][8]。
TRYラーメン大賞では、2017年から2020年にかけてTRY大賞[9]4連覇を達成し、殿堂入りを果たした[2]。
2021年2月28日には一番弟子の渡邊大介が独立し、東京都青梅市に『Ramen FeeL』を開業。同店もTRYラーメン大賞 2021-2022で新人大賞を受賞するなど高い評価を得ている[10]。
店舗一覧
監修商品
- デニーズ
- セブン-イレブン・ジャパン
- 東洋水産
- 横浜DeNAベイスターズ
- 2024年「すたぁ麺」[24]
- ダイショー
- 2024年「名店監修鍋スープ らぁ麺飯田商店鶏だし醤油味」[25]
出典
- ^ a b c d e 井手隊長 (2025年6月2日). “「安く食べてほしい」に毒されていた…。650円だったラーメンが15年で1800円となった「飯田商店」。変えたのは自分たちの“思い込み“だった”. 東洋経済ONLINE. p. 4. 2025年7月22日閲覧。
- ^ a b 講談社『第21回 業界最高権威 TRYラーメン大賞 2020-2021』66頁
- ^ a b c d e “ラーメン店主 Vol.984 飯田将太”. 情熱大陸 (2018年1月7日). 2025年7月22日閲覧。
- ^ 講談社『第25回 業界最高権威 TRYラーメン大賞 2024-2025』131頁
- ^ a b 井手隊長 (2025年6月2日). “「安く食べてほしい」に毒されていた…。650円だったラーメンが15年で1800円となった「飯田商店」。変えたのは自分たちの“思い込み“だった”. 東洋経済ONLINE. p. 1. 2025年7月22日閲覧。
- ^ a b “ラーメン登龍門2024 審査員発表”. note.com. 新横浜ラーメン博物館 (2024年2月21日). 2025年7月22日閲覧。
- ^ a b 井手隊長 (2025年6月2日). “「安く食べてほしい」に毒されていた…。650円だったラーメンが15年で1800円となった「飯田商店」。変えたのは自分たちの“思い込み“だった”. 東洋経済ONLINE. p. 2. 2025年7月22日閲覧。
- ^ 井手隊長 (2025年6月2日). “「安く食べてほしい」に毒されていた…。650円だったラーメンが15年で1800円となった「飯田商店」。変えたのは自分たちの“思い込み“だった”. 東洋経済ONLINE. p. 3. 2025年7月22日閲覧。
- ^ TRYラーメン大賞で選出する「一都三県の既存店に贈られる最高の賞」。『第21回 業界最高権威 TRYラーメン大賞 2020-2021』2頁より。
- ^ 講談社『第22回 業界最高権威 TRYラーメン大賞 2021-2022』10頁
- ^ “ららぽーと沼津 湯河原 飯田商店”. X. 2025年7月22日閲覧。
- ^ “アクセス|ららぽーと沼津”. 2025年7月22日閲覧。
- ^ a b c 湯野康隆 (2025年5月7日). “デニーズ、飯田商店監修の新作担々麺が5月21日と7月9日に登場”. グルメWatch. 2025年7月22日閲覧。
- ^ 『日本食糧新聞』2025年6月2日。2025年7月22日閲覧。
- ^ 湯野康隆 (2021年10月1日). “セブン-イレブン、2年かけて開発した「飯田商店監修 しょうゆらぁ麺」を神奈川と東京で発売”. グルメWatch. 2025年7月22日閲覧。
- ^ にゃいパパ (2023年2月5日). “ワンコインで買える。セブン‐イレブン 飯田商店監修「金の醤油らぁ麺」を食べてみた。”. Yahoo!ニュース. 2025年7月22日閲覧。
- ^ セブンイレブンに魂を売った男 (2023年11月13日). “実食本音レビュー セブンイレブンの飯田商店・とみ田監修 夢ラーメンがめちゃくちゃ美味い”. Yahoo!ニュース. 2025年7月22日閲覧。
- ^ ネタフル (2024年7月10日). “【セブン】「裏飯田商店」ラーメンの名店の二郎系裏メニューを食べてみたら”. Yahoo!ニュース. 2025年7月22日閲覧。
- ^ ネタフル (2024年12月20日). “【セブン】「飯田商店監修スパイス香る担々麺」有名ラーメン店監修の担々麺を食べてみた!”. Yahoo!ニュース. 2025年7月22日閲覧。
- ^ 『人気ラーメン店「飯田商店」監修の「冷し担々麺」が5月20日(火)から全国で順次発売! ~8種のスパイスが重なりあう風味豊かな味わいの担々麺~』(プレスリリース)セブン-イレブン・ジャパン、2025年5月20日 。2025年7月22日閲覧。
- ^ 『「マルちゃんZUBAAAN! らぁ麺飯田商店監修しょうゆらぁ麺 3食パック」新発売のお知らせ』(プレスリリース)東洋水産、2025年2月12日 。2025年7月22日閲覧。
- ^ 「マルちゃん 「飯田商店」監修 湘南ゴールドの冷し中華(東洋水産)2025年3月1日発売」『日本食糧新聞』2025年3月17日。2025年7月22日閲覧。
- ^ 「マルちゃん ZUBAAAN! <らぁ麺飯田商店監修しょうゆらぁ麺>(東洋水産)2025年3月10日発売」『日本食糧新聞』2025年3月18日。2025年7月22日閲覧。
- ^ 『『らぁ麺 飯田商店』との共同開発「すたぁ麺」販売! | 横浜DeNAベイスターズ』(プレスリリース)横浜DeNAベイスターズ、2024年6月20日 。2025年7月22日閲覧。
- ^ “人気ラーメン店「飯田商店」監修の鍋スープ発売 ダイショー”. カナロコ (2024年7月25日). 2025年7月22日閲覧。
外部リンク
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