電弱相転移
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/19 00:54 UTC 版)
電磁相互作用を媒介するゲージ粒子である光子は質量を持たないが、弱い相互作用を媒介するウィークボソンは約80-90GeVという非常に大きな質量を持つ。このように、低温相においては電弱対称性の自発的破れが起きている。電磁相互作用と弱い相互作用を統一するワインバーグ=サラム理論においては、ウィークボソンの質量生成はヒッグス機構によって記述される。しかし、温度を上げていき、ある転移温度を超えると、ウィークボソンの質量がゼロとなる相へと転移する。このときの秩序変数はヒッグス場の真空期待値である。低温相においては、ヒッグス粒子が真空中に凝縮することで秩序変数は有限の値を持ち、ウィークボソンも質量を持つ。一方、高温相においては、ヒッグス粒子は凝縮せずに秩序変数はゼロとなるため、これに伴いウィークボソンの質量もゼロとなり、電弱対称性が回復する。
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