阿武隈川の伝承
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/17 15:07 UTC 版)
岩沼市の西側に、深山(みやま=千貫山)という山があり、そこには千貫神社があった。この深山と対岸の亘理町の烏鳥屋山(からすとややま)との間で、阿武隈川が大きく蛇行して流れるようになったことについて、次のような伝説がある。 ある日、山の神と川の神が出会った時、山の神は「ここまで山を作ってきたから、もっと北まで延長したい」といい、川の神は「この辺で川を海へと向かわせたい」と言った。お互い一歩も譲らないので、近くの深山という山を早く10周した方の意見に従うということになった。一斉に山の神と川の神が競争を始めたが、7周目に入ったところ、山の神がちょうど深山に咲いていたツツジに目を奪われ、ツツジの根に足を取られ転んでしまった。山の神が転んで遅れを取った間に川の神がどんどん差をつけてしまい勝利したという。 そのため、川の神である安福河伯神社付近から阿武隈川は東に流れを変え、太平洋に向かうように流れていると伝えられている。 この山の神が千貫神社(旧称深山大権現)の祭神の大山祇神であり、川の神は阿武隈川を挟んで対岸の亘理町に鎮座する安福河伯神社の祭神の速秋津比売神であるという。
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