闇将軍
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/14 16:14 UTC 版)
闇将軍(やみしょうぐん)は、政治家などの形態を表す言葉。
概要
闇将軍とされている人物というのは、表向きには長とはなっていないものの、裏で組織の権力を握るということをしている。実質的な支配者のことである[1]。
闇将軍とされた人物
田中角栄
1974年に首相を辞任してからの田中角栄は闇将軍とされていた。後任の三木武夫の時代でも、田中角栄の派閥は最大の派閥で、その主導者の田中角栄の勢力は強く、それは田中が1985年2月に倒れるまで続いていた。田中は1976年7月にロッキード事件で起訴されたのだが、それからの田中も反田中の陣営を倒し、田中が大平内閣と鈴木内閣をつくっていた。次の中曽根内閣は田中曽根内閣といわれた。田中の闇将軍は竹下登の派閥が割れるまで続いていた[2]。田中の没後30年の2023年に闇将軍という田中の功罪の2つの視点で描く演劇が上演される。これは紀伊国屋演劇賞を受賞する[3]。
小沢一郎
民主党幹事長の小沢一郎が闇将軍とされた。小沢は裏から政界を動かしてきたとされた。これは田中角栄以来の闇将軍とされ、この闇将軍の実像に迫らなければ日本の政治の闇は見えてこないとされた[4]。鳩山由紀夫政権を実質的に支配しているとされ、事実上の最高権力者とされていた。鳩山政権が失速していたのは、鳩山が小沢に気兼ねしていたために、官邸主導でのリーダーシップを発揮できていなかったからとされる[5]。The NIGHTでも闇将軍が小沢を表現する言葉とされる[6]。
安倍晋三
安倍晋三が首相を辞めてから安倍は闇将軍であった田中角栄のようになれるとされていた。そのようになれるとするのにも複数の理由があった[7]。安倍は2021年の自民党総裁選で、党役員人事と組閣を通じて、資金、人事権、利益誘導の権限と権力を実質的につかんだとされた。この総裁選は岸田文雄は到底勝者になれるようなものではなかったが、安倍が岸田が勝利する方向へと操作していたとのこと。こうしてできた岸田政権で安倍が闇将軍であったとのこと[8]。
脚注
- ^ デジタル大辞泉. “闇将軍(ヤミショウグン)とは? 意味や使い方”. コトバンク. 2025年9月14日閲覧。
- ^ “第25回 「田中角栄」とは何だったのか”. AERA DIGITAL(アエラデジタル) (2015年3月4日). 2025年9月14日閲覧。
- ^ “田中角栄没後30年…功罪2つの視点で描く舞台「闇の将軍」作・演出の中村ノブアキさんインタビュー|日刊ゲンダイDIGITAL”. 日刊ゲンダイDIGITAL (2023年12月6日). 2025年9月14日閲覧。
- ^ “『闇将軍』既刊・関連作品一覧|講談社”. 講談社「おもしろくて、ためになる」を世界へ. 2025年9月14日閲覧。
- ^ “闇将軍・小沢幹事長の「暴走」 続・失速する鳩山政権 | JBpress (ジェイビープレス)”. JBpress(日本ビジネスプレス). 2025年9月14日閲覧。
- ^ 『カンニング竹山の土曜The NIGHT #106~小沢一郎氏登場!~ | 新しい未来のテレビ | ABEMA』 。2025年9月14日閲覧。
- ^ “「10年後も闇将軍として君臨か」首相を辞めてから活発に動く安倍氏の今後 宴席ではジョークも交え軽快トーク”. PRESIDENT Online(プレジデントオンライン) (2020年11月6日). 2025年9月14日閲覧。
- ^ “「新・闇将軍」安倍晋三の誕生、岸田政権長期化で日本の右傾化が加速するか”. ダイヤモンド・オンライン (2021年10月5日). 2025年9月14日閲覧。
闇将軍と同じ種類の言葉
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