関係国の意図
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/09 03:04 UTC 版)
満州里会議について、形式的な当事国の背後にいたソ連と日本は、それぞれ異なった思惑を有していた。 ソ連は、日本の対モンゴル政策を探る糸口と、軍事的優位確立までの時間稼ぎの手段として満州里会議を考えていた。ソ連は、モンゴルへの日本の影響が及ぶことを強く警戒し、モンゴルと満州国の国交が樹立されるような事態は避けたかった。そのため、ソ連政府は、モンゴル政府に対し、議題が国交樹立に及べば代表団を引き揚げるよう指示していた。 日本は、満州国とモンゴルの国交樹立などを通じてモンゴルへの影響力を強化することや、機密度の高いモンゴルの国内状況について情報収集することを意図していた。特に関東軍は、ウランバートルへの代表部設置により、モンゴル駐留ソ連軍の動向を探るためのスパイ拠点を確保する意図があった。 このように、ソ連と日本が実質的な交渉の実権を握っていたところ、そもそもソ連が大きな進展を望んでいなかったことや、日本・ソ連双方が満州国・モンゴル人民共和国に分断中のモンゴル民族の独自交流を強く警戒していたことが会議の失敗につながった。
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