長期増分費用方式とは? わかりやすく解説

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長期増分費用方式

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/28 21:49 UTC 版)

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長期増分費用方式(ちょうきぞうぶんひようほうしき)英: Long Run Incremental Costs とは、現時点で利用可能な最も効率的な技術で新規構築した設備の仮想供給原価に基づき料金を決定するものである。

先進国基礎的電気通信役務電話料金公衆交換電話網アクセスチャージ設定に用いられている。

長期増分費用方式の長所・短所

長期増分費用モデル研究会 [1]。において、総括原価方式と比較して、次のような長所、短所が指摘されている。

長所

短所

  • 仮想設備原価が、実際原価と大幅に乖離した場合、事業者間の過大な利益・損失原因となる。
  • 需要が減少した場合、利用者の料金上昇・事業者の投資回収不能が同時に起こる。

諸国の固定電話網における接続料算定方式

諸国の固定電話網における接続料算定方式(2017年3月末時点)
PSTN接続料 料金規制の適用対象事業者
算定方式 詳細 IP-LRIC
米国 ビル&キープ方式へ移行予定
英国 LRIC方式による上限規制 pureLRIC BT
他事業者にも同額を義務付け
フランス LRIC方式による上限規制 pureLRIC 全事業者
ドイツ LRIC方式による認可制 pureLRIC DT
他事業者にも同額を義務付け
韓国 LRIC方式による認可制 平均費用方式 × KT
日本 LRIC方式による認可制 平均費用方式 × NTT東日本
NTT西日本

英国のIP-LRICモデルと日本のIP-LRICモデルの違い

英国のIP-LRICモデルと日本のIP-LRICモデルの違い
加入者回線 中継伝送 ルータの設置位置 音声とデータの共用 PIOの位置
想定 IP化位置 収容装置 階層 接続形態 設備 対象サービス 設備
英国 メタル回線
路上MASNで光化される場合あり
収容局
路上の場合あり
MASN
路上又は加入者局
4
BA
SA
AN
CN
ノード間を原則としてリングで接続
遠隔地のみ例外的に
Point-to-Point接続
DWDM
装置としてはOTN多重化装置
BA
全国
40000
SA
1100
まではL2SWを配置
AN
106
CN
20
ルータ
ブロードバンド
技術
サービスは指定せず
帯域のみ設定
伝送装置
伝送路等
コアルータは
音声とブロードバンドで別
IC接続を全国20
コアノードの設置局と一致
で提供
GC接続は提供しない
IP-LRICモデルのIC接続料を
PSTNのGC接続料に適用
日本 メタル回線
路上のFRT等で光化される場合あり
収容局 音声収容装置
ISDN
収容交換機
3
収容局
GC相当局
コア局
ノード間を原則としてリングで接続 PTN 収容局
約70000
コア局
約100
ルータ
DSL
専用線
伝送装置
伝送路
IC接続を全国約100
コアノードの設置局と一致
で提供
GC接続を
GC相当局で提供

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ 長期増分費用モデル研究会 報告書 (案)”. 総務省 長期増分費用モデル研究会 (2017年6月27日). 2017年6月21日閲覧。

関連項目

外部リンク



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