重合反応の進み方
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/13 09:32 UTC 版)
「脂肪族ポリケトン」の記事における「重合反応の進み方」の解説
この重合は、パラジウム(II) - フェナントロリン触媒(下の図の[Pd])を使うことで、連鎖的に反応すると言われている。この説は、ノースカロライナ大学チャペルヒル校教授のモーリス・ブルックハート(英語版)が唱えたものである。 この反応でできるポリケトンは、非常に欠陥(不規則性)が少ないことで知られる。つまり、エチレンとカルボニル基が交互に付加する場合がほとんどであり、エチレン同士あるいはカルボニル基同士が繋がること(下図の赤い部分)はほとんどない。特に、カルボニル基同士が繋がることは活性化障壁が高いため、まず起こらない。 また、ブルックハート教授の研究によれば、エチレン同士が繋がるために必要となる、アルキルエチレン-パラジウム複合体も、どの条件でもほとんど発生しない。その上、アルキル基に一酸化炭素が付加するギブスエネルギーは、アルキル基にエチレンが付加するギブスエネルギーよりも約 3 kcal/mol 低い。 結果として、ポリケトンの欠陥率は非常に低く、約1ppm(100万分の1)ほどである。[1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(英語版)]パラジウム(II)触媒を使った場合についても研究例がある。
※この「重合反応の進み方」の解説は、「脂肪族ポリケトン」の解説の一部です。
「重合反応の進み方」を含む「脂肪族ポリケトン」の記事については、「脂肪族ポリケトン」の概要を参照ください。
- 重合反応の進み方のページへのリンク