鄭絪とは? わかりやすく解説

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鄭絪

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/05 01:36 UTC 版)

鄭 絪(てい いん、752年 - 829年)は、唐代官僚政治家は文明[1][2]本貫鄭州滎陽県[3]

経歴

池州刺史の鄭羨の子として生まれた。若くして非凡な志を抱き、学問を好み、文章を作るのを得意とした。大暦年間、儒学で高名となり、張参・蔣乂・楊綰・常袞らと交友した。進士に及第し、博学宏辞科に登第し、秘書省校書郎・鄠県県尉に任じられた。張延賞は剣南西川節度観察使に転じたが、鄭絪は召し出されて掌書記となった。入朝して補闕・起居郎に任じられ、史職を兼ねた。ほどなく翰林学士に抜擢され、司勲員外郎・知制誥に転じた。徳宗の朝廷で宮中の職にあること13年、細心でへりくだり、徳宗にすこぶる厚遇された[4][5]

貞元21年(805年)、徳宗が死去し、順宗が即位したが、遺詔が宣下されなかった。鄭絪は同僚の衛次公と正論を申し立てたので、宦官たちもあえて異論を立てようとはしなかった。王伾や王叔文らが永貞革新を進めた際も、鄭絪は協力せず中立を守った。憲宗が監国すると、鄭絪は翰林学士のまま中書舎人に転じた。まもなく中書侍郎・同中書門下平章事(宰相)に任じられ、集賢院大学士を加えられた。門下侍郎・弘文館大学士に転じた[6][7]

元和元年(806年)、鄭絪は杜黄裳とともに政権を握り、楊恵琳や劉闢を処断した[6][7]。元和4年(809年)、宰相を退任し[8]、太子賓客に降格した[9]。元和5年(810年)、嶺南節度使・広州刺史・検校礼部尚書として出向し[10]、清廉な統治で知られた。元和9年(814年)、工部尚書となった[11]太常寺卿に転じ、さらに同州刺史・長春宮使として出された[6][7]。元和13年(818年)、東都留守に転じた[12]長慶元年(821年)、入朝して吏部尚書となった[13]。長慶2年(822年)、兵部尚書となり、太子少傅を兼ねた[14]。長慶4年(824年)、再び吏部尚書となった[15]大和2年(828年)、御史大夫・検校尚書左僕射となり、太子少保を兼ねた[6][16]

鄭絪は老衰のため重ねて引退を求める上表をおこない、太子太傅として致仕した。大和3年(829年)10月、死去した。享年は78。司空の位を追贈された。は宣といった[6][17]

子に鄭祗徳があった。鄭祗徳の子に鄭顥があった[6][17]

脚注

  1. ^ 旧唐書 1975, p. 4180.
  2. ^ 新唐書 1975, p. 5074.
  3. ^ 新唐書 1975, p. 5059.
  4. ^ 旧唐書 1975, pp. 4180–4181.
  5. ^ 新唐書 1975, pp. 5074–5075.
  6. ^ a b c d e f 旧唐書 1975, p. 4181.
  7. ^ a b c 新唐書 1975, p. 5075.
  8. ^ 新唐書 1975, p. 210.
  9. ^ 新唐書 1975, p. 1710.
  10. ^ 旧唐書 1975, p. 430.
  11. ^ 旧唐書 1975, p. 449.
  12. ^ 旧唐書 1975, p. 462.
  13. ^ 旧唐書 1975, p. 491.
  14. ^ 旧唐書 1975, p. 500.
  15. ^ 旧唐書 1975, p. 510.
  16. ^ 新唐書 1975, pp. 5075–5076.
  17. ^ a b 新唐書 1975, p. 5076.

伝記資料

参考文献




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